「家は3回建てないと理想の家にならない」とは一般的に聞かれる話です。
家を建てるなんてのは、多くの人にとって一生に一度の「おおごと」なわけです。
にも関わらず、いや、だからこそ、勝手がわからない。
かといって、本当に三回も家を建てる人はそうそうおらず。
というわけで、一回限りの(だから?)失敗しがちなビジネスに対しては結構無茶な営業が通っちゃうことがあります。
結婚式の営業もそうですね。
これだとリピーターを掴めないんですが、やってる売り手の人たちはそれで良しとする価値観だと思われます。
私としては、大事な信用や口コミを逃していると思います。しかしそれは、当該プレイヤーとは別に「良心的なプレイヤー」がいる場合のみに成立する話です。ぶっちゃけ全員が無茶苦茶な営業を仕掛ける人たちだと、消費者側も「こういうものだ」として、むしろ比較的マシなプレイヤーを「良い」とほめることが予想されます。
リピーターを獲得する必要性がないのですね。また下手に「ぬるい」営業をすると他社に競争で負けるのです。
上記では、一生のうちに何回もあることはないでしょうから、無茶苦茶な営業もまかり通りました。
一方で、外食産業のような、リピーター獲得が重要になる業種ですと、どうなるでしょうか?
評判が重要なのはもちろん、顧客の期待を良い意味で裏切り「続ける」必要があります。
インスタ映えする創作料理で有名になったところは、次々と新作を発表しなくてはいけない消耗戦に突入しますし、インスタとその文化が廃れないように願う事でしょう。
恐らく多くの飲食店が、それで新規顧客を開拓しつつレギュラーメニューを味わってもらってリピーターになってもらうという戦略をとると思われます。
新規のメニューを作り続けるのはコストがかかるのです。
では、もう少しマシな、店も客も消耗しない、ジンテーゼとまではいかなくとも妥協案はないか?考えると身近なところにその工夫を見ることができました。
桂花ラーメンってご存知です?熊本ラーメンを食べさせてくれるラーメン屋です。
新宿を拠点に店舗展開されているようです。
「まずは、三回食べに来てください」というキャッチフレーズを最初に使ったのがこちらなのだそうです。(本当かな?真偽不明)
桂花さんが東京進出した当時、まだ、とんこつも細く歯ごたえのある麺も珍しく、東京の人は熊本ラーメンを異質に感じました。最初はうまいマズいではなく「今まで食べたことがないからぎょっとする」のだそうです。
聞いた話によると、カニクリームコロッケを最初に食べた人も「生焼けじゃないか!」と怒ったらしいのですね。だから熊本ラーメンも「話としてはわからんでもない」です。
なので、桂花ラーメンはメニューをいじることなく、このキャッチフレーズを使い、短いながらもリピーターを獲得したと。
4回目以降があるかどうかはレギュラーメニューの底力によるでしょうが、面白い工夫だと思います。
このように、ポイントカードや一か月に一回~数回の割引日、学生街や特定業種に対する割引など、近所の常連さんをつなぎとめる工夫はいくつもあるように思えます。
そしてそれは考えつくされ、使い古されているようにも見えます。
じゃぁ、どうやってリピーターを獲得する手法を編み出せばいいのか。
画期的なアイデアがあったら、ここで私が公開するはずはありません。
ある解決策を事例として紹介したいと思います。
桂花さんとは別の、とんこつラーメン屋の話です。
今まで商売をしていた場所が、建物自体を壊すことになり店を移しました。
それによって顧客層も変わりました。
その場所は高速道路のすぐ近くだったか何かで、新規の顧客が大変多くなったのだそうです。
そこである工夫をする事にしました。それは、値付けの改変です。
具体的には替え玉を今までの100円から300円だか、もっとだか。値上げしたそうです。
替え玉なんて大体100円だと思って頼みますから、お会計で結構な方が驚きます。しかし、確かにメニューに書いてある。自分が確認しなかったのが悪いという事で払うそうです。(かなり儲かったようです)
(尚、現金決済の替え玉は脱税の温床だそうです。収益の記録が残らないのですね。精算の方法にもよりますが、替え玉を値上げした点、上手いなぁと思います。)
誠実ではないなぁとは思いますが、不誠実とも言い切れません。
いかがです?冒頭の家の建築や結婚式の営業に似てませんか?
リピーターを獲得し維持し続ける消耗戦の奇手は、そのビジネスモデルからの脱却。
一般化して言えば、問題の解決策の一つは「問題自体を無くす事」と言えるようです。
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