

ヴォエっす(´⊙ω⊙`)
うめ吉っちゃんやぞ☆
ポジティブ心理学(positive psychology)というものを知っていますか?
聞いたことないという人は、意識高い系のエセ心理学みたいなやつかな?って思っちゃう方もいるかもしれませんが、そういうのではありませんよ。心理学の一分野で、「幸福」「創造性」「主観的な幸福状態」「楽しみ」と言った、人生をより充実したものにすることを研究対象としているものです。
その中でも、今回はハンガリー出身のアメリカ人心理学者ミハイ・チクセントミハイ博士が提唱した「フロー(Flow)」という概念について書きます。
フロー(英: Flow)とは、人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。ゾーン、ピークエクスペリエンス、無我の境地、忘我状態とも呼ばれる。(Wikipedia:フロー (心理学)より)
スポーツの世界で「ゾーンに入っている」とか言われるのもこれですね。
ひとつの事に完全に没頭していて、精神的に集中しているため雑音などの不必要な情報は入らず、空腹や疲れさえも感じない状態のことです。そしてスポーツ選手に限らず、アーティストや経営者などの多くの成功者がこのフローを体験していることが、調査と研究によって明らかになりました。
そしてチクセントミハイ博士は、人間が幸福を感じるためにはフローを得ることが重要だと述べています。逆に、物質的・財産的なものが満たされることで得られる幸福はある程度までは効果があるものの、一定量以上になると幸福だとは感じられなくなるそうです。
これは、チクセントミハイ博士が2004年にTED(Technology Entertainment Design)のカンファレンスに登壇されていた時の動画です。
※ミハイ・チクセントミハイ: フローについて
フローは単に幸福感を得られるというだけでなく、何かひとつの事に没入している状態になるため、クリエイティブな活動において非常に重要な役割を果たします。
いわゆる(神が)降りてきた、というような感覚になるのでしょうが、実際には非常に集中した状態であるがゆえに、取り組んでいるひとつの事象において自分の能力を余すことなく使える状態になっているということです。
チクセントミハイ博士は、フローの状態を含めた人間の精神状態(メンタルステートメント)を8つの状態に定義しました。

このモデルでは、縦軸に挑戦レベル(挑戦の難易度)、横軸にスキルレベル(自己の能力)を取っています。
挑戦レベルもスキルレベルも低いと、「無感動」(無気力とも言う)になります。
自己の能力が高ければ高いほど、挑戦レベルとのギャップに能力を持て余す形になるので、退屈やリラックス(緩み)など精神状態になり物足りなさを感じます。
挑戦レベルが自己の能力よりも高いと「心配」「不安」といった状態になります。
しかし、そこから自己の能力が高まってきた時には「覚醒」状態となり、高い挑戦レベルに高いスキルレベルが合わさった時に「フロー」にたどり着くのです。
博士は「フロー」の次に良い状態が「覚醒」だと言っています。
高い挑戦レベルに手が届きそうになってくると、モチベーションもグッと上がりやすくなるというわけです。
チクセントミハイ博士は、フロー体験を得るための要素を7つ挙げています。(著作によっては8つ?)
1.目標の明確さ(何をすべきか、どうやってすべきか理解している)
2.どれくらいうまくいっているかを知ること(ただちにフィードバックが得られる)
3.挑戦と能力の釣り合いを保つこと(活動が易しすぎず、難しすぎない)
4.行為と意識の融合(自分はもっと大きな何かの一部であると感じる)
5.注意の散漫を避ける(活動に深く集中し探求する機会を持つ)
6.自己、時間、周囲の状況を忘れること(日頃の現実から離れたような、忘我を感じている)
7.自己目的的な経験としての創造性(活動に本質的な価値がある、だから活動が苦にならない)
※引用:「クリエイティヴィティ―フロー体験と創造性の心理学」浅川希洋志監訳 世界思想社、 2016年
この中の1〜3までは、ゲーミフィケーションを構築するための要素ととても似ています。
そもそもおっちゃんがチクセントミハイ博士の研究を知ったきっかけのひとつが、ゲーミフィケーションに関する著作に博士の名前が挙げられていたことからでした。
つまり、モチベーションを保つためには「1.目標の明確さ」「2.直ちにフィードバックが得られる」「3.活動が優しすぎず、難しすぎない」の3つが非常に重要なことなのです。
ちなみにこのフロー体験を得るための7つの要素は、全てが揃う必要があるわけでは無いが、複数が絡み合わないとフローは得られないと博士は言っています。
個人的には全てが揃わなくとも、1〜3までの部分はかなり意識しておきたいところです。
おっちゃんがなぜ、【教育・子育て】カテゴリーで「フロー」取り上げたかと言えば(仕事にも通じるし【ビジネス】でいいじゃんという意見もあるはず)、学ぶことが人生を豊かにすることに繋がると思うからです。
教育・子育てには社会に適応するために育てるという意義と、自己や社会に幸福をもたらす存在になって欲しいという願いと、二つの側面があるのではないかと考えています。
そして学ぶことが自己の能力を伸ばし、その能力に見合った(場合によっては超えた)チャレンジをすることで「幸福」や「楽しみ」を得ることができるということが社会の共通認識として根づけば、多くの人が幸せな人生を送れるようになるのではないでしょうか。
親や教育の専門家に留まらず、家庭、学校、職場、地域で【教育・子育て】を考えることは大事なことです。学び育つ先に幸せがある社会にしていくためのひとつの取り組みとして、教育の中に「フロー」を得やすい環境を整えていくというのはアリなんじゃないかなと思って、この記事を書くことにしました。
さーて、書き終わったことだしフロー(風呂)にでも入るか!
今回はここまで!
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ヴォエの案内役VoeBotちゃん
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