人の名前や地名の漢字、と言うか、漢字もかなも含めての表記を間違えることは誰でもあります。
でも、これは放送でやっちゃうと非常にマズイわけです。だから、放送局に勤務する人間は大抵、この人の字は間違いやすいぞというのを個々人でマークして普段から注意しています。そんな例をいくつか挙げてみましょうか?
そんなの間違うわけないでしょ、と思うでしょ? そう、我々はまず間違えません。でも、一般の視聴者の方がふと書いてみたら、ついつい「明石屋」にしてしまいがちなんですよね。
ここまでの大御所になると、間違う人はもうかなり少なくなっていますが、駆け出しの頃は誰でもなかなか憶えてもらえなくて、荒井由「実」とか桑田佳「祐」とか木村拓「哉」とかの「」の部分に、他の漢字が充てられている例を随分見たものです。
世の中には異体字というものがあって、俺はハシゴダカの「髙」橋だとか、クチナベの渡「邉」だとか言う人がいます。これ、ご本人のこだわりは解るんですけど、憶えるほうは大変です。
例えば宮﨑あおいさんと山﨑賢人さんはタツサキの「﨑」です。しかし、こういう字にはもう一つ問題があって、これらは「機種依存文字」なので端末によってちゃんと変換してくれないことがあるんですよね(もしこの文章もちゃんと変換されていなかったらゴメンナサイね)。
今は随分進化して割合ちゃんと表示してくれるようになりましたが、草彅剛さんなんてずっと「草なぎ剛(“なぎ”は弓ヘンに剪)」みたいな書かれ方してきましたもんね。
他にも古舘伊知郎さん、古舘寛治さんの「舘」とか、いろんなサイトウさん(斉藤、齊藤、斎藤、齋藤)とか、注意すべき漢字がたくさんあります(ちなみに斉藤由貴さんは一番簡単なやつ、齋藤飛鳥さんは一番難しいやつ)。
安西マリア、竹内まりや、山田まりや──この3つがちゃんと書けたら一人前(私も最初はこの原稿で間違えて書いてましたw)。ま、若い人は安西マリアなんて知らんか(笑) 竹内まりやは去年の紅白歌合戦で見たかな?
しかし、Maria はマリアだろうよ、って思うんですけど、キリスト教系の幼稚園に行っていた友だちが「マリヤ様」って言ってたような気がします(私はお寺の住職さんが副業でやってた仏教系の幼稚園でしたが)。
まあ、同じようなひらがな/カタカナ問題では、雛形あきこ、和田アキ子とか、江角マキコとか、どれがひらがなでどれが漢字でどれがカタカナか、よく分からなくなります。
ひらがなとカタカナで難しい両横綱は何と言っても「つボイノリオ」と「サエキけんぞう」でしょう。あと人名ではないですが「じゃりン子チエ」も難しい(笑)
「か」「ま」「な」「ゆ」「り」などと読める人名漢字は山ほどあります。だから、そんな文字が入った名前はいちいち確認しないと間違うのです。
例えばあなたは平手友梨奈って間違わずに書けますか? 戸田恵梨香は大丈夫? 川栄李奈は? 小松菜奈はどっちのナがどっちの漢字?
そう、女の子の名前の漢字にはやたらとバリエーションがあってほんとに大変です。
漢字を書くほうだけじゃなくて、漢字を読むほうの間違いもあります。先日「二宮和也」をニノミヤカズヤと読んだアナウンサーがいて、びっくり仰天しましたが、知らない人は知らないもんです。
似たような例では、黒谷友香──全部訓読みでクロタニトモカ。クロヤユカではありません。黒島結菜──これも全部訓読みでクロシマユイナ。
いっそのこと全ての人名が訓読みなら良いのにね。
意外に書けないのが賀来千香子。知ってる? 女優で賀来賢人さんの叔母さん。これ、チカコは「千賀子」という思い込みがあるから、「賀来」まで書いて、あれ?もう一度「賀」の字使うのか?と分からなくなるんです。
それから女優の波瑠さん。これ最近漸く変換してくれるようになりましたが、最初は何度変換しても「波留」しか出てきませんでした。まあ、「波留」って苗字の人もいますしね。
でも、彼女が売れてきたことによって、正しく変換してくれるようになったわけで、明石家さんまさんや桑田佳祐さんみたいに、やっぱり売れることが一番なんですよね。
ちなみに私は人名の間違いをできるだけ避けるために、もう何年も前に MS-IME から Google日本語入力に切り替えました。Google日本語入力はネット上の記述から拾ってきているので、人名には本当に強くて、一発変換率が高いです(この文章を書く際にも随分助かってます)。
使ったことのない方は一度試してみては如何でしょうか。