
英語には私たちの知らない読み方をする記号が結構たくさんあります。

たとえば「+」。これを and と読ませます。
love + peace でラブ・アンド・ピースと読ませるんです。
えっ、love & peace じゃないのか?と思われるかもしれません。もちろん & も使われるのですが、+ のほうが早く書けるためか、日常的には + のほうがよく使われたりもします。
+ を and と読ませることに抵抗感があるかもしれませんが、2+3=5を英語で言えば
Two and three is five.
あるいは
Two and three makes five.
になることを考えると納得が行くでしょう。
もちろん上記の and を plus に書き換えても構いません。つまり、+ は and とも plus とも読めますから。さらに上記の is や makes を equals に換えると数式そのままんまの言い方になります(これも正しい表現です)。
ところで、話は戻って & ですが、私たちはこれをアンドと読んで、記号の名前としてもアンドと呼んでいますが、英語ではこの記号をアンパサンド(ampersand)と呼んでいます。
HTML が書ける方なら、「そうか、だから & は & amp ; と書くのか!」と合点が行ったのではないでしょうか。
もうひとつ意外な例が「#」です。
私たちはこれを何と読むか? 「シャープ」に決まってますよね。
でも、よく見ると違うんですよね。音楽記号の「シャープ」は「♯」です。見比べてください。「#」は横の線が水平なのに、「♯」は横の線が斜めなんですね。何故かと言うと、「♯」は五線紙の上に書くので、横線が水平だと五線紙の罫線とかぶって見にくいのです。だから斜めになってます。
じゃあ、これは sharp でなかったら何なんだ?
この記号の読み方は number です。つまり、# = number。#1 = number 1 です。
No.1 という表記も確かにあるのですが、#1 という表記がよく使われます。#1 と書いてアメリカ人に読ませてみてください。彼らは例外なく number one と読みます。「#」という記号の名称も number sign です。
日本のTV業界では「第1回」のことを「シャープ・ワン」と言ったりしますが、これはアメリカからの直輸入で、読み方だけが日本式だった訳です。私は会社に入った頃に、なぜ番組の回数を数えるのに音楽記号を使うのか不思議に思ったのですが、# を number と読むと知って初めて納得が行きました。
そう言えば、かつて米国でのイベントを毎年やっていた時に、彼らから提出される資料には確かに #1, #2 などと書いてありました。私はこれを number と読むとは長らく知りませんでした。
ところで、電話のキーについている#記号。あれも日本ではシャープとか井桁とか言っています。音声自動応答で言う「正しければシャープを…」ってやつですね。
ところが英語ではこれを pound key と言うそうです。なんで number key って言わないのかな、と一瞬思ったのですが、よく考えてみると0から9までも間違いなくナンバー・キーですもんね。
ことほどさように、英語の記号には私たちの知らない読み方があるのです。
どうです、今回の企画? 目のつけどころがシャープでしょ?
【追記】
最近では twitter の影響もあって # は hash と読まれることも多くなってきましたね。
アメリカではキーボードの # を pound key と読むと上に書きましたが、イギリスではこれを hash key と言うのだそうです。何故ならイギリスで pound と言えば通常は通貨「ポンド」のことになってしまうので、pound key と言えば £ のことなのだそうで、#1 も hash one と読むのだそうです。
なるほど。英米で違うのか…。ならば日本ではやっぱり「井桁」で行っときますか? それでよろしければ井桁をタップしてください(笑)










