
プロボクシングの村田諒太選手が世界チャンピオンに返り咲きました。WBA世界ミドル級です。

ミドル級というのは日本人からしたら割合重いクラスで、調べてみると、白井義男以来今日までに 92人の日本のジム所属(外国籍も含む)チャンピオンが誕生している中で、ミドル級以上は竹原慎二と村田諒太しかいません。
と言うか、2人ともミドル級だから、スーパーミドル級以上でチャンピオンになった日本人ボクサーはいないということです。
でも、考えてみたら middle って「中くらい」「真ん中」の意味じゃないですか。村田諒太って中くらいですか!?
一方「軽い」って意味の light 級のチャンピオンだったガッツ石松なんかを見ると(もちろん引退後の太った姿を我々はTVで見慣れてしまったせいもありますが)「軽い」って印象あります? ごっついおっさんじゃないですか
でも、階級名だけから判断すると、日本人は中くらいよリ軽い選手ばかりってことになります。ただし、多分これは世界的な平均体重から命名された名前ではなく、近代ボクシングを始めたイギリスの白人たちの基準だったんでしょうが。
ミドル級は 160ポンド(72.57kg)以下ということなんで、まあ、日本人男子としては中くらいと言えないこともないですが、筋肉を鍛え上げたスポーツマンが厳しい減量に耐えた結果の 72kg だと考えれば、やっぱり日本では重いほうではないかという気がします。それでも middle級なんですよね。
ボクシングやレスリングの階級名は柔道の「男子81kg級」みたいな名前と比べると、随分分かりにくいですよね。横文字ということもあるけれど、あまり日本人に馴染みのない単語が使ってあるからです。
バンタムとかウェルターとか分かります? 名前を聞いただけで感覚的に分からないから、どっちのほうが重いのか分からなくなったりもします。
さらに、「○○級」という階級の他に「ライト○○級」とか「スーパー○○級」というのもあります。「○○級」の1つ下が「ライト○○級」、1つ上が「スーパー○○級」なんですが、ライト・フライ級 → フライ級 → スーパー・フライ級という風に全部揃っている場合もあれば、そうでない場合もあります(そうでない場合のほうが多いです)。
その上、この名前はちょこちょこ変わります。ストロー級がミニマム級に変わったり、昔は「ジュニア○○級」だったのが今は「ライト○○級」になっていたり、でも、ジュニア・ウェルター級はライト・ウェルター級ではなくスーパー・ライト級になっていたり…。
そもそも「ライト級」があるのに「ライト○○級」を作るなよ、ややこしい。
そういうわけで、「ライト○○級」と「スーパー○○級」を除いて階級名とその和訳を並べてみると、こんな感じになります。
ミニマム(minimum) = 最低限
※ ちなみに旧名では ストロー(straw) = 藁
フライ(fly) = 蝿
バンタム(bantam)= チャボ(鶏の種類)
フェザー(feather)= 羽毛
ライト(light)= 軽い
ウェルター(welter) = ?
ミドル(middle) = 中くらい、真ん中
クルーザー(cruiser) = 巡洋艦、巡航船
ヘビー(heavy) = 重い
ちょっとおかしくないですか? 確かにハエよりはチャボのほうが重いでしょうが、どう考えても羽毛よりもチャボのほうが重いでしょう? 昔の名前で言うとハエよりワラのほうが重い気もするし…。
で、分からないのがウェルター。welter を辞書で引くと「揺れる」とか「ごちゃ混ぜ」とか、意味バラバラの訳語が出てきて、下のほうに「= welterweight」という記述があり、その welterweight を引くと「(ボクシングなどの)ウェルター級」とあって、結局 welter の意味が何なのか分かりません。
さらに、ハエとか羽毛とか言ってたのに、なんで突然船が出てくるのか? そりゃ重いでしょうよ。でも、それより重いのが heavy(重い)級(笑)
ふむ、なんとなく釈然としませんな。釈然としないから憶えられないのでしょうか…。











