中国語には簡体字と繁体字があるじゃないですか。ざっくり言ってしまうと、中国本土で使われているのが簡体字、台湾で使われているのが繁体字です(台湾も繁体字で書くと臺灣です)。
繁体字は昔私の祖父や祖母が使っていた、結構ややこしい字体(これを読んでいる人にとっては場合によっては曽祖父母や高祖父母かもしれませんが)。
そんな繁体字の反対が簡体字で、簡体字はどれも従来の字より画数が少なくなっています。私は最初、「簡単な字だから簡単字」かと思っていたら、そうではなくて「簡体字」でした。
漢字というものがあまりに複雑で学習が困難であり、そのために国民のレベルが落ちるようではいけない、みたいな判断から中国はこの簡体字に移行したのだと聞きました。
日本には中国からも台湾からも旅行者が来るので、お店によって最近では簡体字と繁体字の両方で表記してある看板も見かけます。例えば「欢迎」と「歡迎」。日本語の「歓迎」がちょうど両者の中間ぐらいのごちゃごちゃ具合です(笑)。
でも、この簡体字を見ていると、我々日本人としてはなんかハシゴを外されたような気になりません?
そもそも中国から渡ってきた漢字を、それなりに日本的な改良や運用変更は加えながらも、基本的には後生大事に使ってきたのに、気がついたら本国ではもうそんな漢字は使っていないわけですから。
でも、それも字によって程度問題のケースバイケースです。
たとえば上の浅草の浅ぐらいだと、日本語とほとんど一緒だからそんなに抵抗感はありません。むしろ横棒一本だけ節約してどうするの?という感じ。
その横の2字のうち「往」じゃないほう分かります? これ「開」なんですって。おーい、門はどこ行った? 門がないのに開くっておかしくね?
それから、この「JR線」の「線」。これも分かるっちゃ分かります。ああ、なんかいい加減な感じにそこそこ節約したな、って感じ。
でも、中にはあまり画数を節約できていないのもあって、にもかかわらず従来と別の字になっていたりすると、ものすごく気持ち悪かったりします。
例えばこれ:
うーん、この「渋谷」は何度見てもぎも゛ぢわ゛る゛い゛。そんなことないですか?