今日は暇だったのでもうひとつエントリー
あれは・・・数十年前
大学3年の2泊3日夏休み旅行の話です
男5人で名古屋から車で
尾道・出雲大社・鳥取砂丘をめぐる山陰の旅に出かけました
当時 女っけもなく むさくるしい男だけの旅でしたが
尾道では大林作品のロケ地を訪れ
出雲大社では良縁を祈願し
最後の訪問地 鳥取砂丘では 初めて見る砂丘に感動しテンション高く海まで走っていきました
砂丘を堪能し 売店でお土産を物色していた時 事件は起きました
運転手をしていたH君が突然
「車のカギがない 落としたかも」
と言い残し砂丘に向かって走り出しました
おい・・・
残された4人はポカンです
状況を理解するのに少し時間が必要でした
おい おい・・・
4人とも買おうとしていたお土産をいったん棚に戻し
沈黙のままH君を追っかけます
H君は一人 何かにとり付かれた様にどんどん進んで行きます
残された4人は 通ったであろう所(目印なく全くわかりません)を
横1列に一定間隔で並び足元を凝視しながらゆっくり進みます
誰一人 一言も発しません 無言です
今日は旅行最終日 後は帰るだけです
もしカギが見つからなかったら・・・
宿探して 車の持ち主は家族に連絡して スペアキーを宿に郵送
到着まで1日?2日?いや3日?
おい おい おい・・・
前を見ると 見渡す限り砂丘が広がっています
ついさっきまで感動した景色が 絶望感しかないです
H君 右に行ったり 左に行ったり
ウロウロしながらどんどん離れて行きます
1時間経ち・・・2時間経ち・・・
まだまだ砂丘の真ん中ぐらい
4人は無言のまま足元を見ながら一歩一歩前に進みます
その時でした 横を歩くS君の手が動くのが僕の視界に入りました
S君その手を天に突き上げ
S君がHEROになった瞬間でした
僕たちはHEROを称えかけよります
遠くからひざまずき こちらを見るH君の姿が今でも脳裏に焼きついています
それから僕はキセキを信じるようになりましたとさ
おしまい