【女性は愛されることで幸せを感じ、愛のエネルギーを出せる②】
殿方にも申し上げておきます。あなた方は、これだけ幸せに、これだけいい生活をさせて、こういうふうに僕たちは、毎日毎日あなたを食べさせるために働いてきてるのに、何を文句を言うのだと、何が不服なんだと、よくおっしゃられるかもしれない。
でも女性は、確かに物にも執着するかもしれませんけれども、物への執着というのは、だいたい愛情の欠乏が原因となっている場合が多いのです。あなた方が奥様を、恋人を愛するときに、理屈ではなく、感性の部分で、理不尽な女性の愛というものを受け止めてあげていただきたいのです。
理屈ではないのです。ひじょうに女性は理屈においては、矛盾したことが多いかもしれない。でもひとこと言うなら、愛を欲しがっている。愛がなくて寂しいという、シグナルとして、外に行って、買い物中毒になったりもするのです。
女性というものは、愛というものがいちばん、幸・不幸を左右するのです。殿方においては、仕事とか、社会と関わる目標があったのならば、逆に女性との愛という問題は、逆に、そうですね、必要のないと言ったら言いすぎになるでしょうか。無くても、幸せに人生を生きることができるのかもしれません。
でも女性は、幸・不幸を分けるのは、ただその愛する方、愛する人にほんとうに愛されているのだろうかという、その不安感、それが幸・不幸を大きく分けてしまう。それが多くの不幸の要因を産んでしまうということも事実なのです。
ですから、日本の男性は、スキンシップとか、お花のひとつも持っていくとか、そういうことがちょっと足りないかもしれません。
それがまた日本男児の、男らしさであり、素敵なところだと、わたくしなどは思うのですが、やはり不安でいる女性たちへはできる限り、あなたを愛しているんだよ、というふうにおっしゃっていただいて、女性たちが自分は愛されているんだと、そういうふうな確信に戻れるように、どうか安心させてあげていただきたいのです。
そうやって女性を受け止めてくだされば、今、子殺しをしたり、育児ノイローゼでお子さんを殺してしまう若いお母さんたちがいますが、その思いは、だいたい、子どもを抱えて夫に振り向いてもらえない、理解してもらえないかもしれない、わたしは一人で生きていけない――という混乱。基本的にはご主人様にもっと、しっかりと抱きしめて、抱きとめ、受け止めておいていただけたのならば、防げたということも、けっこう多いように思うのです。
愛により、こんなにも幸・不幸が左右される。それがある意味でいうと、おなごと呼ばれている女性たちの、まぁ、欠点であるというか、個性であるかもしれません。
でもそれがゆえに幸せになったときには、愛のエネルギーとして、愛の通路として、全身から、愛を発散することができるということ。その特性を持っているのが、また女性であります。
木花開耶媛命「アマテラスの祈り」より