『大日本仏教全書』や、『群書類従』、『近江輿地志略』、『大正新修大蔵経』などなどの、たくさんの人たちの、たくさんの叡智を積み上げることでつくられた、すばらしい本の数々に触れていると、「この社会って、めちゃくちゃすばらしいところだな!!!」とかんじます。
(o≧ω≦)O
これらの本は、その内容が電子データとして公開されていて、インターネットで誰でも自由に閲覧することができるようになっています。
そうした、「みんなの力をあわせてつくったものを、みんなでわかちあう」という現象にふれていると、こころの奥底から熱いものがわきあがってきて、胸のBPMが高鳴りまくってしょうがない、やる気MAXファイヤーな状態になります。
そんなこんなで、興奮冷めやらないかんじなので、そのいきおいで、これらの本の紹介をしたいとおもいます。
また、「みんなの力をあわせてつくったものを、みんなでわかちあう」という現象にふれているときに、胸をよぎる言葉も紹介したいとおもいます。
『大日本佛教全書』は(…)本文150巻、巻子本10巻、目録1巻として(…)多数の学者の協力のもとに出版したものである。総数953部、3,396巻をふくむといわれ、日本仏教の貴重な文献の集大成である。これによって、それまで古社寺や蔵書家の奥深く秘蔵されて、研究者に近づき難かった古写本類や希観書が、公開せられることになったのである。 それによって、古来の名僧知識たちが心血を注いで著作した華厳・天台・法相・浄土・倶舎等に関する名著をはじめ、僧侶の海外旅行記や寺誌、僧侶の日記、密教の秘伝等までも公開せられ、仏教研究に利用可能となったのである。
(出典)
40 阿娑縛抄第六 - 大法輪閣
https://www.daihorin-kaku.com/book/b109035.html
(引用文中の太字の文字装飾は、引用者が加えた文字装飾です。)
(画像の出典)
『大日本仏教全書』
大日本仏教全書. 第40巻 阿娑縛抄 第6 - 国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/952720/2
塙保己一(…)7歳で失明(…)音曲や鍼,按摩の修業をしたが不器用で物にならず,むしろ強く学問を志した。(…)保己一の事業は国書の大叢書である『群書類従』670冊の編纂と刊行(1819),その続編である『続群書類従』の編纂,国史・律令の編纂(…)など,いずれも不朽の功績である。
(出典)
塙保己一(はなわ ほきいち)とは - コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E5%A1%99%E4%BF%9D%E5%B7%B1%E4%B8%80-14636
(引用文中の太字の文字装飾は、引用者が加えた文字装飾です。)
(画像の出典)
『群書類従』
群書類従. 第壹輯 - 国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1879424/4
(画像の出典)
『群書類従』
群書類従. 第壹輯 - 国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1879424/5
『近江輿地志略』という本は,江戸時代の享保8年(1723)に,膳所藩士であった寒川辰清(さんがわ とききよ)が,ときの藩主本多安敏の命をうけて編纂に取りかかり,享保19年(1734)に完成した近江国の地誌です。101巻100冊から構成されており,その内容は,近江国の概観からはじまって,12郡の村ごとに名所・旧跡や寺社等を紹介し,最後に「人物」や「土産」(その土地の名産品)が詳細に記されています。記述には,歴史書や古記録から関係する史料が縦横に引用されるとともに,地元の言い伝えも示されています。つまり,この本には,江戸時代(18世紀頃)における近江国の村々の情報がぎっしりと詰めこまれているのです。(…)偉大な先達の恩恵に感謝せざるをえません。(…)寒川辰清の邸宅は膳所城下町にありました。京阪石坂線中ノ庄駅を下車し,膳所小学校(山側)へむけて徒歩2分程の道路際に邸宅跡の石碑が立てられています。
(出典)
調査員のおすすめの逸品 No.136 地域の歴史の宝庫―『近江輿地志略』 | 公益財団法人滋賀県文化財保護協会
http://shiga-bunkazai.jp/%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%93%A1%E3%81%AE%E3%81%8A%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81%E3%81%AE%E9%80%B8%E5%93%81%E3%80%80no-136/
(引用文中の太字の文字装飾は、引用者が加えた文字装飾です。)
(画像の出典)
『近江輿地志略』
近江輿地志略 : 校定頭註 - 国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/950934/2
ちなみに、下に掲載している、「寒川辰清邸趾」の石標の写真(『近江輿地志略』の著者である寒川辰清(さんがわ とききよ)の邸宅の跡地に立っている石標の写真)(所在地:滋賀県大津市中庄2丁目20)や、京阪石山坂本線(京阪電車)の中ノ庄駅の写真は、2019年7月13日に、ぼく自身が撮影した写真です。
これは余談なのですが、ぼくは、いま、現存最古の酒呑童子説話(酒天童子説話)をいまにつたえている、香取本『大江山絵詞』(かとりぼん おおえやまえことば)という絵巻物の研究をしています。この『大江山絵詞』という絵巻物は、鎌倉時代~南北朝時代(室町時代前半)ごろにつくられたとされている絵巻物です。この『大江山絵詞』の成立には、その当時の比叡山延暦寺(天台宗)がふかくかかわっています。その関係で、比叡山延暦寺がある近江国(現在の滋賀県)の説話や、伝承や、伝説などについて、いろいろとしらべることが多いのです。そういったときに、この『近江輿地志略』の本に、とてもお世話になっています。この『近江輿地志略』の本から、どれだけたくさんのことを学んだか、数えきれないほどです。(そして、読むたびに新しいことを学ばせてもらっています。)
そういった経緯もあって、以前から、『近江輿地志略』の著者である寒川辰清さんには、おおきな感謝をかんじていました。そこで、寒川辰清さんの邸宅の旧跡地に立っている「寒川辰清邸趾」の石標の場所を、実際におとずれてみました。下に掲載している写真は、そのときに撮影したものです。この旧跡をたずねることができたことで、寒川辰清さんと、『近江輿地志略』にたいする、ぼくのお礼の気持が、すこしはつたえられていればいいなとおもいます。
「寒川辰清邸趾」の石標の所在地(滋賀県大津市中庄2丁目20)の地図
Google マップ
https://goo.gl/maps/ExEeZoRzz7VMb4aj8
大正新修大蔵経(…)仏教の一大叢書(そうしょ)。(…)全100巻(…)多数の学者の協力のもとに、前後13年を費やし34年(昭和9)に完成された。中国、朝鮮、日本で刊行されたすべての大蔵経を質的にも量的にも凌駕(りょうが)した大蔵経の決定版であり、内外の学者が学術論文に仏典を引用する場合は、『大正蔵』の巻数、ページ数、段数を明示するのが通例である。(…)東西の仏教系大学が協力して『大正蔵』の索引を作成・刊行しており、インド・中国撰述についての索引はすでに完成し、利用されている。
(出典)
大正新修大蔵経(たいしょうしんしゅうだいぞうきょう)とは - コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E5%A4%A7%E6%AD%A3%E6%96%B0%E4%BF%AE%E5%A4%A7%E8%94%B5%E7%B5%8C-1557690
(引用文中の太字の文字装飾は、引用者が加えた文字装飾です。)
(画像に写っているウェブサイト)
『大正新修大蔵経』
大正新脩大藏經テキストデータベース ホーム
http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/
しかも、これらのすばらしい本の数々は、インターネットで誰でも自由に閲覧することができるようになっているのです!
『大日本仏教全書』
大日本仏教全書. 第40巻 阿娑縛抄 第6 - 国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/952720/2
『群書類従』
群書類従. 第壹輯 - 国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1879424/5
『近江輿地志略』
近江輿地志略 : 校定頭註 - 国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/950934/2
『大正新修大蔵経』
大正新脩大藏經テキストデータベース ホーム
http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/
こうしたすばらしい「叡智の結集」の本の数々が、インターネット上で、すべての人が自由に閲覧できるようになっているなんて・・・! この社会は、なんてええとこなんや!!!(感涙)
(T^T)
(GIFアニメのシーンの出典:シアン(プラズマジカのボーカルギタリスト), 『SHOW BY ROCK!!』第1話「track-01 Have a nice MUSIC!!」の 21:32 のシーン(シアンが、プラズマジカのメンバーたちから、初めて「一緒に演奏しよう」と誘われたときの場面)より.)
「大事な発見は、自分ひとりだけで
しまっておいてはいけないよ」
とビッケは言います。
「かくしておいたら、何も進歩しないもの。
ほかの人と分かちあえば、ほかの人もまた、
いいことを教えてくれるだろう。
そうすれば、みんながよくなる!」
・・・・・・デキた子やなぁ。彼には多くの人々に貢献する気持ちがあるのです。その「人々」には、父ハルバルと対立している敵さえも含まれます。ビッケの最もステキなところです。(中略)
ビッケの言葉はすべて『ビッケと空とぶバイキング船』
(著:ルーネル・ヨンソン 訳:石渡利康 評論社)
60ページより引用
(出典:幸村誠 (2016年) 『ヴィンランド・サガ』第17巻(冊子版), アフタヌーンKC, 講談社, 冊子のカバーの「そで」(折り返し)のところに掲載されている著者による文章より.)
(引用文中の太字の文字装飾は、引用者が加えた文字装飾です。)
ヴィンランド・サガ(17) (アフタヌーンKC) | 幸村 誠 |本 | 通販 | Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/4063881091/
知識ある者の責任
知識労働者が貢献に焦点を合わせることは必須である。それなくして、彼らが貢献する術はない。知識労働者が生産するのは、物ではなくアイデアや情報やコンセプトである。知識労働者は、ほとんどが専門家である。事実彼らは、通常、一つのことだけを非常によく行えるとき、すなわち専門化したときにのみ大きな成果をあげる。専門知識は、それだけでは断片にすぎない。不毛である。専門家の産出物は、ほかの専門家の産出物と統合されて初めて成果となる。
必要なことは、ゼネラリストをつくることではない。知識労働者が彼自身と彼の専門知識を活用して成果をあげることである。言い換えれば、自らの産出物たる断片的なものを生産的な存在にするために、それを利用する者に「何を知ってもらい」「何を理解してもらわなければならないか」を徹底的に考えることである。
知識ある者は、常に理解されるように努力する責任がある。素人は専門家を理解するために努力すべきであるとしたり、専門家はごく少数の専門家仲間と話ができれば十分であるなどとするのは、野卑な倣慢である。大学や研究所の内部においてさえ、残念ながら今日珍しくなくなっているそのような風潮は、彼ら専門家自身を無益な存在とし、彼らの知識を学識から卑しむべき衒学に貶めるものである。
貢献に責任をもつためには、自らの産出物すなわち知識の有用性に強い関心をもたなければならない。成果をあげるためには、このことを知らなければならない。自らの顔を上に向けることによって、ほとんど無意識に、他の人が「何を必要とし」「何を見」「何を理解しているか」を理解できるようになる。さらには、組織内の人たち、つまり上司、部下、そして他の分野の同僚に対し、「あなたが組織に貢献するためには、私はあなたにどのような貢献をしなければならないか」「いつ、どのように、どのような形で貢献しなければならないか」を聞けるようになる。
(中略)
自らの貢献に責任をもつ人は、その狭い専門分野を真の全体に関係づけることができる。
(出典:ピーター・F・ドラッカー(著者), 上田惇生(翻訳, 編集) (2000年) 「知識ある者の責任」, 「3章 貢献を重視する」, 「Part2 働くことの意味が変わった」, 『プロフェッショナルの条件:いかに成果をあげ、成長するか』, ダイヤモンド社, 88~89ページより.)
(引用文中の太字の文字装飾は、引用者が加えた文字装飾です。)
現代社会において加速度的にイノベーションを起こしているのは、ますます活発化するアイデアの交換なのだ。(中略)新しい知識の特徴は、(中略)他者に与えたあとも自分に残っている点にある。(中略)アイデアを誰かに与えても、それは自分に残る。
(中略)
したがってイノベーターの仕事とは「共有」することなのだ。彼らがすることのなかでいちばん重要な行為は共有することで、それがなければ、イノベーションは彼らにも他の人にも何ももたらさない。
(中略)
現代社会の真価は途方もないスケールの「つながり」にある。(中略)ほとんどすべてのテクノロジーは雑種(ハイブリッド)なのだ。
(中略)
したがって拡散効果――他者があなたのアイデアを盗むという事実――は、発明家にとってたまたま起きる厄介な欠点などではない。それがイノベーションの真骨頂なのだ。周りに広がっていくことで、イノベーションは他のイノベーションと出会ってつがう。現代社会の歴史は、アイデアが出会い、混じり合い、つがい、変異した歴史だ。経済が過去二世紀において急成長を遂げた理由は、アイデアがそれまでになく組み合わさったことにある。
(出典:マット・リドレー(著者), 大田直子(翻訳), 鍛原多惠子(翻訳), 柴田裕之(翻訳) (2013年) 「交換だった!」, 「第8章 発明の発明:1800年以降の収穫逓増」, 『繁栄:明日を切り拓くための人類10万年史』(文庫版), ハヤカワ・ノンフィクション文庫, 早川書房, 413~417ページより.)
(引用文中の太字の文字装飾は、引用者が加えた文字装飾です。)
人類の交換と専門化がこの地球のどこかで続く限り、指導者が手を貸そうが邪魔立てしようが文化は進化する。その結果、繁栄は拡大し、テクノロジーが発達し、貧困は減り、疾病が勢いを失い、人口増加は収まり、幸福が増し、暴力が減り、自由が栄え、知識が豊かになり、環境が改善し、原野が拡大する。マコーリー卿がこう述べている。「人類の年代記のどこを見ても目に入るのは、戦争や税金、飢饉、大火災、有害な禁止政策、より有害な保護政策と闘う個々の人びとが、政府が濫費するそばから創造し、侵略者が破壊するそばから修繕する精勤ぶりである」
(中略)
さまざまな挫折がこれからも起きるであろうし、各人はみな同じような進化した不変の性質を持っているにもかかわらず、人類はその文化を拡げ、豊かにし続けていくだろう。二一世紀は生きるのにすばらしい時代となる。
あえて楽観主義者でいようではないか。
(出典:マット・リドレー(著者), 大田直子(翻訳), 鍛原多惠子(翻訳), 柴田裕之(翻訳) (2013年) 「無限の可能性」, 「第8章 発明の発明:1800年以降の収穫逓増」, 『繁栄:明日を切り拓くための人類10万年史』(文庫版), ハヤカワ・ノンフィクション文庫, 早川書房, 544ページより.)
(引用文中の太字の文字装飾は、引用者が加えた文字装飾です。)
フェルマーの最終定理が正しいという知識や、クエーサーが遠くの銀河だという知識がGDPを増やすことはけっしてない。けれどもそうしたことについて心を遊ばせるなら人生は豊かになる。
(出典:マット・リドレー(著者), 大田直子(翻訳), 鍛原多惠子(翻訳), 柴田裕之(翻訳) (2013年) 「無限の可能性」, 「第8章 発明の発明:1800年以降の収穫逓増」, 『繁栄:明日を切り拓くための人類10万年史』(文庫版), ハヤカワ・ノンフィクション文庫, 早川書房, 422ページより.)
「人の一生は短い。
それひとつでは意味をなさない一瞬の "光" だ。
だから人を愛せ。
絶望する前に、いまできる最善のことを見つけろ。
そうして連なり、響きあった時に、
"光" は初めて意味をなす」
(出典:サイアム・ビストの言葉、著者:福井晴敏、『機動戦士ガンダムUC (10) 虹の彼方に (下)』(小説)、角川書店(角川グループパブリッシング)、角川コミックス・エース、2009年、116ページより.)
「みんなのために・・・
みんなのために使う
連邦もジオンも
宇宙も地球も関係ない
みんなのためにラプラスの箱を」
(出典:バナージ・リンクスの言葉、『機動戦士ガンダムUC episode6「宇宙(そら)と地球(ほし)と」』(アニメ)より.)
(参考:episode6「宇宙(そら)と地球(ほし)と」のテレビCMの映像、機動戦士ガンダムUC episode6『宇宙と地球と』TVCM(アニメ))
「この虹の彼方に、
道は続いている。」
(出典:マリーダ・クルスの言葉、著者:福井晴敏、『機動戦士ガンダムUC (9) 虹の彼方に (上)』(小説)、角川書店(角川グループパブリッシング)、角川コミックス・エース、2009年、226ページより.)