Power Ledgerの代表へのインタビュー記事の和訳です。原文は長すぎたので分割したのでまずは第一部を一読頂けると嬉しいです。
何か質問とかある場合は日本語テレグラムへぜひお越しください。
①あなたはオーストラリアのパースに拠点があって、Power Ledgerで2年間勤務しています。Power Ledgerとはどういう会社で、そこにおけるあなたの役割について説明して頂けないでしょうか。
はい、私はPower Ledgerの共同創業者で、代表です。Power Ledgerはブロックチェーンを使って、分散型電力市場を実現しようとしているテクノロジー企業です。私たちのプラットフォームは電力の取引に加え購入者と売主の間での決済と支払いができます。さらに、電力資産の資金調達と運営にも使われます。
②『電力資産』とP2P電力というと、電力供給に関して中央集権型の企業に依存しなくてもよくなり、依存度が下がるということでしょうか。
もしかしたら、住宅の屋根にソーラーパネルや蓄電池を取り付けて近所に余剰電力を売却することができたり、メガソーラー業者が大規模な卸売マーケットへの参加者の代わりにより多くの小口顧客に売ったりすることができます。さらに、このプラットフォームはカーボンクレジットと認証のためにも使えます。
例えば、カルフォルニアで電気自動車を使ったプロジェクトを行っています。そのプロジェクトの目標は電気自動車が再生可能エネルギーを使った電気が使われている昼に充電を行うことを促進するために、昼に充電したらカーボンクレジットを受け取ることができるようにしています。ちなみに、夜に充電した場合は化石燃料ベースの電力が使われている可能性が高いため受け取れません。
電力は様々な方法で発電することができます。私たちのテクノロジーは特に再生可能エネルギーとの相性が良いですが、伝統的な電力資産に活用することもできます。
③ビットコインとブロックチェーンに興味を持ち始めたのはいつからですか。
2016年1月に、元同期が2人のブロックチェーン開発者を紹介してくれました。正直、最初はその凄さがあまりわからなかったのですが、電力市場をぶっ壊すようなものを探すために博士課程にいたので、電力セクターに活用したアプリケーションがないか質問しました。ちょうど、私は博士課程において、集合住宅のための太陽光と電池を設計していて、各アパートに電力の単位を割り当てて、その電力を消費するために家にいなければ、その電力を近所に売却できるようなソフトウェアを探していました。
私はそういったソフトウェアを見つけることができなかったので、このブロックチェーン開発者とのミーティングで電力のためのこれらのアプリケーションを見るようになり、そしてブロックチェーンによって、アパートメントのためにやろうとしていることそのものができると気付きました。私は彼らを20年以上電力網管理と電力市場で働いていたDave Martin を紹介しました。Daveは、分散型再生可能エネルギーによって、電柱と電線の使用が少なくなっていた電気部門の一部で問題を抱えていました。彼にブロックチェーン開発者を紹介したとき、 彼はこれがよりアクティブな電力網を可能にし、ネットワークの利用率を維持し、その関連性を維持できるテクノロジーであることに気付きました。
彼はとても興奮して、そして「一緒に起業しないか」と言ってきたので、喜んでと返事しました。だから、私たちはこのアイデアについての調査を行い、その出会いから約4か月後の2016年5月22日にPower Ledgerを設立しました。ネットワーク内におけるP2P取引と建物内でのP2P取引という2つのアイデアを念頭に、私たちはこれらのプロダクトを開発し、いくつものユースケースを実現してきました。
それは、私がブロックチェーンについてもっと学び、Power Ledgerを企業するきっかけになった、思いがけない思い出です。
④電力網とそれらが設定されてきた方法について考えた時、「全ての道はローマに通じる」のように、全ての電力網は電力会社に通じると思います。その構築方法に関して、単純に電力を取って、コミュニティ内でやり取りする方がより効率的に見えます。
その理想である近所と電力の取引をするという地点に到達するための障害の1つとして、グリーンライトの取得があります。Power Ledgerがこの承認を取るための障害にはどのようなものがありますか。
主要なものの1つはブロックチェーンがどのように使われ、どう動くかについて理解し、認められるようになることです。ユーティリティと取引する時、彼らには1世紀近くに渡って、ほとんど変化していないオペレーションを行っています。
ブロックチェーンがトランザクション記録保持システムであるだけでなく、仮想通貨による支払いシステムであるということを理解するのは、かなり大変です。大企業と取引する時はすばやい会話ではなく、人々を快適にするためにたくさんの会話が必要です。
私たちが初めて行ったP2P取引のデプロイはVectorと一緒にニュージーランドのオークランドで行われ、2つ目はOrigin Energyと一緒にオーストラリアの東海岸で行ったものです。そして、現在私たちはタイでのデプロイに取り組んでいます。私は、電力会社は必ずしも速く動くわけではありませんが、市場は非常に急速に変化していると認識しています。
だから、代替技術を取り巻く利害と認識のレベルについては、確実にそれらを模索する意欲と取り入れることへの開放感があります。そして、私たちはプロジェクトとのコミュニケーションに関して、会社を立ち上げた時よりもだいぶ早くなっているので、マーケット全体としてより洗練されてきていると思っています。
⑤ブロックチェーン界隈に今参入して、電力の取引と保有をしたいと思っていて、そして資産発行イベントなどに関わりたい場合、もしも私が集合住宅に住んでいた場合、どのように余剰電力を生み出して、そしてどのように収益化すればいいのでしょうか。
集合住宅に関しては、あなたの余剰電力を即座に近所と取引することができます。私たちはPremantleやパースでもいくつものプログラムを持っていて、それらはWGVと呼ばれる郊外にあります。
資産発行に関しては、そのプロダクトは2018年にローンチする予定です。資産発行ブロックチェーンを使って、電力資産の資金調達をする方法です。私たちはこのプロダクトにとても興奮していて、いくつものプロジェクトをデューデリジェンスしているところです。ですので、近い将来POWRトークンを保有していたら関われるようになると思いますよ。