
今回のお話は、ALISの皆さんはご存じだったのかもしれません。
私は不勉強ゆえに今頃知りました……が、自戒の念を込めて。
ALIS内でFTX破綻についての記事はいくつかありました。
他にも良い記事がありますので、ご興味ある方は「FTX」で検索してみてください。
今回このことを知ったのは、哲学者ピーター・シンガーを調べたからです。
ピーター・シンガー先生はすごい先生です。
『ザ・ニューヨーカー』誌によって「最も影響力のある現代の哲学者」と呼ばれ、2005年に『タイム』誌では「世界の最も影響力のある100人」の一人に選ばれた。
と、ウィキペディアに記載があります。
最近、哲学をちょっとずつ学んでいまして、ベンサムの「功利主義」の辺りを調べていた時に、現在「選好功利主義」を提唱するピーター・シンガー先生を知りました。
ピーター・シンガー先生は「動物解放論(工場畜産で生産された肉や卵、牛乳の消費をやめるべき)」が有名で、ヴィーガンの思想的な後ろ盾となっています。
もう一つ有名なところがあって、それが「効果的利他主義」の元になった「浅い池」という思考実験を主張したことです。
この「浅い池」の思考実験とは「子どもが浅い池で溺れていたら、誰もが自分の靴が台無しになるのを厭わず助けるだろう。そのように、遠くで苦しんでいる子供を救うために自分の靴(=資産)を援助のために送金するのが正しい」という話だそうです。
そしてこの「効果的利他主義」とは、米国のテック業界で「宗教」と呼ばれるほどの普及を見せている思想で、限られたリソースを最も「効果的」に活用することによって他者の幸福の最大化を目指すという考え方だそうですが、FTX破綻後に身柄を拘束されたサム・バンクマン=フリード氏も熱心な支持者だったそうです。
この詳細にご興味のある方は、以下の記事もどうぞ。
で、私の反省すべきところですが。
それは「FTX破綻の時にもっと調べておけば良かった」という後悔です。
何故、そんなことになったのか?
あの時は「やっぱすごい金額だからねー。魔が差したんだろう」ぐらいにしか思いませんでした。

この理由はあらゆる犯罪であるあるの常識的な動機です。
そんな常識的な動機に違いない……で、スルーしちゃったと。
学問の起源とは、万物の根源は何であるかを考えたところです。
それは神様だーというのがそれまでの常識であり、人々はその常識に囚われて=束縛されることによって思考停止状態になっていました。
その思考状態を脱したのが、学問であり哲学だったわけです。
しかしこの「それは常識だから当たり前」という束縛は、今でも周りにたくさんあります。
その常識に束縛されることなく、むしろ「考えることは当たり前」にしなければならないなと、そういうことを考えました。











