ちょっと前にBLマンガを読んであんな記事とこんな記事を書きましたが。
久しぶりに読んでみますと、BL作品は一つのジャンルになっていました。
私が若い頃には、一つのジャンルになるほどではなかったように思います。
それともう一つ驚いたのは「異世界転生モノ」と呼ばれるジャンルですね。
このようなストーリーの作品も昔からありましたが、ジャンルまではなく。
で、私は思ったのです。
この二つに共通するのは「現実逃避」ではないかと。
裏を返せば「現実があまりにも厳しすぎる(から逃避したいと思う人がたくさんいる)」ということではないかと。
そう思って検索してみると、ALIS内で以下の記事を発見。
書こうと思ったことをさらに詳細に書かれていました。おすすめです。
上記リンク先の記事より、該当箇所を引用致しますと以下。
大部分の社会人が夢と現実の間で折り合いをつけて生きている中、「全てを捨てて生まれ変わりたい」と考えることは結構な人たちが覚えがあるのではないでしょうか。
で、この「全てを捨てて生まれ変わりたい」という願望は今も昔もあるとは思うのですけれども、昔だったら将来の希望とか目標とか、そういうものを「ここでがんばったら叶えられる」ような気がしていたんですよね。
そしたら現実に向き合っている時間の苦痛も軽減されますし、その向き合う時間を増やしてがんばろう、などという気も起こりやすいものです。
逆にそういうものがないと辛いことがより辛く感じられて、逃げ出したい気持ちになる時間も多くなりがちになるでしょう。
で、その現実逃避先として「異世界転生モノ」あるいは「BL」の作品が、一代ジャンルになるほどに求められたのではないかと思うのです。
ただ、思うのは男性と女性では「女性の方がより現実的」であるのではないかと。
というのも「異世界転生モノ」と違って「BL」の方は、読者のほとんどは女性ですよね。
このことについては、興味深い記事を見つけました。
「1Screen(ワンスクリーン)」様の調査結果です。
「BL作品が好きな理由を教えてください」という質問に対して、回答の第一位は「自分の性と切り離して楽しむことができるから」というものでした。
つまり自らの性(女性)を切り離して「男性」を主人公にして、男性同士の恋愛にすることで、「自らを完全に観客の立場にする」というわけですけれども。
こうすると、例えば「今の日本で、どこぞの会社であった男性同士の職場恋愛」のような、これは現実にありそう(つーか探せばあるやろ)な話もあるわけです。
その一方で、GLがBLほど求められていないところを見ると、男性は「異世界転生モノ」が主流であり、この場合「強い主人公に自らを投影させたい」という動機になるわけですね。
この「異世界転生モノ」は、現実ではなく異世界が舞台となるわけですから、より「現実逃避感が強くなる」ということになります。
で、男女で何故このような違いが出るかと言いますとですね。
私の仮説では「教育の問題と娯楽作品を楽しむ能力」だと思います。
前者について。
昔から男性は「プレイヤーとして自らがんばって、努力と根性で男らしく」なるように、女性は長い間「男性を補佐する」存在で、かつ「結婚&出産(して、専業主婦またはパート主婦になること=これも男性の補佐)が女の幸せ」だと教えられて……っていうのが背後に潜んでいるのではないかと疑っています。
(いや、疑っているだけですよ?)
後者について。
これはもう単純に「男性よりも娯楽作品を観たり、その話を誰かに話したりする機会が多い」から、それを楽しむ能力も高くなるのではないかということです。
それ故に、より客観的になれる=自らを観客の立場に置くことが容易になる、のではないかと思うのです。
(個人的には、その能力をもっと多方面に発揮すれば良いのになと思いますけど。
それでバリバリ他人の立場になって考えてお金に換えて……て、大きなお世話だーって言われるでしょうね多分)
ここまではマンガの話ですけれども、マンガだけではなくJ-POPでも言えます。
何と言っても「月から金まで働いたー」(SHISHAMOさんの「明日も」だっけか、ちと前ですけど)みたいな曲が流行ってまう時代ですよ。
私らが子供の頃なんぞ、トシちゃんこと田原俊彦さんの「It’s BAD」なんて歌詞は酷いもんで、何という意味のないことを歌っているんだと子供心に感じたもんです。
(……と思ったら、以下のような記事が出てきました……
……トシちゃんごめん。
トシちゃんは確かにダンスは超上手かったし、踊りながらも息切れしないってすごいなとは思っていました……けど、やっぱりあの歌、歌詞はヒドイやんか)
それはさておき。
そもそも今の時代が、こんなにもしんど過ぎるっていう状態というのがダメなんじゃないかと思うのですが、とはいえ具体的にどうしたら良いのかがわからないと。
だから、とりあえず今、置かれた状況の中で、とにかくがんばるしかない……ということを続けていると辛くなって、一時的にBLや異世界転生モノを読んで現実逃避したいなと。
そのように思う人がたくさんいる、ということではないでしょうか。
久しぶりにBLのマンガを拝読し、そのように思いました。