本日の十月二十九日は、インターネットの誕生日だそうです。
インターネットの誕生から40年、開発者が語る「秘話」 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
ちと古い記事ですが、日付が変わるわけではないですし、面白い記事だったのでリンク致しました。
この記事には以下の記載がありました。
~~クラインロック氏のチームは1969年10月29日、米カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)のコンピューターが別の研究所にあるコンピューターに「語りかける」通信実験を成功させた。これが、インターネット誕生の瞬間だ。
~中略~
「あの頃は、コンピューター対コンピューターの会話のことばかりで、人対人になってゆくとは思いもしなかった」(クラインロック氏)~~
「語りかける」っていう表現がまた、良いですよね。
元々は「コンピューター対コンピューターの会話」が始まりだったのに、それが「人対人」になって、これから「IoT」という「人対物」から「物対物」になって……って、あれ?
これってある意味、元に戻っているのでは?
何故ならコンピューターだって物ですもんね。
そんな世の中を便利にしてくれたインターネットですけれども、残念ながら「インターネットができたおかげで、我が国は凋落した」と言わざるを得ません。
日本がGDP世界第三位に落ちてかなりの時間が経ちましたが、この理由に「中国の方が、新たな(インターネットが開拓した)時代に合っていた」というものを挙げる人の方が多いような気がします。
その合っていた理由をまとめると以下のようになります。
一、人口が多い
二、国民性が合っていた
三、リープフロッグ現象が起きた
この逆を考えると「我が国が凋落した理由」も明らかになります。
一番の人口は言うまでもないでしょうから割愛します(中国は多く日本は少ないのですが、これは仕方がないことです)。
二番の国民性については「中国人は集団(家族や一族は除く)よりも個人を重視する」「中国人は自らの政府をあまり信用していない」などが挙げられると思います。
中国の躍進は一番の人口によるものである、と良く言われていますが、本当にそうでしょうか?
それならインドやインドネシアも同様になっているはずですが、そうでもありません。
(ここら辺の話にご興味ある方は、以下の記事もよろしくお願い致します。
以前に旧名「本木なな」で書いていたものです)
何が言いたいのかと言いますと、アリババが発行した電子マネー「アリペイ」が中国の躍進の立役者なのですが、その背後には「人民元の不信」があったわけです。
ここら辺が、日本円を信用している(ある意味信用し過ぎている)我々とまったく異なるところですね。
三番の「リープフロッグ現象(蛙が跳ねるように、一気に進化すること)」は中国だけの話ではありません。
というよりもむしろ、我が国の「それまでの技術が足枷になってしまった」という面の方が大きいと思います。
一番大きな足枷だと思われるのは、従来の電話線の技術……というか、はっきり言ってしまうとFAXですよFAX。
未だに中小零細企業では現役バリバリだと言われているあれですよあれ。
使っている人がたくさんいるからこそ、人もお金も時間もずーっとかけ続けなければならないのですが、これは全国の津々浦々に電話線を通すことができたという先進国の証が、裏目に出ている状態であると言えなくもありません。
というわけで、タイトルに「めでたくもあり、めでたくもなし」と書きましたが、日本にとっては「めでたくもなし」の方が大きいと言わざるを得ないでしょう。
ここで、上記一~三番の理由を「日本が凋落した理由」でまとめてみます。
一、人口が少ない(世界で日本語のわかる人も)
二、国民性が合っていない(中央集権的な組織が合っている)
三、それまでの技術がむしろ足枷になった(電話線。特にFAX)
一番は日本に住む日本人が少ないというだけでなく、世界中で日本語を使う人もまた多くありません。
つまり「情報の取得も英語や中国語に比べて難しいし、情報を発信するなどして商売をする場合でも不利(たとえばユーチューバーとか。以前に書いたことですが)」である、ということが言えます。
二番について、日本人には中央集権的な組織(=会社)で、集団で力を合わせて戦うのを得意とする人が、他の国と比べて非常に多いと思われます。
また、かつてはそれで成功したもんだから「こうすれば成功する、成功しないのは努力が足りないのだ」と考えがちであり、その体験が足枷になっている……というのもあるのではないかと個人的には思います。
三番では、上記の足枷が成功した体験だけでなく、従来の技術にも当てはまるものがたくさんあるのではないかという話です。
何か「めでたくもなし」というところを考えると、あれもこれもとたくさん思い当たるところがあり、暗くなってきましたが。
しかし、しかしながら。
原因がわかれば、それに対応することができますよ?!
ここまでわかれば、あとは「ならどうすれば良いのか?」を考えるだけです。
結論から申し上げますと、私はすべての日本人に以下のことをおすすめしたいと思っております。
その一、未来にも軸を持つべし(現在だけでなく)。
その二、常に「例外」を意識し、寛容であるべし。
その三、自分以外の他人の立場を常に考えるべし。
その四、供給側と需要側の立場の逆転を意識するべし。
その五、「得る」より「使う・捨てる」を意識すべし。
ざっと解説しますと、その一は「(テクノロジーの進歩により)時間の流れが速い」ので「未来の軸から逆算するという視点を持っておいた方が良い」ということです。
その二とその三については、インターネットがインフラ化したため「多様化」の時代となったことに対応するためのものです。
その四とその五は、インターネットがインフラ化したため「情報が取り放題」になったことに対応するためのものです。
また後日、別のところで詳細に書いていきたいと思いますが、ここまでの話で一度ご自身でも考えてみて頂けると嬉しく思います。
(もちろん、考えた上で「これは私には当てはまらない」ということもあるかと思います。コメント欄等で教えて頂けると嬉しいです)