えーと、書こうかどうか迷った……というよりは、引用しようかどうか迷ったのですが。
この記事を書かれたあび(abhisheka)様と、コメント欄のうめ吉様とがくし様のコメント欄とのやり取りを拝読しました。
(既に皆様はALISを継続されておられないようなので、コメントの画像を貼るのは自粛しました)
それで思い出したのは、私もかつてはあび(abhisheka)様(以下「あび様」とお呼びします)のような考えを持っていたなということです。
このことの詳細については後日、書きたいと思っています。
それはさておき、上記リンク先の記事とコメント欄を拝読して、少々思うところがありましてですね。
まず、記事内の大西氏「総体で見れば国として黒字だから、それは使うべきだ」という主張ですが、日本の政府は国民に借金していて大赤字の状態ですよね。
借金だから早く返すべきだと言いたいわけではありませんし、後述しますが「借金=悪」と言いたいわけでもありませんが、国として黒字だから使うべきと仰っておられる意味がわかりません。
黒字だから赤字だからではなく、国民への「投資」として必要なものは使うべき、なのではないでしょうか。
(また、大西氏は「労働者からピンハネしたお金を企業が内部留保でため込んでいるから、労働者の給料が上がらない」と主張しておられましたが、企業の内部留保とは「企業の所有する資産のうち、借入金や株主の出資ではなく、自己の利益によって調達した部分」のすべてを指しますから、現金だけじゃなくてかなり幅広いものです。
うめ吉様もコメント欄で「内部留保と言うと利益を再投資して得た設備等も入る」とご指摘されています)
それとあと、国としてどうかという話なら、アメリカは赤字だから貧乏なのかというと、そうじゃないですよね。
アメリカは世界一の債務国ですが、そもそもそんだけの借金が「できる」というのは、どういうことなのか?
まずは、そもそもアメリカドルは基軸貨幣やから刷り放題やないかー、っていうのがありますけども(まーこれがアメリカの力の源やねー)。
ただし別の面から見ますと、アメリカ国民以外の外国人が、アメリカの国や企業はまだまだ成長すると期待して債券等を買い、そのお金が流入しているというのもある、ということも言えます。
上記、ものっすごいわかりやすい例で言えば、日本に住む日本人の私が「アメリカという国はまだまだイケるし、金利もきっちり払ってくれるから、アメリカ国債を買おうーっと」と思ってアメリカの国債を買うと、日本から私がアメリカにお金を貸した形になりますよね?
実際には私、インデックス投信で持っている債券以外は売却し、持っていません。
しかし、もしもどこかの国の国債を強制的に買えって言われたら、絶対に日本の国債は買いません(金利低いから現金持っているのと変わらんやないかーという理由もあるけど)。
コメント欄で、うめ吉様も同じことを仰っています。
さらに言えば日本に対外純資産が多いのも金持ち国だということではなく、海外から投資されない国だと言うことです。逆に米国が大概純債務が多いのは、米国企業が米国外から投資されるお金が米国が米国外へ投資するお金を対外純債務のぶん上回っているということなので、投資対象として魅力ある企業を増やさなければなりません。
引用は以上です。
(ビジネス インサイダー ジャパン様の以下の記事もどうぞ。
該当箇所を引用致します。
対外純資産がたくさんあるという事実は、見方を変えれば「日本国内に投資機会がない結果、外に出るしかなかった」ことの裏返しでもあるため、日本を語る上で憂うべき論点も多く含んでいるだろう。
引用は以上です)
というわけで、ここまでの話で「こんなに借金ができる」というのは、ある意味それだけの強い国力がある、とも言えるわけです。
同じ理由で、日本の政府は国民から借金をしていますが、それもある意味「国民からこんなに借金ができる国力がある」と言えるわけで、この力とはすなわち、日本の国民が日本円という通貨をものっすごく信頼していることの証しでもあるわけです。
というわけでまず、日本円とは「日本の国民の信頼をものっすごく得ることに成功している」通貨なのに、それを「上手く使うということができないとは、何ということだ!」ということを指摘しておきます。
うめ吉様の別のコメントを引用させて頂きます。
マネーストックとは、以前はマネーサプライと言っていましたが「世の中に出回っている日本円の総量」ですので、金融資産とは全く別の物です。
そしてマネーストックがこれだけ増えたのにGDPがさほど増えていないというのは、貨幣の流通速度が遅く循環が滞っているという事で、それをせき止めているのは富裕層や大企業もそうですが、一番は個人金融資産1900兆円の7割以上を持つ高齢者なんですよね。
というわけで、ここで「一番は個人金融資産1900兆円の7割以上を持つ高齢者」ときましたが。
せめてこれが、いっぱい投資に入っとったらなぁー。
というわけで、いつもの画像も貼らせて頂きやーす。
さらにがくし様のコメントも引用させて頂きます。
カネの供給量(マネーストック)の妥当性は、経済規模との比較でしか評価できなくて、それがGDPとの比を見る理由だと解釈してます。
その点、うめ吉さんが仰ってるように、今の日本はカネ余りで流動の滞りが目立つ状況なのかなと。
で、滞りの解消が課題であって、その方法の是非が争点であるべきかなと思いました。
がくし様の言う「カネ余りで流動の滞り」って、実は国民の問題だけでなく大手都市銀行のヤツら……いや、皆様方がいろいろやってくれていましたよ?
日銀はゼロ金利政策でお金を市中に回そうとしたのに、彼らは「そのお金で日本の国債を買って利ザヤを稼ぐ」ということをやっとったわけです。
で、そこから日銀様がキレてマイナス金利になった……んじゃなかったっけ。
ここら辺の話はもう一度調べて、記事にしようと思っています。
というわけで、いろいろあって、あび様は以下のようなことを仰っています。
食い尽くせば滅びるのは煽りではなく事実だと思います。
そうとは言えないと思いますよ?
というかそもそも、この「食い尽くす」っていうのは、どういう意味で仰っておられるのでしょうか?
はっきり言って、全世界及び日本の潜在的な需要はまだまだありますよ?
私がここに書いたこともその内の一つです。
私がここに書いている情報(=知識や知恵)を、誰もが知っている当たり前のこととして頂き、そこから新たな生産活動に繋げて頂いたら、まだイケますよ?
それこそ、ここからはメタバースにWeb3.0等の本領発揮やないですかと。
というわけで、上記リンク先の記事を拝読して最も言いたかったのは、以下。
●日本人はお金を使うのがド下手
●日本人は国民を使うのがド下手
●日本人は情報を使うのがド下手
というわけで、結論はいつもの「日本人は使うのがド下手」かつ「使うという客側の能力が乏しいから金銭的にも貧しくなっている」というオチですけど。
先日、スイスが何でお金持ちなのかについて、書きました。
スイスの歴史を振り返ると、所謂「選択と集中」というよりも、選択の余地がなかったことが結果的には幸いした、ということが言えるかと思います。
つまり「ない(少なすぎる)不幸」と「ある(多すぎる)不幸」で言えば、前者を克服することが今現在の絶好調に繋がっています。
これに対して、今の日本では後者の「ある(多すぎる)不幸」を抱えています。
どの国よりも勤勉で質の高い労働者を誇るわけですが、これを斜陽である従来の労働市場のみで使い続けようとしているところが、ダメなんじゃないかーと。
そしてタイトルの「こんな女に……じゃなくて、こんな国民に誰がした」です。
皆さん、ここに私が書き殴ったことを、学校で習っていないことにもっと怒った方が良くないですか?
私は文学部の大学に居たので、あび様と同じような状態だったけど、働きだしてこのことを知ったら、腹が立って腹が立って仕方がありませんでした。
与党の先生方は何故、教えてくれないのか?
野党の先生方は何故、このことで与党の先生を責めてくれないのか?
……って、ああ、これもいつものオチやったわ。