情報というものはいろいろありますし、分け方もまたいろいろありますけれども。
分け方の一つとして、その情報は「具体的か抽象的か」というものがあります。
具体的な情報とは「すぐに使える、使いやすい情報」ですね。
このような情報のデメリットは「すぐに陳腐化し、使えなくなる」というものです。
抽象的な情報とは、この逆です。
即ち、すぐには使えない(使うために都度カスタマイズする必要がある)ものですが、その代わりに長く汎用的に使うことができます。
まとめると以下。
今回はその具体例として、大金持ちで有名な斎藤一人氏の以下の話を取り上げます。
該当部分を引用します。
で、金のロレックスしてるとですね、景気よく見える。金持ちに見える。
で、ここです。
これからの仕事はね、金が無いと思われると物が売れないんです。
なんでかっていうとね、パッと見た時、
「この人貧乏だな」
と思われちゃうと、一生懸命売ろうとすればするほどね、
「お金がないんだ」
とか思われちゃうんだけど、
「お金持ちだ」
と思うと、一生懸命説明すればするほど、
「良い人だ」
と思われちゃうんですよ。
上記リンク先の記事を要約すると「売る時には金のロレックスを身に着けると良い。何故ならお客さんから“この人は(客である)私のために、一所懸命におすすめしてくれているのだ”と思わせることができるから」という話です。
そして逆に「みすぼらしい状態で物を売ろうとすると、お客さんから“この人はお金に困っているから、お金が欲しくて必死で売りつけようとしているのだ”と思われる(だから売れない)」ということもお話しされています。
いきなりケンカ売るようで恐縮ですが、この「金のロレックスを身に着けて売る」という情報自体は、既に陳腐化して使いものにはなりません。
その理由は、今のお客さんに以下のような人が激増しているからです。
1.そもそも金のロレックスが高価な腕時計であることを知らない
2.本当にお買い得なのかはその場でインターネットで調べて判断
3.本当に必要なのかをインターネットで検討、買うならそこで買う
(2と3はインターネットができてインフラ化したことで起こっています)
というわけで、具体的な方法としては古くて使えない情報となっています。
しかし、ここから抽象的な情報を抽出すると、長く使える情報になります。
その抽象的な情報とは以下。
◎お客さんから「この人は自分の利益のために売っている」と思われたら売れない
以上です。
供給側がみすぼらしい恰好であれば「お金に困っているのだろう。だからお金が欲しくてこの商品を売っているのだろう。そんな商品を買うと私が損をするだろう(金額に見合う商品ではないだろう)」と思われる、という話です。
それを避けるための具体的な方法は、昔であれば「金のロレックスを身に着ける」というのが効果的だった、という話になるわけです。
この方法は今は使うことができませんが、別の方法で「お客さんから、自分のため(=供給側の都合)で売っている」と思われないようにすれば良い、ということになります。
というわけで抽象的な情報で言えば、今回の話は以下の記事と結論が同じです。
この記事では、お客さんに対して「これは非常に価値のあるものだ」というアピールが足りないから、お客さんに「価値のないものを売りつけようとしている」という悪い印象を与えているのでは、という話をしています。
個人的には「抽象的な情報は“自らの生き方のテンプレート”として、そのまま持っておく」ことをおすすめしたいですね。
(自らの生き方のテンプレートをもうちょっとカッコつけて言うと、自らの哲学とも言えるかと思います……て、ちとカッコつけすぎかも)
何かあった時には自分のテンプレートを見て、それをその都度カスタマイズして使う、と。
そこで足りないと思ったその時に、足りない情報をネット等で探せば良いですから。
ただ何の手がかりもないつるっつるの状態で毎回毎回挑むよりも、遥かに楽です。
また、そうすることで悩む時間もかなり減りますので、人生が捗ります。