楽観主義か悲観主義かと言えば、何となく楽観主義の方が幸せだというイメージがあります。
実際の話、昔はずっと楽観主義の方が良いものとされてきました。
世界三大幸福論の一つに数えられる『幸福論』で有名な哲学者のアラン(本名、エミール=オーギュスト・シャルティエ)は、以下のような名言を残しています。
「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」
……だから楽観主義の方が良いよね、という話になるわけですけれども。
これに対して1986年、アメリカの心理学者ノレム博士らによって防衛的悲観主義という概念が提唱されます。
防衛的悲観主義は「物事をネガティブに捉えて悪いことが起こると想定し、そうならないよう徹底的に対策を練ることで成功を収めている」という人々の持つ思想です。
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上記リンク先の記事より、このような思想を持つ人は「ポジティブに考えるよう指導されると、逆に成績が悪くなる」らしいのです。
やたらにポジティブポジティブ言うてたらあかんよなぁー、そこは人それぞれやんなぁーってことですね。
というわけで、このことで必ずしも悲観的なことが悪いわけではないとされるようになりました。
その一方でノレム博士は、楽観主義者の中でも成功しやすい「方略的(戦略的)楽観主義」というものが存在することも、同時に提唱していました。
「方略的(戦略的)楽観主義」とは「物事をポジティブに捉えてあまり悩んだり考え込んだりせず、十分な練習や準備、対策などを行って成功を収めている」というものだそうです。
つまり逆に言えば、楽観主義者の中でも、ただ「何もせずに上手くいくはずだという希望を持っているだけ」という人は、過去の実績が明らかに悪かったそうです。
というわけで、まとめると以下のような図になります。
書きたかったことは以上ですけれども。
ここからは余談です。
自分が楽観主義なのか悲観主義なのかは、考えておいた方が良いでしょうね。
その上で、どっちにしろ「十分な対策を練って」対応するわけですけれども。
逆の方でやってしまうと、元々持っていた力を上手く引き出せない、ということが起こるらしいですから。
ということは、万全の対策をしたのにもかかわらず失敗した場合、もしかしたらこれが原因であるのかもしれません。
「まずは自分がどっち側なのかを考えるところから、対策が始まる」とも言えます。