トレイルランニングは、山道を自分のリズムで走り、自然と一体となって楽しむスポーツです。
近年、トレイルランニング大会が各地で開催され、新たな山岳スポーツとして注目を集めています。ここ数年で愛好者が急増し、登山者とのトラブルも。同じフィールドで楽しむ登山者やハイカー等との軋轢問題の解消に向けて、トレイルランナーが山でとるべきマナーとリスクの回避についてご紹介します。
1.計画を立ててから行動しよう
山に入る前に、地図でコースの事前把握とエスケープルートの確認。
渡渉ポインや突然の豪雨による地形を意識したエスケープルートも検討しておく。
(小さい沢は、急な雨で激流と化す)
2.天気予報は必ずチェック
入山前に予報を確認。天候が悪ければ「山は逃げない」といって中止しよう。
3.入山前の体調と装備も忘れずチェック
入山直前に体調が思わしくなければ、「山は逃げない」といって中止しよう。
豪雨、強風などの天候急変に備えた服装、防寒着、レスキューシート、食料、水、
携帯電話などの持ち物チェックを忘れずに。
4.入山届けは忘れない
家族や友達に事前に入山ルートや行動計画の内容を伝えるほか、万が一の遭難に備
えて、登山届けを提出しよう。(下山報告も忘れずに)
5.仲間と一緒に走ろう そして、緊急事態は助け合い
走力に見合ったペースで、安全に楽しくはしりましょう。
緊急事態には、皆の助け合いで問題を最小限に抑える。
自分たちで対処できないと判断したら、迷わず救助要請を。
6.現在地の把握を忘れずに
道迷いを起こさないように地図やGPSでの位置確認を怠らない。
7.トレイルランニングでは、熱中症、低体温症に注意
野外活動のため、外気温や発汗の影響で体温調節が難しいスポーツ。
めまい、しびれ、ふらつき、震えを感じたら、体の変調サインと受け止め素早い対
処が必要。熱中症が疑われた場合は、直ちに行動を中止し、日陰など直射日光を避
け、身体(首、脇、鼠径部)の冷却と水分・塩分補給を行う。
低体温症が疑われた場合は、まず、カロリー補給し、体温を上げる(温かい飲み物
では体温は上がらない)そして、風を避ける「隔離」、頭から熱を逃がさない「保
温」、湯たんぽを胸(体芯部)で抱え「加温」する。
8.道を譲られたら、走らず歩いてすれ違う
登山者から道を譲られたら、走らず歩いてすれ違いましょう。
笑顔で挨拶も忘れずに。
9.道を譲る際は、安全な場所で待機しよう
山側待機で転落防止。落石を起こさない、落石を受けない安全な場所での待機を心
がけよう。
10.登り優先ルールを守ろう
山では登りが優先。トレイルランナーも山のマナーを遵守しましょう。
ただし、下り優先のほうが安全と判断できれば、臨機応変に譲り合いましょう。
11. 道迷いと気づいたら、来た道を戻ろう
来た道を引き返す。戻る道が分からなければ、山の上に向かうのが基本。
12. クマとバッタリ出会わないために、常に自分の存在を知らせよう
見通しの悪いコースでは、鈴、笛等で自分の存在を知らせる。
バッタリ合ったら、走って逃げない。
万が一のためにクマよけスプレーの携行をお勧めします。
13. コースから外れない
足元は、花畑。自然保護の意識を大切に。
14.緑美しい雑草は水分が多くスリップしやすい
水分の含んだ青々した草はすべりやすい。枯草の上のほうがグリップがきく。
15. ガレていても水の通り道になっているところは、動きやすい小石は流されてい
て、路面が安定している場合が多い。あまり濡れていないならコースとして選択す
る。
16.苔むした川渕や緑色した岩より川の中の方が滑りにくい
渡渉ポイントでは、特に注意が必要。水に濡れまいと岩の上をつたって対岸へ渡り
たくなるが、苔が生えた岩で足を取らて転倒し、強打する危険も。
状況を見極め濡れるのを嫌がらずに浅く流れの弱いところをバシャバシャと渡るほ
うが安全度が高い場合も。
加えて、日本トレイルランナーズ協会・(一財)日本トレイルランニング協会発行の
「トレイルランニング 安全・マナーガイド」もご参考にどうぞ
https://trail-runners.net/decisions/manner_guide/