中世のローマカトリック教徒の人々の間ではビーバーは魚であるという概念が広まりました。
なぜローマカトリックはこのような考え方が広まったのでしょうか?
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伝統的なカトリックのしきたりでは、断食のイベントがたくさんあります。
例えば2月から3月くらいに行なわれるカーニバル(謝肉祭)と復活祭(イースター)に挟まれた40日くらいの期間(四旬節と呼ばれます)は断食をします。
また金曜日はキリストが亡くなった日なので毎週金曜日は断食をします。(イエス・キリストは金曜日に処刑され、3日後の日曜日に復活したと言われています)
断食といっても、何も食べてはいけないわけではありません。ごちそうはやめて、食べる回数と量を減らします。
断食の時には肉、および牛乳、チーズ、バター、卵などの動物由来の食べ物が禁じられていました。その代わりに、魚は食べてもOKでした。
彼らはなぜ断食をしたのでしょうか?
それは、キリストの苦しみを自ら体感するためです。
イエス・キリストは、人類を罪から救うために、自ら進んで十字架にはりつけにされました。断食は苦しい修行ですが、その断食を行なうことによってキリストの犠牲、苦しみを思い起そうとしました。
また欲求を抑えることでキリストのような自制心を身につけ、神に少しでも近づくという理由もあったようです。
しかし肉が大好きなローマカトリック教徒にとって肉の禁止令はとってもつらいことでした。
「やっぱり肉を食べたい!」「なんとしてでも、毎日肉が食べたい!」
そこで標的になったのがビーバーでした。ビーバーはネズミの仲間で、川や湖、池などの周辺に住んでいる動物です。水の中も泳げます。
17世紀、ある司教が
と言い出しました。
それを聞いた教会は、
となりました。(おいっ)
そんなわけで、ビーバーは、断食中の人々のおなかを満たすために「魚」ということにされてしまいました。
キリスト教の熱心な信者であることと、その抜け穴を探して欲求を満たそうとすることは両立するのですね。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
noteもやっていますので、良ければご覧下さい。
『図説 世界史を変えた50の動物 』
エリック シャリーン (著)、甲斐 理恵子 (翻訳)
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