あなたの体に、皮膚に、体感的にゾゾッと来ると思うので、
私があの夏に体験した恐怖を追体験してください。
もう10年以上も前の話です。
浴室乾燥機付きのバスルームだったのですが、温風、冷風機能もありまして、
暑い夏にはよく冷風スイッチをONにしてからシャワーを浴びていました。
さぁ、シャワー浴びるぞ~と準備万端、真っ裸の私、冷風スイッチをONにしてバスルームに入室します。
スイッチONの後、数秒間の時差でぶぉおおおおおお~っと、天井の通風孔から一気に冷風が吹き出します。
さぁ、皆さん、ここからは「ほんの一瞬の壮大なドラマ」をスローモーション的に解説していきますので…
通風孔から吹き出す風に押されて、枯れ葉が落ちてきたように見えました。
といった感じですが、お湯の張られていないバスタブの奥底に、ハラハラと落ち行く枯れ葉を目で追いながら、真っ裸の私は体をかがめてバスタブの底をのぞき込むような体勢になりまし…
え?と思って、右肩越しに自分のお尻のあたりを確認すると
大きなゴキブリでした。
私の悲鳴に驚いたゴキブリは、まだ開いていたバスルームドアの外へ、隣のトイレへと飛んでいき、私は恐怖でドアをバタん!と締め切ります。
さぁ、さぁ、落ち着いて考えて?!
あの、私のプアな動体視力で枯れ葉に見えた物体は、ゴキブリだったのです。
ゴキブリであれ枯れ葉であれ、私の動体視力ではバスタブの底へとベクトルを向けて落下していくにしか見えなかったのを、
あの瞬間に、あのゴキブリは、空中で軌道修正して(多分むっちゃカッコよかっただろう)ぐーんっと上昇して、そして私のお尻の下に着地したのでしょう。
外部からダクト経由で侵入して、に通風孔に潜んでいたんですね。
そもそも、枯れ葉って何?
そんなところに枯れ葉無いでしょ、と後から自分に突っ込みましたが。
…どうでしょうか、追体験していただけたでしょうか?
向こうから向かってくるぞ、、、うわぁあ~~って、そして接触した、とはわけがちがうんです。
ゴキブリと思ってないんですから、そもそも!
なのになのに、1mmも心の準備がないのに、至近距離どころかもう、接地状態、ボディーにピタッとON状態、自分の服も何もない、一番ミニマムレベルのもう、これ以上脱げません、パンツさえ履いていません、本当にまっさらな自分の、、しかもしかもしかも、下半身です、お尻です、大事な箇所周辺です、デリケートです、そんなところに、、、
もう、同情してくれますか?してくれますか?してくれますか???
恐怖を追体験してもらうより、同情して欲しいだけで書いています私、笑。
私の悲鳴をキャッチできたら、なんか奇跡の魔女の薬の材料にされそうなぐらい、私の悲鳴は貴重なんですよ。私、きゃーーって言わないんです。
いつも、ぉぉっ! おおっ!って感じなので
なんか、本当に自分にとっても一大事だったんだなぁ、と思います。
本当に黄色い悲鳴というか、ビブラートさえ感じる綺麗に響き渡る金属的な悲鳴でした。
ワンルームアパートの一人暮らしでしたからね。
ゴキブリ退治さえ一人で出来ず、市内に住んでいた妹を電話で呼んで退治しに来てもらっていました。
とりあえず、メインのところは、過ぎました。
今でもゾゾゾ。
がポイントです。想像力を働かせてください。1,2,3の数秒間の急展開ですからね。あ~もう、あ~もう、ほんと、私、頑張った。
同じ体験した人が世の中に居たら、辛かったね、って労い合いたいです。