このアコースティックヘルスでは、「医者に頼らず、メディアに惑わされず」をモットーに人間本来が備えている「病気にならない力」について考えていきます。私も一生懸命勉強していますが間違える事も多くあります。その時はご指導、アドバイスまたは反論(反証)を頂けたら幸いです。皆さんの意見を伺いながら共に成長出来たら嬉しいです。
前回は、「香り」が体に与える作用に関してご説明させて頂きました。
今回から数回に分けて人と香りの歩みの歴史に関して深めていきたいと思います。「歴史なんて」と思うかもしれませんが本題に入る前に歴史を知っていたほうがより楽しめるので、お付き合い頂けたら幸いです。
今から五千年以上前、ナイル川沿岸で栄えた文明がありました。・・・そう、エジプト文明です。エジプト文明では、香りが天に昇ると共に魂が天に導かれる事を願い「薫香」による儀式が行われていました。儀式で使われた薫香の始まりと言えます。この薫香には「フランキンセンス」と「ミルラ」が使われていました。それらは当時、金と同等の価値で扱われていた大変貴重な香料でした(現在は比べればだいぶ安いです)。さらに魂の再生を信じていた人々は器(身体)がないと魂が戻ってきた時に生き返ることが出来ないと考え、死体に「ミルラ」を塗りました。勘のいい方はもうお分かりでしょう。ミルラを塗りミイラ化させて、器(身体)を保存したのです。確かに、腐敗せず形が残っています。余談ですが、死後何も食べていないから蘇生後、空腹であろうと考え、食べ物も常時用意されていた徹底ぶりです。
宗教儀式に用意られた香りですが、各国との交渉事にも利用されていました。それを利用したのが、世界三大美女の「クレオパトラ」です。主にバラの香りを愛していました。また、ジュリアスシーザー等の英雄も、催淫効果の高い香り=媚薬で魅了しています。有名なエピソードはローマの独裁者カサエルに対して、自身の裸体に香料を塗り絨毯に包まりプレゼントとして運ばせ広げたら裸体のクレオパトラが現れた話や、アントニウスを部屋に呼び入れたときは膝まで埋まるくらいのバラを部屋中に敷き詰めたという話もあります。媚薬はバラもそうですが、主に麝香(鹿のおしっこ)霊猫香(猫のおしっこ)、龍涎香(クジラの尿石)を使っていました。ちなみに現在、媚薬として売られている物はイランイランやサンダルウッドの成分が主流でしょう。ところで媚薬は確かに使用者の魅力は上がりますが、相手の心が開かれていないと逆効果です。
最後に当時最高級の香料であった「キフィー」のレシピを紹介して今回を終えたいと思います。一つ一つはバラを除き比較的安価な精油のブレンドで作れますが10種類の精油が必要となりますので初期費用4~5万円程で作れます。・・・今も最高級な感じです。
香料名:キフィー
フランキンセンス2滴
ミルラ2滴
レモングラス1滴
カルダモン1滴
ベンゾイン1滴
ガルバナム1滴
サンダルウッド1滴
ローズ1滴
ジュニパーベリー1滴
ペパーミント1滴
次回も皆様の健康で豊かな生活を願い、書いていきます。