「後の祭り」という言葉があります。
この語源をご存知でしょうか?
諸説ありますが、後の祭りとは京都・祇園祭の後祭(あとまつり)のことを指している説が有力らしいです。
祇園祭は前祭(さきまつり)と後祭があり、前祭はにぎやかですが後祭はつまらなくて、前祭に行ったら良かったなと思ってももう遅いということから「後の祭り」という言葉ができたとのことです。
でも、ほんとにそうなの?
後祭ってつまらないの??
それを検証すべく?祇園祭・後祭に行ってきました!
令和元年7月24日、祇園祭後祭の山鉾巡行でした。
僕は山鉾巡行が始まった後に、繁華街である河原町通へ着きました。
遅ーい!
大きなお祭りといえばすごい人でロクロク見れたもんじゃない、というのが一般的です。
ましてや祭が始まってから到着したなんて、身動きが取れず写真を撮るなんてとんでもないだろう?
と思いきや…。
いいアングルで、バッチリ写真撮れるやん!
後祭は人が多すぎず、いい撮影ポジションがとれますね。
これは北観音山です。
でっかくて、祇園祭らしい光景。
コンチキチンの祇園囃子が祭りの雰囲気を高めます。
こちらは鯉山。
前掛けや胴掛け等は16世紀にベルギー・ブラッセルで製作された1枚の毛綴を裁断して用いたもので、重要文化財に指定されているとのこと。
昔に遠路はるばるシルクロードを経て、日本にやってきたのですね。
すごい、さすが動く美術館。
まあ、そんないにしえのシルクロードに馳せる思いも、背景の看板や標識で現実に押し戻されますが。
鯉がパックンと口を開けています。
後祭ってこんな感じで、人は多いものの身動きは十分取れて、とてもいいです。
次々と山鉾がやってきます。
これは黒主山。桜が飾ってあります。
大伴黒主が桜をながめている姿をあらわしています。
夏なのに桜というのもまたいいものです。造花だけど。
山鉾が巡行する河原町通は見物客は多いものの、歩道は十分歩けます。
これくらいの混み具合がちょうどいいですね。
祇園の舞妓芸妓さんも、浴衣を着て歩道に立って普通に見物されていました。
こんなゆったりとした光景は後祭ならではでしょう。
後祭、よろしおすなぁ。
こちらは南観音山。
豪華です。
見物人に囃子方の知り合いがいたようで、手を振っていますね。
のどかな感じがする後祭の光景です。
河原町通を下って、四条河原町にやってきました。
何やら、山鉾でなさそうなのに巡行しています。
これは今年の山鉾巡行の目玉のひとつ「鷹山」です。
なんと193年ぶりに山鉾巡行に復活となりました。
鷹山は文政年間に大風雨により大破して巡行を取りやめ、その後、幕末の蛤御門の変にて大半の部材が焼失して、長い間休み山になっていたとのこと。
それが近年、復活の機運が盛り上がってきました。
とは言ってもまだ曳山はないので、手前に見える町内の什物を入れた唐櫃を担いでの「唐櫃巡行」で今年は復活です。
今後は、令和4年までに大屋根をつけた曳山(ひきやま)として復活させ、巡行参加する予定とのこと。
楽しみです。
さて、そうこうしている間に、いよいよ山鉾巡行の最後です。
後祭山鉾巡行の最後は、くじ取らずで「大船鉾」。
立派です。
大船鉾は平成26年に150年ぶりに山鉾巡行に復活しています。
先の鷹山もそうですが、150年とか200年ぶりの復活って、京都の歴史を感じますね。
ここ、四条河原町の角では名物の辻回しがあります。
motion GIFにしたので、見てください。
車輪の下に竹を敷き、水をかけて滑りを良くして、ぐぐぐっと回しています。
3回くらい回して90度の回転となり、河原町通から四条通へと進みます。
これで全部の10の山鉾が無事巡行されました。
祇園祭は2014年に50年ぶりに前祭と後祭に分離されました。
分離してからまだ5年しか経っていないんです。
山鉾巡行と合わせて、花傘巡行もあります。
地元の子供達のお神輿。
一気に地元感があふれてきます。
花傘を持った地元の女性たちが歩きます。
皆さん平然と歩いていますが、さぞかし暑いでしょう。
山鉾巡行は男性しか参加できませんが、花傘巡行は女性や子供が主体で華やかなのです。
祇園の舞妓さん芸妓さんもお出ましです。
こちらに目線をくださったりして、距離が近いです。
後祭、とてもいい感じですよね。
これからはもう、否定的な意味での「あとの祭り」とは言わせない!
そんな感想です。
京都ではだいたい毎年、前祭の山鉾巡行の日に梅雨が明けることになっています。
今年は梅雨が明けるのが遅かったのですが、後祭の山鉾巡行の日に明けました。
天気の神様もわかっているのね。
そしていよいよ、暑い暑い京の夏がやってきました。
Camera: PENTAX K-3II with SIGMA 17-70mm F2.8-4
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