トラベル

琵琶湖に浮かぶ唯一の有人島・沖島の素朴な風景が素晴らしい BIWAKOビエンナーレ

こすもす's icon'
  • こすもす
  • 2022/11/13 09:13

日本一大きい湖、滋賀県・琵琶湖
その琵琶湖には島がいくつか浮かんでいます。

その中で、唯一の有人島が沖島(おきしま)
淡水湖に浮かぶ有人の島では日本唯一、世界でも珍しいとのこと。

 

沖島はいろいろ特徴がある島とのことで、僕は以前からこの島を訪ねてみたいと思っていたのですが、人口約250人の小さな島で特に観光名所ではないため地元の人の邪魔になると思って行くことができませんでした。
もちろん船でないと行けない不便な場所でもあるし。

しかし!
今回、BIWAKOビエンナーレが沖島で開催されました。
これは芸術イベントで、沖島のあちこちに芸術作品が展示されるとのこと。
この時期は訪問歓迎でしょうし、バスの臨時便が出て交通の便が良くなるので、この機会を逃さないようにと沖島を訪ねてきました!

 

沖島へ

沖島(おきしま)は滋賀県・琵琶湖に浮かぶ島です。

面積1.5平方㎞、人口約250人の小さな島。
主な産業は漁業とのこと。

Content image
© OpenStreetMap contributors

この島に行くには、まずはJR琵琶湖線(東海道線)の近江八幡駅(おうみはちまんえき)からバスに乗って30分ちょっとで堀切港へ。
この堀切港から船に乗って沖島港まで行きます。

近江八幡駅から堀切港までのバスは普段はわずかな本数しかないのですが、BIWAKOビエンナーレ開催中の土日祝は1時間に一本くらいあるので便利です。

 

沖島へ

Content image

JR琵琶湖線・近江八幡駅からバスに乗って堀切港に着きました。
これが沖島へ渡る船なのですね。
片道500円。

天気があまり良くなくて、ちょっと寒いです。
では、乗り込みましょう!

 

Content image

船内。結構人が乗っています。
BIWAKOビエンナーレを見に行く人が多いようです。

 

Content image

10分近くで沖島の家々が見えてきました。
朝で霧がかかっていて、ちょっと天気が良くない感じ。

 

Content image

10分ほどで早くも沖島港に到着。
漁港です。

さあ、ここから徒歩で沖島を巡りましょう。

 

沖島をめぐる

Content image

船が着いた沖島漁港から歩いて散策
集落は歩けるくらいの大きさなのです。

 

Content image

沖島はこのように湖沿いに家が並んでいる漁村です。
一家に一隻、船を持っているそうです。

逆に、島には自動車がまったく走っていません
なぜなら…。

 

Content image

これが沖島のメインストリート
どう見ても路地ですが、この道と湖岸沿いの道の二本が沖島の主な道路なのです。

これでは自動車は通れないですよね。
自動車が走っていないので、音も見た目もとても静かです。

 

Content image

自動車の代わりに沖島のメインな交通手段はこれ! 三輪自転車です。
たしかに狭い道ではとても便利そう。

サドルに缶を被せてあるのも沖島の名物。雨よけ日よけとして最適ですなー。
 

展望台

Content image

メインストリートを歩いていると、霧が晴れてスカッとした青空になってきました。
展望台が見えてきましたので登ってみましょう。

 

Content image

素晴らしい景色!
琵琶湖、そして対岸の近江八幡の山々が素晴らしいです。

Content image

展望台にはこのようなパネルが。各パネルには、

「あなたが最も大切にしたい世界のルールは何ですか?」
「ウクライナ戦争を終わらせるにはどうしたらよいと思いますか?」

などの質問が書かれています。

横にクレパスが置いてあって、質問の答えを自由に書くことができます。
これはBIWAKOビエンナーレの作品なんです(作:石川雷太氏)。
美しい琵琶湖の景色を眺めながら、いろんなことを考えさせる趣旨なのかもしれません。

 

Content image

沖島は猫の島としても有名です。
でも、この日はあんまり猫は見かけなかったにゃー。

 

沖島小学校

Content image

さらにメインストリートを歩いて小学校に行きましょう。

 

Content image

湖岸の道もこのように細いため、三輪自転車がちょうどいい交通手段なのでしょう。

 

Content image

しばし歩いて沖島小学校に到着。

山と芝生の校庭に挟まれたレトロ風な校舎。前はもちろん琵琶湖で景色は抜群。
とても趣がありますね。

 

Content image

小学校のドアには小学生が書いた「ようこそ沖島へ」張り紙が。

”こんな中きてくださり、ありがとうございます!
人口はまあまま少ない島ですが大変にぎやかです。”

その心遣い、素敵です。
ちなみに生徒数は11人(2021年度)らしいです。

 

Content image
BIWAKOビエンナーレ公式サイト

小学校の校庭にも先に載せた展望台と同様の赤いパネルがありました。

BIWAKOビエンナーレは上の地図のようにポイントごとに作品があって、そのポイントを巡ることによって沖島を見て回れるようになっていました。

ということは、島全体の景色そのものが作品なのですね。

 

Content image

校庭には花や野菜が積まれた三輪自転車が。おばあさんが乗ってきていました。
確かに荷物もたくさん載って便利です。
 

源弥亭

Content image

小学校からメインストリートを戻りましょう。

 

Content image

源弥亭と名付けられた民家が作品の展示会場になっていました。
入ってみましょう。

ちなみに、BIWAKOビエンナーレ沖島会場の作品はすべて見学無料です。

 

Content image

民家らしい中には、なにやら毛玉がいっぱい。なんでしょう?

家に上がって、この毛玉に触って割ることができます。

 

Content image

毛玉を割ると、中には松ぼっくりが。
毛玉たちの中には沖島にあるいろんな物が入っています。
作品の作者(小西葵氏)が沖島の人に頼んで入れてもらったとのこと。

それぞれの毛玉によって入っているものが違うので、何が入っているのがワクワクする面白い作品です。

 

桟橋

Content image

では次に、港とは反対の岸に行ってみましょう。

 

Content image

狭い路地、いやメインストリートを通ると、何か視界が開けてきます。

 

Content image

おおー、鮮やかな琵琶湖が。
そして桟橋の先には作品が。

 

Content image

島の反対側、西側にも家が並んでいますね。
そして湖の色がきれいで透明度も高いです。

 

Content image

桟橋の先にある作品はプランクトンとのこと(作:君平氏)。
その先に見える山影は、湖西の比良山地です。

 

Content image

では戻りましょう。

滋賀が発祥の飛び出し坊やですが、ここでは菜の花を持った飛び出し娘になっていますね。
狭い路地ですが、メインストリートなので飛び出しもあるのでしょう。えっ、自動車は走っていないって?

 

奥津嶋神社

Content image

おつぎは、奥津嶋神社へ。

 

Content image

やっぱり狭いメインストリートを歩きます。
この写真の突き当りに見えるのは郵便局です。郵便局があるんだね。

 

Content image

では、鳥居をくぐって山を登りましょう!

 

Content image

山の中腹に、奥津嶋神社(おきつしまじんじゃ)。
ここは沖島の氏神様。

 

Content image

奥津嶋神社の御朱印もいただきました。
といっても、誰も居ないので置いてあるスタンプを自分で半紙に押すだけ。そして賽銭箱に100円入れました。

ここからさらに上に登れるので行ってみます。

 

Content image

奥津嶋神社から登ると、山神神社が。

 

Content image

山神神社から沖島の町が一望できます。
良い眺め。

 

Content image

このお社の横にBIWAKOビエンナーレの作品がありました(作:石川雷太氏)。

「言葉」などではなく
「作品」などではなく
「美術」などではなく
「人間」などではなく
このガラスの向こうに見える
〈空〉と
〈緑〉と
〈音〉と
〈光〉と

いいですね。
ガラス越しに透けて見える眼下の景色を素敵な言葉で表しています。
このガラスが作品なのではなく、沖島が作品なのですね。

 

Content image

少しフレアがかかった琵琶湖と青空がとっても素敵で、しばし見とれていました。

 

天ぷら定食

Content image

さて、沖島漁港へ戻ってきました。
さすが一家に一艘の船を持っているだけあって、港は船だらけです。

と、もう昼過ぎになったのでお腹が空いてきました。

 

Content image

飲食店などほとんどない沖島ですが、漁港にある沖島漁業会館にて食事が提供されていたので、昼食です!

 

Content image

天ぷら定食、1000円。

この定食のポイントはコロッケ。
これは「よそものコロッケ」と名付けられた沖島の名物。
実はこれ、琵琶湖で取れるブラックバスのコロッケなんです。ブラックバスは外来魚ですからよそもの。そのブラックバス駆除の一環としてコロッケが開発されたそうです。
味は淡白で臭みはなくサクッと食べられます。

また奥にボケて見えるのは佃煮で、とくに「えび豆」(スジエビを大豆とを甘辛く煮た佃煮)は琵琶湖の名物です。

 

沖島を離れる

Content image

では、船が出港する時間になったので乗り込みましょう。

行きより小さな船ですね。

 

Content image

行きと違って天気が良いので、船から見る景色が奇麗です。

 

Content image

さようなら沖島。
楽しい半日でした。

 

Content image

近江八幡の堀切港まで帰ってきました。
向こうに見えるのが沖島。ふたつ見える山と山の間の平地付近に人々が暮らしています。

 

Content image

堀切港から近江八幡駅へのバスがやってきました。
これに乗って近江八幡へ。

 

近江八幡で寄り道

さて、バスに乗ってJR近江八幡駅まで帰ってもよいのですが、近江八幡は観光名所なので途中下車して寄り道しました。

 

Content image

近江八幡(おうみはちまん)の一番の名所、八幡堀(はちまんぼり)

豊臣秀次の八幡山城城下町の雰囲気を今に残す場所。
時代劇の映画やテレビにもよく出てくるそうで、風情があります。

 

Content image

その八幡山をロープウェイで登って見た琵琶湖。
金色に輝く琵琶湖の秋の夕景が素晴らしいです。

 

Content image

八幡山には猫がいっぱいいました。
私になんか用かにゃ?

 

Content image

もう日が暮れそうなので、ロープウェイで下山します。
いい日暮れだ。

 

最後に

Content image

八幡堀からバスに乗って、JR近江八幡駅に帰ってきました。
日が沈んで夕焼けがきれい。
ここからJR琵琶湖線に乗って、京都まで帰ります。

 

琵琶湖に浮かぶ沖島は素朴ですが、それが魅力的な素晴らしい島でした。
そして、沖島の風景にマッチして主張しすぎない芸術作品たちが素敵だったBIWAKOビエンナーレ
作品がある場所を巡ることで島の魅力を見ることができ、その町や島自体が作品となる素晴らしいイベントだったと思います。

沖島はBIWAKOビエンナーレがなかったら訪ねることがなかったと思いますので、この機会に感謝しながら帰路につきました。

 

 

Content image

Camera: LUMIX G8
Lens: LEICA 12-60mm F2.8-4 with C-PL filter

 

Content image

 

よろしければ他の記事もご覧くださいませ。   

Cosmosのトラベル記事 
Twitter: @cosmoscx

みなさま、いつもコメントや投げ銭、いいねありがとうございます。

Supporter profile iconSupporter profile iconSupporter profile iconSupporter profile icon Supporters link icon
Article tip 17人がサポートしています
獲得ALIS: Article like 323.62 ALIS Article tip 606.00 ALIS
こすもす's icon'
  • こすもす
  • @Cosmos
京都・大阪で暮らし働いています / X(Twitter): @cosmoscx

投稿者の人気記事
コメントする
コメントする
こちらもおすすめ!
Eye catch
トラベル

「もののけ姫」着想の地であり魑魅魍魎の最後の砦 知られざる京都洛北・志明院へ

Like token Tip token
8.00 ALIS
Eye catch
トラベル

なんもない!すばらしい!天塩温泉から稚内へ

Like token Tip token
11.57 ALIS
Eye catch
トラベル

京都宇治田原・正寿院の風鈴の音とともに夏が来た

Like token Tip token
132.25 ALIS
Eye catch
トラベル

COVID-19が収束したら旅行に行こう!旅行が与える経済効果とおすすめの観光地!!!

Like token Tip token
62.00 ALIS
Eye catch
トラベル

大山阿夫利神社(神奈川県伊勢原市)~参道~下社風景#202-1

Like token Tip token
57.10 ALIS
Eye catch
トラベル

小石の天然ミュージアム~前白根山~

Like token Tip token
11.30 ALIS
Eye catch
トラベル

長谷寺、見どころ多い!安倍文殊院にはユーモラスな仏像あり。

Like token Tip token
10.67 ALIS
Eye catch
トラベル

コーヒーの飲み過ぎによる5つのデメリット

Like token Tip token
105.50 ALIS
Eye catch
トラベル

Travel Work In Enoshima

Like token Tip token
2.20 ALIS
Eye catch
トラベル

京都・南禅寺の最奥部は知られざる聖域だった 南禅寺奥之院 後編

Like token Tip token
297.73 ALIS
Eye catch
トラベル

ルーマニア出国時にオーバーステイで拘束(現在003)

Like token Tip token
0.00 ALIS
Eye catch
トラベル

リッツカールトン東京に泊まってみた。【絶対2泊すべき3つの理由】

Like token Tip token
70.10 ALIS