あまり知られていませんが、京都に異世界感あふれるパワースポットがあるといいます。
観光地化はされておらず、京都へ来る観光客にはほとんど知られていない。
もちろん訪れる人もわずかしかいない。
でも、その異世界ぶりからマニア(何の?)には密かに人気のスポットなんです。
その場所とは、大岩神社(おおいわじんじゃ)。
いったい神社で異世界って、どんな世界なの?
それを探るべく、今回大岩神社を訪ねてみましょう!
そこには、想像を超える異世界が…。
大岩神社は京都駅の南、京都盆地と東の山科盆地の間の大岩山にある神社です。
参拝は、この大岩山を登ることになります。
大岩神社の最寄り駅は、京阪電車藤森駅。あるいはJR奈良線の藤森駅。
駅からは基本、徒歩となります。
今回は京阪藤森駅から徒歩で大岩神社に向かいます。
藤森駅から大岩神社の入り口まで20分ちょっと歩きます。京都府道35号大津淀線です。
向こうには京都盆地と山科盆地を隔てる山、深草山が見え隠れしています。
道から少し奥まった場所に鳥居が。
大岩神社の入口が見えてきました!
ここから大岩神社の参道がスタートです。
大岩神社の社殿は大岩山の頂上近くに建っているので、そこまで軽いハイキングになります。
実はこの参道の横には自動車道があって、社殿まで車で行けちゃいます。
ですが、歩くほうの参道はとても趣があるらしく歩いて登るのが面白いとのことで、今回は参道を歩きます。
趣があるって、一体どんな感じなのでしょうか?
鳥居をくぐって入ると景色が一転して暗くなり、鬱蒼とした竹林が。
嵯峨野の竹林のようで、あっという間に別世界になりました。
確かに趣があります。
さらに進むと薄暗い道に鳥居と大岩神社の石標が。
誰もいないし、ちょっと怖くなってきます。
そして横の看板は…。
「マムシ注意」
怖そうな?ヘビのイラストがさらに恐怖心をかき立てます。
しかし今は冬!
マムシちゃんは冬眠しています。一安心。
実は昨年の夏に大岩神社へ参拝する予定を考えていたのですが、マムシが怖いのでこの冬まで行くのを待っていたんです。
鳥居をくぐると池が。
神秘的というか、不気味というか。
池は薄暗く、龍神様が池の底から出てきそうと思っていたら、やっぱりここには白姫龍神が棲むと言われ祀られています。
さらに薄暗い山道を登ってゆきます。
「倒木あり!」の表示があちこちに。
そして少し進むと、突然異世界にスリップしてしまいました!
一体なんだこれは!?
鬱蒼とした山の中に、石造りの奇妙な鳥居が!
これは中南米や東南アジアの古代遺跡なのか、はたまたRPGに出てくる神殿遺跡なのか?
異世界感ハンパないです。
柱には何やら彫刻が彫られています。
毘沙門天らしい。
もう一方の柱には地蔵菩薩が。
鳥居の上部には大岩大神・小岩大神と書かれ、脇には女神が彫られています。
ここはどこの世界なんじゃ?
さて、一体この鳥居は何なんでしょう?
鳥居の横に、このような石板が。
「印象鳥居」、堂本印象寄進と彫られています。
この鳥居は京都で活躍した有名な日本画家、堂本印象氏がデザインして寄進した鳥居なんですね。
どおりで、独特なデザインなわけだ。
堂本印象氏のお母様がこの大岩神社によく参拝されていた縁があって、堂本氏は大岩神社に鳥居を寄進されました。昭和37年とこの石板にあります。
苔むした狛犬が堂本印象鳥居を引き立て、異世界へといざなっているようです。
堂本印象鳥居のすぐ奥には滝もあり、流れる水も独特の雰囲気を醸し出しています。
木々の間からわずかに陽の光が差して、神秘的な雰囲気が満点です。
さらに奥の朱の鳥居で不気味さが増しています。
ここRPGなら、鳥居をくぐるといきなりボス戦が発生するポイントやろ…。
これ、ゲームのCGじゃないですよ、実写ですよ。
さて、堂本印象鳥居は大岩神社の終点ではありません。
ここからさらに山道を登ります。
ようやく木々で空が覆われることなく、日がさしてきました。
ホッとします。
境内はかなり荒れており、鳥居の残骸などがところどころにあります。
大岩神社は現在は宮司さんはおられない無人の神社となっています。
とはいえ廃神社ではなく、地元の方々が整備をされています。
登ってきた参道も倒木は少なく、よく整備されていました。
社殿が見えてきましたが、手前の赤い鳥居は柱の根元から倒されています。
ということで、ようやく社殿に到着!
ん? なんだかにゃーにゃー聞こえるんですけど。
「ようこそ、お参りくださいましたにゃー。」
「お腹すいた、エサくれにゃ!」
大岩神社には管理人は常駐していませんが管理猫は常駐しているようで、神社を案内してくれました。
社殿でお参りします。
ここ大岩神社はその名のように大岩、小岩が祀られています。
境内を猫さんが案内してくれます。
「こっちにも堂本印象の鳥居があるにゃー」
さっきの堂本印象鳥居よりも小ぶりですが、独特のデザインの鳥居が社殿の横にありました。
先ほどよりは異世界感が少なくて、なんだかホッとしますね。
でも、やっぱり異世界感あるデザインです。
案内の猫さんが堂本印象鳥居の下で、にゃーにゃー鳴きながら待ってくれています。
「案内してやったから、エサくれにゃ。くれないとこの鳥居はくぐらさにゃー!」
本殿横の社務所のような無人の建物に掲げられた、かの有名な?黒板に書かれた謎の女の子。名前は白水結子ちゃんらしい。
黒板に書かれているように、地元の有志の方々が大岩山を整備されているんです。
経年劣化と台風で荒れ果てていた大岩山の整備、お疲れ様でした。
さて、大岩神社の社殿は大岩山の頂上ではありません。
さらに上に登れます。展望所まで80mとのことなので行ってみましょう。
山道をさらに登ってゆきます。
大岩山頂付近に到着!
標高182m。NTTの電波塔が建っています。
電波塔の手前が大岩山展望所。
京都市街が一望できて、とっても良い眺め。
向こうには伏見桃山城も見えます。
このお城は歴史上有名な豊臣秀吉や徳川家康が建てた伏見城ではなく、その跡地近くに戦後にテーマパークとして建てられた鉄筋コンクリートの建物で、現在は閉園しています。
手前には太陽光パネルがあります。これはメガソーラー発電所の一部です。
メガソーラー施設でよくあることですが、ここも地元では少し社会問題になっています。
神秘的な大岩神社と現代的なメガソーラーがすぐ近くにある光景を見ると、なんだかシュールな気持ちになります。
では、そろそろ大岩山を下山して、帰路につきます。
再び、堂本印象鳥居。
やっぱり異世界感ハンパないです。
帰りの参道、竹の間から見える傾いた陽の光が目に焼き付きます。
ようやく参道入口の鳥居が見えてきました。
そこはもう車道で、現実世界に戻ってきました。
この鳥居の横にある大岩神社の解説。行った後に読むとよくわかりますね。
京都の中でも大岩神社ほど異世界感がある場所はそう多くないでしょう。
なので、大岩神社はパワースポットマニア、異世界マニア、B級スポットマニアなどに人気のスポットです。
確かに、とても面白く不思議な異世界トリップを味わうことができました。
夏場はマムシとヤブ蚊が鬱陶しそうですが、それを避けると訪ねがいのある場所かと感じました。
Camera: OLYMPUS E-M5 MarkⅡ
Lens: LEICA 12-60mm F2.8-4
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