梅雨のあじさいがきれいな季節。
そして、京都では花手水(はなちょうず)という、お寺で手を清める水場に花を飾る粋なはからいが流行しています。
梅雨の時期なら、あじさいの花手水かな。
今回、京都でも花手水が素晴らしいと話題の柳谷(やなぎたに)観音と呼ばれる楊谷寺(ようこくじ)へお出かけしてみました。
とても鮮やかな花手水を始め、美しい庭園など見どころの多いお寺でした。
柳谷観音は京都市の南西、長岡京市にあります。
ここは京都の端の端。大阪府との境です。しかも山の中。
こんな山の中へどうやって行くんでしょう?
実は、ここへ行く公共交通機関はありません!
あえて言うなら、公式サイトには阪急京都線長岡天神駅やJR京都線(東海道線)長岡京駅から阪急バスに乗り、山麓の奥海印寺バス停で降りて歩いて40分とあります。
歩いて40分、しかも山なので行きは登りばかりです。これはもうハイキング。
なので、ハイキングをするつもりがない方は公共交通機関での来訪は諦めてください。駅からタクシー利用が現実的です。
ただ、毎月17日の縁日や特別なイベントの際には柳谷観音が手配したマイクロバスが駅から出ますので、それに乗ってくださいませ。
僕は京都民なので、もちろんマイカーで行きました。
離合困難な山道を走りますが、それでも楽で早いです。たくさんの車が停められる駐車場完備!
楊谷寺山門。
ここは山の中で、楊谷寺と門前に数件の家しか建っていません。
山寺ですが、大きなお寺です。
山門には京都西山三山との看板があります。
ここ楊谷寺と、僕がよく行っている善峯寺、そして紅葉で有名な光明寺が西山三山として京都盆地の西に位置しています。
この西山三山はどれも由緒ある大きなお寺で見応えがあるのですが、交通不便な場所なので京都観光の穴場になっています。
そこに目をつけた?観光協会などが、京都の混雑するメジャーな観光地から観光客を分散させようとキャンペーンを張っている面があるようです。
では、山門をくぐって境内に入りましょう。
楊谷寺本堂。
ご本尊は十一面千手千眼観世音で、眼病に霊験あらたかな観音様として有名。
こんな由緒があるそうです。
お堂のそばの溜まり水で親ザルが目のつぶれた子ザルの眼を一心不乱に洗っている姿を見て、空海が17 日間の祈祷を施したところ、子ザルの眼が開きました。
空海はこの不思議な水にさらに祈祷を施し、眼病に悩む人々のために霊水にしたという伝説があります。その霊水が、独鈷水(おこうずい)です。
豊臣秀吉の側室、淀殿は当山の観音様を信仰し、淀城におられる時毎日当山の水でお顔を洗って いたと言われています。
江戸時代には112 代霊元天皇が眼病を治癒されたことをきっかけに明治に至るまで天皇家に独鈷水を献上していたと伝えられています。
ということで、天皇家を始め歴史上の人物とも関わりが深い、由緒あるお寺です。
この独鈷水は無料で飲めてまろやかでおいしいのですが、新型コロナウイルスのことがあるのでちょっと味見をするくらいにしておきました。
さて、本堂にお参りする前に、手水舎で手を清めましょう。
この手水舎がここ柳谷観音の名物なんです!
あじさいが敷き詰められた鮮やかな手水舎、花手水(はなちょうず)ですね!
この手水舎では、手を清めるのがはばかれるほどみなさん集って写真撮ってましたね。
こりゃ、インスタ映えするよね!
あじさいに滴り落ちる水。
と、よく見ると手水舎の柄杓(ひしゃく)には何か文字が書いてあります?
柄杓には「そうだ 京都、行こう。」の文字が。
そうだ京都行こうは、とても有名で長く続くJR東海の京都観光キャンペーンですね。
それがついに、手水舎の柄杓まで作り出したのか〜!w
というのは、この柳谷観音の花手水はそうだ京都行こうとのタイアップなんですね。
それもこのお寺だけではなく、二尊院や北野天満宮、貴船神社などいくつもの寺社とタイアップしています。
その名も「京都花手水と青もみじの名所御朱印めぐり」キャンペーン。
どうも最近いろんなお寺で花手水を見るなぁと思っていたら、そうだ京都行こうが裏で?手を引いていたんですね。
どうもJR東海が、京都の花手水の仕掛け人のひとりのようです。
もっとも、ここ柳谷観音では鮮やかな花手水の先駆けのようなお寺で、以前から目立っていました。
交通不便な場所でたくさんの方に参拝してもらうために、努力されているのかと思います。
では、お庭を拝見しましょう。
書院から眺めるお庭、浄土苑です。
山なので斜面を利用して立体的なお庭が作られています。
緑が美しいですね。
ここは池泉鑑賞式庭園。
池があってブクブクと泡が出ており、鯉が泳いでいました。
涼し気な感じでとても良いです。
そして、この庭園にもあじさいの花手水!
苔むしていて素敵ですねー。
さつきをバックにした風鈴がまた涼しげ。
池の横にもあじさいの花手水。
水面に落ちる木漏れ日がたまりませんー。
さて、お庭から移動しましょう。
楊谷寺は山寺で山の斜面にいくつものお堂が建っており、渡り廊下・渡り階段で行き来することができます。
結構急な階段が続きます。
周りは新緑やあじさいで飽きさせません。
ここにも渋いあじさいの花手水が。
楊谷寺ではいくつものバラエティーに富んだ花手水を見ることができます。
みんな一心不乱に写真撮ってましたねー。
ここ柳谷観音(楊谷寺)は今や京都一のインスタスポットじゃないでしょうか。
渡り階段を登って、一番上で奥の奥の院までやってきました。
結構しんどい…。
ここからは、外に出て景色を見ながら下ります。
楊谷寺と門前の町並み。
新緑の木々に囲まれてのどかです。
浴衣がとっても夏らしい。
境内のいたる所にあじさいが咲いています。
ベンチもあって、背もたれにはハート型のくり抜き。
そこからあじさいが顔を出しています。
みんなベンチに座らずベンチの写真撮ってます。
柳谷観音はもう、これでもかというくらいなインスタスポットぶりですww。
せっかく山の中まで来たので、御朱印もいただきましょう。
楊谷寺には色んな種類の御朱印がありましたが、特に目を引いたのはあじさいの写真がバックにプリントされたもの。
でも、それは表には出されておらず、係の方の手元においてありました。
この御朱印を下さいというと、それはできませんとのこと。
えっ?
これは「そうだ 京都、行こう」キャンペーン特別御朱印で、そうだ京都行こうのパンフレットを持っている人しかお分けできません、とのこと。
ええー、ここでも、そうだ京都行こうなのかー!
このパンフレット持ってますか?と見せられましたが、そんなの知らないよ〜。
では無理ですと断られましたが、「えーん、あじさい御朱印が欲しいよ欲しいよー!」と泣きながら地べたに寝転がって駄々をこねていたら、はい、とそのパンフレットを下さいました。
やったー、パンフレットを手に入れたので正々堂々と特別御朱印をいただくことができます、どや!(無理やりですみません)
青もみじの御朱印と、あじさいの御朱印。
いずれも、そうだ京都行こうの特別御朱印です。
とても素敵な感じですね。
メルカリで高く売れ…(いけません)。
花手水で話題になっている柳谷観音楊谷寺。
噂通り鮮やかな花手水と涼しげな庭園、そしてのどかな境内と見どころ満点。
交通が不便な場所であるがゆえに、秘境の花園感があってとても楽しい場所でした。
ここは「そうだ 京都、行こう」キャンペーンと大々的にコラボしているので観光寺院化しているとも言えますが、それでも素敵な場所だと思いました。
季節に応じて花手水はどんどん変わるので、機会があれば訪ねてみて下さいませ。
「そうだ 京都、行こう」と言えば、有名なのが寺町四条を下ったところにある看板。
道ゆく人目につくところにこんなの、ええんか??w
Camera: LUMIX G8
Lenses: LEICA 15mm F1.7, LUMIX 25mm F1.7, 42.5mm F1.7