トラベル

鮮やかすぎる紅葉と苔むす緑に感動した滋賀安土・教林坊の錦秋

こすもす's icon'
  • こすもす
  • 2021/12/03 09:11

あまり知られていないけど、紅葉が素晴らしい庭園があると聞きました。
苔むす岩の庭に鮮やかな紅葉

かねてからこの庭園を一度訪ねたいと思っていて、ようやく念願が叶いました。
噂の通り鮮やかさが目に焼き付くような素敵な紅葉で、ただ感動していました。

その知る人ぞ知る紅葉の名所とは、滋賀安土・教林坊(きょうりんぼう)

 

 

教林坊へ

Content image
© OpenStreetMap contributors

教林坊は地図のように滋賀、近江八幡市安土町にあります。

このあたりは織田信長が天下を取って采配を振るった城で有名な安土城址の近くで、歴史的に重要な場所です。
そう、安土桃山時代の安土とはここの地名なのです。

教林坊へ行く公共の交通手段はありません!
交通が不便なので穴場的な紅葉の名所なのでしょう。

教林坊公式サイトによると、最寄り駅のJR琵琶湖線(東海道線)安土駅から徒歩60分とあります。いや、そんなに歩けないやん…。
ということで、安土駅からタクシー(10分)が現実的です。

参拝者のほとんどはマイカーで来られています。
名神高速道路竜王IC または蒲生ICから車で約20分です。
僕も車で行きました。京都市街からは1時間以上かかります。結構遠いです。

 

教林坊

Content image

教林坊の駐車場に車を止めて、いざ総門へ。
ここで受付して、坂を上ってゆきます。

 

Content image

100メートルほどゆるい坂を登ると表門

良い感じの紅葉ですね。
中はどうなっているのでしょう?
ワクワクです。

 

Content image

表門をくぐると書院
茅葺屋根で侘び寂びを感じて、とても趣があります。

この書院を通り抜けて左へ進むと、お目当ての庭園です。

 

教林坊 遠州庭園

Content image

書院から見た、遠州庭園と本堂

おおおー、これは見事!
黄色から朱の紅葉と、その下の池のゴロゴロした岩が苔むして、その緑との対比が素晴らしいです。

このお庭は小堀遠州作と伝えられる、桃山様式の庭園です。

では、この庭園を回遊してみましょう。

 

Content image

この写真は、先程の写真にあった本堂の前から見た書院

茅葺屋根の書院が紅葉と岩の苔の中にたたずんでおり、まさに侘び寂びの光景のように思えます。

 

Content image

その書院の窓から見た庭園。
窓を額縁に見立てて庭園を見る額縁庭園というのがありますが、これは掛軸庭園です。
少しだけ光が差してとても風流、素敵です。

 

Content image

茅葺き屋根の書院は二階に上がれました。
屋根裏部屋には大黒天が安置され、おみくじも。

 

Content image

教林坊の庭園は広く傾斜があり、遠州庭園を見下ろすことができます。

鶴石、亀石、枯滝など、ゴロゴロと岩が池に置かれているのがよくわかります。これが小堀遠州の作風らしいです。

ゴロゴロとした岩があることより、随筆家の白洲正子は著作「かくれ里」で教林坊を石の寺と称して取り上げているとのこと。

 

Content image

少し進んで、本堂を見下ろしています。

一面の苔の上に真赤な散り紅葉
これだけ緑と朱の鮮やかな色の対比は、他の紅葉の名所でもそうそう見られません。

こんな第一級の素晴らしい紅葉があまり人知れず存在するとは驚きです。
もっとも最近は知られてきましたが、まだまだ全国的、世界的には穴場でしょう。

 

Content image

見上げるとこれまた朱、緑、黄色が混在した鮮やかすぎる紅葉風景。

教林坊は605年に聖徳太子により創建されたという非常に歴史があるお寺ですが、昭和50年から平成7年までは無住の寺となり荒廃していたとのこと。

それをここまで素晴らしい庭園に復興されたのはすごい努力であったと思います。

 

Content image

そして下を見ると散り紅葉が。

本堂の横の隙間に散った紅葉の絨毯ですらも素晴らしい。
ありとあらゆる場所が絵になる、教林坊の紅葉です。

 

Content image

遠州庭園に秋の低い木漏れ日が照らす瞬間は、この世のものとは思えないくらい美しい。

ただただこの庭園に見とれて、晩秋の幸せなひとときを味わっていました。

 

Content image

あまりにも鮮やかな紅葉と苔の中で、サザンカのピンクを見かけるとホッとします。
このピンクはいつもは目立つ色ですが、教林坊の紅葉の中ではむしろ地味な存在。

 

Content image

上の写真のように庭園を広角(35mm換算18mm)で縦位置で撮ると非常にダイナミックで、教林坊庭園の素晴らしさが伝わりやすいと思います。

手前にあるパース(遠近法)が効いて大きく写る苔が木漏れ日に照らされた亀石、岩の横の池面に浮かぶ散り紅葉、奥の本堂、そして上の真赤な紅葉

別世界のような素晴らしさで、撮りながら感動しています。

 

Content image

蹲に落ちたもみじの葉っぱも風流です。
教林坊庭園のありとあらゆる場所がこのような風流さで満たされているのです。

 

Content image

あまりにも境内が美しく別世界にいるようなので、かなり長い時間見とれてしまっていました。

気づけば庭園にはもう西日が差して、晩秋の早い日暮れがやってきそうな時間。
名残惜しいのですが、そろそろ帰りましょう。

駐車場まで降りて車に乗り込み、教林坊をあとにして名神高速道路に向かいました。

 

最後に

Content image

京都への帰り道、名神高速道路・大津パーキングエリアから見た琵琶湖。

夕刻の雲はすっかり冬の様相。
もうそこまで冬が来ていることを感じます。

秋の最後の鮮やかすぎる輝きを目に焼き付けて、冬に臨んでゆこう。
そう感じた教林坊の見事な紅葉でした。
ほんと、素晴らしかった。

 

 

Content image

Camera: LUMIX G8
Lenses: LEICA 12-60mm F2.8-4 with C-PL filter, OLYMPUS 9-18mm F4-5.6 with C-PL filter, LUMIX 45-150mm F4-5.6

 

 

よろしければ他の記事もご覧くださいませ。   

Cosmosのトラベル記事 
Twitter: @cosmoscx

みなさま、いつもコメントや投げ銭、いいねありがとうございます。

Supporter profile iconSupporter profile iconSupporter profile iconSupporter profile icon Supporters link icon
Article tip 9人がサポートしています
獲得ALIS: Article like 136.65 ALIS Article tip 80.52 ALIS
こすもす's icon'
  • こすもす
  • @Cosmos
京都・大阪で暮らし働いています / X(Twitter): @cosmoscx

投稿者の人気記事
コメントする
コメントする
こちらもおすすめ!
Eye catch
トラベル

長谷寺、見どころ多い!安倍文殊院にはユーモラスな仏像あり。

Like token Tip token
9.67 ALIS
Eye catch
トラベル

小石の天然ミュージアム~前白根山~

Like token Tip token
11.30 ALIS
Eye catch
トラベル

「もののけ姫」着想の地であり魑魅魍魎の最後の砦 知られざる京都洛北・志明院へ

Like token Tip token
8.00 ALIS
Eye catch
トラベル

コーヒーの飲み過ぎによる5つのデメリット

Like token Tip token
105.50 ALIS
Eye catch
トラベル

COVID-19が収束したら旅行に行こう!旅行が与える経済効果とおすすめの観光地!!!

Like token Tip token
62.00 ALIS
Eye catch
トラベル

京都・南禅寺の最奥部は知られざる聖域だった 南禅寺奥之院 後編

Like token Tip token
297.73 ALIS
Eye catch
トラベル

四万温泉(群馬県中之条町)1~積善館本館・千と千尋の神隠しのモデルとも(83.とらべるショット)

Like token Tip token
160.25 ALIS
Eye catch
トラベル

京都大原・三千院の桜からシャクナゲへ替わる季節に

Like token Tip token
138.61 ALIS
Eye catch
トラベル

Travel Work In Enoshima

Like token Tip token
2.20 ALIS
Eye catch
トラベル

【朝散歩】湯島天満宮

Like token Tip token
4.47 ALIS
Eye catch
トラベル

大山阿夫利神社(神奈川県伊勢原市)~シカ遭遇・龍が睨む二重の瀧#202-3

Like token Tip token
5.20 ALIS
Eye catch
トラベル

ルーマニア出国時にオーバーステイで拘束(現在003)

Like token Tip token
0.00 ALIS