新緑がきれいな季節になりました。
この新緑をより美しく鮮やかに見せる新しい名所ができたと聞いたので、今回はそれを見に行きましょう!
その名所とは、お寺の床に新緑が反射し、それは鮮やかとのこと。
これはゴールデンウィーク中の特別公開。
一体、どんなのでしょうね?
その新緑を美しく見せる名所ができたのは、滋賀・大津に位置する三井寺(みいでら)です。
三井寺は京都から山を隔てた滋賀県大津市にあります。
と言っても京都からは近い場所です。
三井寺の最寄り駅は、京阪電車石山坂本線の三井寺駅。
京都駅からは、JR琵琶湖線(東海道本線)で隣の駅である山科駅か、もう少し先の膳所駅で京阪電車乗り換えです。
2両編成のかわいい電車から降りて、三井寺へ歩いて向かいます。
駅を降りると、横には水路が。
これは琵琶湖疏水(そすい)。京都の水道のために琵琶湖の水を京都に流す人工水路です。
疏水の観光船が運行しています。さっそく新緑がきれいですね。
琵琶湖疏水沿いに坂を登ってゆくと、10分ほどで三井寺(みいでら)です。
三井寺は正式には長等山園城寺(ながらさんおんじょうじ)といいます。
三井寺はかつては非常に隆盛を誇ったお寺。
平安時代の古典文学で「寺」といえば三井寺を指すなど有名で、日本の歴史にも深く関わったお寺です。
広い境内には国宝や国の重要文化財がいっぱいあります。
なのに現在いまひとつ有名でないのは、単に京都ではなく滋賀県に位置するからでしょうか?
さて、早速やってきました。
ここが、床に新緑が反射する新名物ができた観月舞台です。
琵琶湖を見渡せる景色の良い舞台。
何人かがしゃがんで写真を撮っていますね。
どんな写真が撮れるのでしょうか?
観月舞台から撮った写真。
おお、床に反射した青空と新緑が鮮やかですね!
右には琵琶湖も少し見えます。
観月舞台から少し上がったところから撮った写真。
マンションが建っていますが、その向こうに初夏の色の琵琶湖が見えます。
初夏らしい鮮やかな光景です。
また観月舞台に戻ってきました。
桜葉の新緑が床に反射したリフレクションが美しい。
今年の春、桜の花が咲いた時期には夜桜がライトアップされ、桜のリフレクションが幻想的に美しかったようです(この時は行けていません)。
しかし、どうしてこんなに鮮やかに床に反射するのでしょう?
タネ明かしは他のブログ記事やSNSでもあまりされてないようですので、ここでこそっとバラしちゃいます。
こんなふうに、床板に青い敷物を敷いて、その上に透明のアクリル板を乗せているんですね。
これによって青空や緑が一層青く、きれいに反射するのです。
三井寺さん、企画力抜群ですね。
さて、三井寺にはこのリフレクション以外にも見どころ満載ですので、境内を散策しましょう。
境内はいたる所にツツジなどの花も咲いていて、新緑や青空と合わせて初夏の素晴らしい光景が見られます。
こちらは三重塔。
ツツジや新緑に囲まれてなかなか良い景色。
この三重塔は徳川家康が三井寺に寄進したもので、重要文化財です。
そして、ここが三井寺の中心的な建物、金堂。
豊臣秀吉の正室北政所によって再建されたもので、国宝に指定されています。
なんと今回は、この金堂の中心部である内陣が特別公開されて入ることができました。
内陣には本尊である弥勒菩薩が安置されており、この弥勒菩薩のすぐ前まで行くことができます。
この弥勒菩薩は千三百年余り前の三井寺が創建された時に天武天皇から賜わったと伝えられていますが絶対秘仏であり、1000年以上誰も見たことはないらしいので見られません。その歴史がすごいよね。
その代わりに?今回は西国三十三・坂東三十三・秩父三十四の各観音霊場の御本尊の観音様の模刻像百体を一気に見ることができます。100体もあるとなかなか壮観。
さて、いろいろ拝観したので休憩しましょう。
これが三井寺名物、弁慶力餅。
求肥餅にきなこと抹茶がまぶしてあり、ほどよい甘さで美味しいんだな。
三井寺に来たらこれを食べないと、というほど名物です。
弁慶力餅は、三井寺の境内に茶店があります。
緑に囲まれ、しばしまったりとしました。
この弁慶とは、もちろん武蔵坊弁慶のこと。
弁慶は三井寺と対立する比叡山延暦寺の僧侶で、三井寺から奪った品である大きな鐘を怪力で引きずって比叡山を登ったといいます。
その鐘は今も三井寺に実在し、「弁慶の引き摺り鐘」として有名です。
これが弁慶の引き摺り鐘。
たしかに引きずった跡がありますね。
この鐘は重要文化財に指定されているので、これらの話はある程度史実の裏付けがあるのでしょう。
その後弁慶は比叡山を追い出され、牛若丸こと源義経(みなもとのよしつね)と出会い、義経の忠臣として平家追討で活躍するも最後は奥州平泉で義経とともに殺されました。
このあたりは今年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも一部が出てくる、非常に有名な歴史の一コマです。
では、見どころが多くて長居をしたので、そろそろ帰りましょう。
日が傾きかけた新緑の三井寺を振り返り、駅に向かいます。
京阪電車三井寺駅から電車に乗り、京都へ向かいます。
ということで、新緑が目にまぶしい今回の散歩でした。
三井寺自体も見どころが多く、とても充実した拝観となりました。
ついこの間は桜を見ていたことを思い返すと、季節の移り変わりは本当に早いと感じます。
良い光景を目に焼き付けて、心を満たしてお家に帰りましょう。
Camera: OLYMPUS EM-5 Mark II
Lenses: LEICA 12-60mm F2.8-4 with C-PL filter, LUMIX 45-150mm F4-5.6
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