無縁仏である石仏たちがかもし出す空気感が独特の、京都嵯峨野・化野念仏寺。
前回の記事では、夏の暑い昼間にここを訪ねて、御朱印をいただきました。
できればこの前編から読んでくださいね。
前編で書いたように、昼でさえ化野念仏寺の西院の河原は無縁仏で重苦しい雰囲気です。
これが夜になると、一体どんな凄い雰囲気になるのでしょう?
霊などの見えるはずのないものが見えてしまうのでしょうか?
といっても、夜はもちろん拝観受付はしていません。
しかし、化野念仏寺では夏に2日(8月23日と24日)だけ、夜にお寺を公開されます。それが「千灯供養」の行事なのです。
しかも、この行事の際には特別御朱印を授与されるとのこと。
こっ、これは行かないと…。
化野念仏寺へ向かう参道の階段。
この時点で階段、じゃなくて怪談の雰囲気満点なんですけど。どうしよう…。
と思いきや、はっと気づきます。今からキヨスイさんのALIS Discordラジオが始まる時間じゃないか!
今日は亀井さんにお便りを入れていたのに、聞かないとは失礼だなあ。
ということで、この階段からDiscordに聞けないとの詫びコメントを入れて、いよいよお寺へ突入。
まずは、御本尊にお参りです。独特の空気感がどんどん濃くなってゆきます。
では、有名な「西院(さい)の河原」と呼ばれる、昔からの無縁仏の石仏が集められている場所を見てみましょう。
こ、この独特の重い雰囲気は何なのでしょう!
もう、霊が見えるなんてもんじゃない。いたるところに飛び交っているような。
多数ある石仏から霊気がむんむんと空に上がっている感じです。
とはいえ、とても美しい光景でもありますね。
幻想的と言えるかもしれません。
千灯供養とは、文字通り石仏にロウソクの灯をともして供養する行事。
受付でひとり一本のロウソクをもらい、気に入った石仏の前で火のついたロウソクを捧げます。
そしてお坊さんが延々と読経される声が、スピーカーを通してお寺中に響き渡ります。
夏の暑くてねっとりした空気に身体が包み込まれ、身動きさえ重くなります。
もう、魂があの世に持っていかれてますね。
自分も石仏の前でロウソクを灯し、手を合わせます。
石仏を間近から撮った写真がないのは、西院の河原の中は撮影禁止だからです。
そりゃそうです。撮ってしまったら、写ってはいけないものがいっぱい写って大変でしょう?
さて、御朱印をいただきます。
なんと、この千灯供養の時だけ特別な御朱印を授与されるとのことです。
おお、これはまた独特の雰囲気の御朱印。
紺の紙に金字で「千燈会」と大きく書かれ、銀色の印は西院の河原の石仏ですね。
御朱印からも霊気が発せられているようです。
いやこの世界、もはや美しいとかを通り超えているような。
耽美的ですらあって、このままあの世へ引っ張られてゆきそうな強い引力。
あまり引っ張られる前に、そろそろここを去ったほうがいいかな。
そう感じつつ、浮ついた心で化野念仏寺をあとにしました。
化野念仏寺を出て現世に戻り、ほっと一息。
と思いきや、道には行灯が。
これは「愛宕古道街道灯し」という行事。
化野念仏寺の千灯供養に合わせて、お寺の前の愛宕街道を灯すんですね。
とても良い雰囲気です。
地元の方が描かれた行灯を眺めながら、少し涼しくなった風に吹かれて、ゆっくりゆっくりと京都の夏が終わってゆきます。
うん、ちょっと素敵な夏の終わり方かな。
あっ、そういえばもう、ALISキヨスイラジオの時間は終了しちゃったね。
(あとでアーカイブ聴きました。)
Camera: PENTAX K-3II with SIGMA 17-70mm F2.8-4
よろしければ他の御朱印記事もご覧くださいね。
CosmosのALIS御朱印記事
Twitter: @cosmoscx