世界中から観光客が訪れる、京都の中でもとても著名な寺院の一つである南禅寺。
修学旅行コースでもあり、京都観光の定番なので行かれた方も多いと思います。
そんな有名どころの南禅寺の中で、あまり知られていない聖域があると聞きます。
それが、南禅寺奥之院(おくのいん)。
ここは文字通り、南禅寺の一番奥。山の中に存在するのです。
この奥之院は南禅寺公式サイトの境内案内の地図にも書かれていない場所。
あまり訪ねてほしくない場所なのでしょう。
実際、ふつうの観光客はここまでは行きません。知る人ぞ知る場所なのです。
今回は、そんな密やかな奥之院を訪ねてみます。
ここは聖域にふさわしく、神聖な雰囲気満点の場所だったんです。
今回の記事は長くなったので、前編後編と2回に分けてお送りします!
南禅寺は京都東山の山麓に位置しています。近くには紅葉の名所・永観堂などもあり、京都の一大観光地です。
公共交通手段は、京都市営地下鉄東西線の蹴上(けあげ)駅で下車。そこから入口の三門まで徒歩10分です。
あるいは市バスの南禅寺・永観堂道バス停下車、徒歩10分。
さすが大観光地、便利な場所にあります。
地下鉄蹴上駅から名物の「ねじりまんぽ」というトンネルを通り、そのまま道沿いに進むと南禅寺です.
このねじりまんぽというトンネルはその名の通りねじられていて、時空が歪むとの噂が絶えないトンネルです。
いやいや、そんな時空が歪むなんて無いやろー。たくさんの人が通るトンネルですし。
と、中に入ってみます。
うわっ、ねじられている!、めっちゃ歪んでるやん…。
これは時空も歪むわ。
僕の印象では、ここを通るとだいたい3回に1回くらい違う時空に飛ばされてしまうのですが、今回は大丈夫で無事に南禅寺に向かう出口に出ることができました。
ということで、南禅寺にやってきました!
南禅寺三門。でっかいです。日本三大門の一つに数えられ、重要文化財です。
この門の楼上に登ることもできます。
上からの眺めは、歌舞伎・楼門五三桐の中で石川五右衛門がこの景色を「絶景かな、絶景かな」と言った有名なセリフからもうかがい知ることができます。
さらに進みましょう。
南禅寺法堂。
大きな法要などが行われる、南禅寺の中心的な建物。
これもでっかいです。
この法堂から右に折れると、かの有名な…。
水路閣ですね!
このアーチの横から顔を出した写真が、インスタグラムなどで山のように出てきます。
この日もそんな写真を撮るカップルや、そんな写真を撮りたいカメラおやじが被写体になってくれそうな女の子をナンパする微笑ましい光景が見られました。
さて、このアーチは水路閣という名前ですか水路なのでしょうか?
あまり知られていませんが、水路閣は上から見ることができます。
登ってみましょう。
水路閣に登って上から撮った写真。
ちゃんと水が流れていて、水路になっています。
この水路閣は南禅寺の施設ではなく、琵琶湖から京都へ水を流す琵琶湖疏水の一部なのです。この水が京都市などの水道になります。
水路閣は明治に作られて、今も現役の水路橋なのです。
水路閣が作られた当初は南禅寺の境内を貫く変な橋がお寺の雰囲気を乱すということで南禅寺は激おこだったようですが、今では南禅寺に多数の拝観客を呼ぶ名所になっています。
と、この水路閣までは観光客がたくさん訪れる場所なのですが、ここから先はみなさんあまり行きません。
しかし、そんな場所がまた興味深いのです。
水路閣のアーチの向こうに階段があって、その先に門があります。
これが南禅院。
行ってみましょう!
南禅院は南禅寺発祥の地なんです。
拝観料を納めて、入ります。
南禅院方丈。
南禅院方丈は元禄16年(1703)徳川綱吉の母である桂昌院の寄進によって再建されたものです。
そして方丈の前には庭園「曹源池」があります。
南禅院庭園は鎌倉時代末の代表的池泉回遊式で、早くから京都の三名勝史跡庭園の一つに指定されているとのこと。
回遊式庭園なので、池の周りを一周できます。
池の周りを苔が覆っていて、素敵です。
訪れる人も少なく、まったりとできます。
この庭園は周囲を深い樹林で包まれた幽玄閑寂の趣とのことで、木陰でしっとりとした苔庭にきのこも生えていて和みます。
と、ここでまったりとしている場合じゃない!
南禅院のお庭でまったりとして目的地を忘れそうになりましたが、いよいよ聖域に向かいます。
目指すは南禅寺公式サイトにも載っていない、南禅寺奥之院!
この地図のように、南禅寺奥之院は山の中にぽつんとあります。
有名な水路閣から歩いてゆきます。
まずは水路閣に沿って山の方に進みましょう。
道は山へ向かうので上り坂ですが、水路閣の水は写真の左から右へ流れていますので水路閣の高さがどんどん低くなっています。
このすぐ先で水路(琵琶湖疏水)はトンネルに入り、京都盆地に流れてゆきます。
水路閣の先には、最勝院といういかにも強そうな南禅院の塔頭が見えてきました。
ちょっと行ってみましょう。
最勝院高徳庵。南禅寺の塔頭です。
手前にある松の木は縁結びの松と呼ばれており、百日紅(さるすべり)の木に松が宿ったものです。
ここまで来ると、ほとんど参拝者はいません。ナンパするカメラおやじもいません。
紅葉の名所ですので、その時期は人出が多いようです。
しかし、こすもす探検隊はここからが本番で、さらに奥地に進みます。
お堂の前を右に折れると…。
なんだか暗い道が山の方に続いています。
これが南禅院奥の院への道。
この道を奥に進んでゆく人は誰もいませんが、こすもす探検隊は進みます。
最勝院の墓地を横目に見ながら、暗い道を進みます。
なんだが怖いよー。
山道になってきました。でも、道は整備されていますね。
この奥に秘所であろう南禅寺奥之院が存在するとのことですが、どうなっているのでしょう?
そこには修業の場、神仙佳境という言葉がぴったりな神聖な雰囲気が漂っていました。
それでは、後編に続きます!
Camera: LUMIX G8
Lenses: LEICA 12-60mm F2.8-4, OLYMPUS 9mm F8
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