あなたは、冥土につながる井戸が実在するのをご存じでしょうか?
その井戸の先に、閻魔大王がどっしりと構えているのを知っていますか?
今回は、そんな冥土につながる井戸を実際に覗いてみたお話です。
そして、これはALISは怪談?部「ALISあなたの知らない世界」お盆企画エントリー記事でもあります。
それは、お盆直前の暑い暑い京都の夏の日。
鴨川の床で食事をする人々をうらめしそうに横目で見ながら、その井戸のある六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)へ歩いて向かいます。
空と川面に反射する夕焼けがきれいやね。
祇園・花見小路を下り、建仁寺を突き抜けて六道珍皇寺へ着きました。
ん?
もう夜なのに、なにやらにぎやか。
ここ六道珍皇寺では「六道まいり」という行事をやっていたのです。
それは、お盆に帰ってくるご先祖様の精霊をお迎えする行事。
ほら、ご先祖様の精霊が浮遊しているのが見えませんか?
このちょうちんに書かれている「六道の辻」とは、実はこの世とあの世の境目なんです。
京都の東山には鳥辺野という場所があります。
その名の通り、ここは昔は風葬(遺骸を放置して鳥に食べさせる鳥葬)の場所でした。今でも大きな墓地です。
地図の青線のように、亡くなった方を京の都から鳥辺野の山に運ぶ時に通るのが、六道珍皇寺あたりにあった六道の辻なんです。
この辻があの世とこの世の境目で、ここから先はあの世となります。
逆に、お盆になりご先祖様の精霊がお帰りになるときは、やっぱりこの六道の辻を通って都へ戻られます。
なので、この境目で精霊をお迎えするのですね。
では、どのように六道まいりをするのでしょう?
六道まいりでは、まずご先祖様の霊をお迎えする迎え鐘(むかいがね)をつきます。
京都では、死者の霊をお精霊(おしょうらい)さんといいます。
この鐘の音によって、お精霊さんが道に迷わずここにたどり着けるのです。
鐘は中に入っており見ることはできず、外に出ている綱を引っ張って鐘を鳴らします。
ねっ、このあたりに霊が集まってきているのが見えますよね?
その後、本堂でお参りをして…。
地蔵尊宝前で、水塔婆(みずとうば)という木の板に亡くなった方の戒名や俗名を書いてもらったものを納めます。
この写真たちだけでも、お精霊さんがたくさんおられるのが見えると思います。
えっ、見えませんか?
そしてここ六道珍皇寺には、閻魔大王様もおられます。
閻魔大王はこんな方。
六道まいり ポスター
この六道には伝説があります。
小野篁(おののたかむら)という平安時代の官僚がいました。
彼は、夜は閻魔大王の役人を務めており、昼間の仕事が終わると冥土の閻魔大王のもとに向かったといいます。
このことは「今昔物語」等にも書かれているとのこと。
本当に閻魔様がいるのかって?
いますよ!
だって、閻魔大王にサインもらったんだもん。
さて、小野篁が冥土の閻魔大王の元に向かう入り口が、ここ六道珍皇寺にあるのです。
それが本堂の裏にひっそりとある「小野篁冥土通いの井戸」です。
この井戸はいろんな意味で危険なため普段は非公開ですが、ある時、特別に拝見することができました。
その井戸がこれです。
この井戸が冥土へつながっているのかー!
蓋がしてありますが、ぜひ中を覗いてみたいですよね。
近づいて井戸の中を見てみましょう。
ん?
井戸の底になにやら人がいるようだけど、暗くてよく見えないな。
もうちょっと深く覗き込んでみないとわかりません。
でも危ないから、おまえら背中を押すなよ。
押すなよ、
うーん、よく見えないなぁー。
もうちょっと、井戸の中に身体を乗り出してっと…。
その後、彼の姿を見た者は閻魔大王以外にはいない…。
こちらにも六道まいりのことを書いています。
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