あっという間に初夏になり、紫陽花(あじさい)が咲く季節になりました。
京都でも紫陽花の名所はいくつもあります。
その中で今回はちょっと変わった、紫陽花の変種である「甘茶」(あまちゃ)が咲くお寺を訪ねます。
そしてこの甘茶は、見るだけではなくて煎じて飲めるんです。
もちろん、飲んでみました!
ということで、体験レポート行ってみましょうー。
京都祇園、花見小路を下がると、突き当りが建仁寺。
有名な禅寺で風神雷神図を所蔵しているお寺ですので、皆さまご存知でしょう。
その建仁寺の敷地の隅に、塔頭(たっちゅう)である霊源院があります。
この霊源院は普段は非公開のお寺。とは言っても予約制で座禅体験などができます。
今回は甘茶が咲く時期の特別公開なので、予約なしで拝観できるのです。
甘露庭と名付けられたお庭は、新緑が美しいですねー!
緑がはちきれんばかり。
赤い敷物がまたこの緑を引き立ててくれます。
青もみじの緑も鮮やかな季節。
さあ、メインの甘茶はどんな花なんでしょう?
これが甘茶。
ん?? 額あじさいそっくりですね。
甘茶はあじさいの変種ですから、そりゃ似ています。
甘茶というくらいですから、煎じて飲めるんですね。
この日は霊源院の雲林院宗碩住職がおられて、お話を伺うことができました。
ご住職いわく、このお庭はこれから大きく改装するとのこと。
足立美術館のお庭を作った方のお孫さんに作庭を依頼していると。
(足立美術館は日本庭園で世界一との評価を得ている場所です。)
このお孫さんがクリミア半島で作ってプーチン大統領も絶賛したという日本庭園が素晴らしく、それを見て霊源院のお庭の改装をお願いしたとのことでした。
来年には完成するのでまた見に来てください、とのこと。
そんなお庭なら楽しみです。行かなくちゃ。
この日の甘茶はまだ咲き始めでした。ちっちゃくて、かわいいね。
梅雨になる頃に満開になるのでしょうか。
苔の上に差す、強くなった木漏れ日が素敵。
甘茶は甘茶というくらいですから、煎じて飲むことができます。
では、飲んでみましょう!
霊源院では甘茶を出してくださいます。
お味はどんなの?甘いの??
見た目は、お茶の色ですね。
そして茶菓子もついてきました。今川家の家紋入り。
今川義元は武将として名を馳せる前、幼少時から仏門に入っており、ここ霊源院でも修行をされていたんです。
なので、今川家と関係があるとのことです。
さて、飲んでみましょう。
ええええ!めっちゃあまーーーい!!
あまりの甘さにちょっと頭が混乱。
いやすみません、どうせたいして甘くないのに大げさに言ってるんだろうと舐めてました。
すごく甘くて、少し苦味があるお茶の味です。
ご住職いわく、甘茶の成分は砂糖の数百倍から千倍くらい甘いとのこと。
そりゃ甘いわ。
仏教と甘茶との関係は、花祭り(お釈迦様の生誕を祝う祭)の際に、仏像に注ぎかけるものとして古くから甘茶が使われています。
僕が訪ねたときには、ちょうどテレビ局の取材が入っていました。
甘茶はあじさいの一種なので、旬の話題なのでしょう。
若い女性のレポーターおふたりが、大阪のテレビ局らしくハイテンションの関西弁で掛け合いをしながら、「めちゃめちゃ、あまーーい!!」とか頑張ってレポートされていました。
あっそうそう、僕も映像に映り込んでいるはずなので探してみてね!
(番組名や放送日時を書くと簡単すぎるので内緒ですが、関西ローカルの有名番組。)
さて、恒例により御朱印をいただきましょう。
こ、これは…。
甘茶の写真の上に金の字で「令和」と。しかも今川義元生誕500年記念まで。
盛りだくさんw
かなり独創的な御朱印ですが、まあいろいろ工夫されていて楽しいのではないでしょうか。
さて、居心地が良かったので、かなり長居をしてしまいました。
甘茶を頂いて、ご住職の話も伺い満足です。
もう一度、この姿では最後になる甘露庭を眺めて帰りましょう。
梅雨に向けて、夏に向けて、これからあじさいが綺麗な季節になってきますね。
ほんと、季節の移ろいは足早です。
Camera: PENTAX K-3II with SIGMA 17-70mm F2.8-4 & PENTAX 50-200mm F4-5.6
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