今日は、お久しぶりに、介護の現場を、お伝えしましょう。
新型コロナウィールスの影響で、この夏は、地獄の様な暑さを経験しました。
マスクは、普段かけ慣れていない人には、苦痛そのものです。
額から流れる汗と暑さで、頭がボーとしてきます。
ある日の現場です。
Oさんとは、もう5年以上のお付き合いです。
彼女は、80歳。ALS(筋萎縮性側索硬化症)の方です。
すでに呼吸器を付けていました。
笑顔のステキな方です。
出会った当時は、右手が微かに、動いて、コミニケーションをとっていました。
次第にアイコンタクトのみとなりました。
側には、いつも、優しいご主人が慣れない介護をになっていました。
訪問看護、介護ヘルパーは毎日。
そして、訪問入浴は、週2回。
介護のサービスの中で訪問入浴を、とても楽しみにして下さっていました。
ある時、気道内圧が高くなってしまい。吸引しても改善されず、急遽入浴を中止せざるを得ませんでした。その時、大粒の涙を流して、悔しがりました。
その一回だけ中止になったけど、多少の熱や、痛みで中止することはありませんでした。
この夏、徐々に病状は悪化していきました。
彼女が体調不良を訴えてからも、入浴だけはドクターの許可を得て、家族の希望で継続されました。
・・・
この日は、最悪な体調でした。
でも、「どうしても、お風呂に入れてあげたい‼」との
ご主人と、お子さんたちの思いで・・・お風呂に入りました。
直前まで、訪問看護師さんが、付き添い。入浴の看護師と引継ぎをしました。
家族の見守る中での入浴。
Oさんは、一瞬穏やかな笑顔になりました。
いつもと変わらないスタッフの会話。
洗髪、洗顔、気切まわりの清拭。
洗体・・・・・・。
いつもよりも、手早く、そして丁寧に・・・
浴槽から、ベッドに戻って、着衣。
バイタルチェック。
いつも通り、気切部のガーゼとベルト交換。胃婁のこより。
お顔に化粧水と乳液をつけて、髪をドラヤーで乾かして。
ポジショニングして終わりました。
その間、Oさんの反応はありません。
呼吸器の規則的な音と、膨らむ胸。
微かにほほ笑む唇。
・・・・
初めて、このような現場を体験した新人が言いました。
「私も、このようにして、家族に見守られながら最期を迎えたい」と
・・・
その次の日の明け方、Oさんは、旅立ちました。
介護の現場から、ALISのお婆ちゃんでした。