はいこんばんは。
皆さん日本語話していますか?
日本語っていいですよね。そりゃ日本人だからってのもあるけど。なんかいいよね。なんだろうね。
まあその日本語を私たちは普段何気なく使っているわけですが。
実は日本語ってもうすごい意味わかんない言語なんですねぶっちゃけて言うと。
ではどういうところが意味わかんないかって言う話を、詳しくかつ雑に説明していくので、まあ気楽な気持ちで見ていってください。日本語への興味をもってもらえたらと思います。言語学、構造主義ガチ勢、ソシュールの生まれ変わりの方は勘弁してください。でも指摘があればぜひ。
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2100。
これ何の数字だと思います?
これね、日本語を運用する上で最低限必要と言われている文字数です。
内約は、ひらがな50文字カタカナ50文字(厳密には48文字ですけどスルーしてください)、常用漢字約2000文字。
あほでしょ。
いやもう狂ってるとしか言いようがないですね。
じゃあ例えばアルファベットだったら25文字とかですよね?ドイツ語とかフランス語もは30文字以内だいたい。ウムラウトとかがあったりするんでちょっと違いますけど。
もし逆の立場だったらどうですか?
文字2000以上覚えなきゃいけないとか、拷問でしょ。
そこら辺が日本語学習の妨げになっている、という話もあるんですけどそれは長くなるんでやめましょう。
あと韓国語と中国語もいきましょう。
韓国語はハングルがすごい組み合わせできて、1万文字以上の組み合わせができるんですけど、実際使うのはそのうちの1000文字ぐらいで、その1000文字も15文字の組み合わせからできるのでそこまで覚えないですね。
じゃあ中国は?と意見もあるでしょう。
なるほど、中国もひどいです。
常用漢字はおよそ2400文字と言われています。ただ、日本人が学ぶ上では共通している漢字が多いので実際は800文字と言われています。実は中国もここまでひどくはないですね。
なんか文字数パワーバトルがインフレしてる気がするけど。
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なんだじゃあ、外国人が学ぶ上では中国語の方が 大変そうじゃんっていう話もあると思います。
ただ一つ言いたいのは中国語は漢字だけですよね?基本的には。拼音(ピンイン)っていうローマ字の表記を使うこともあるんですけど基本的には漢字です、使うのは。
じゃあ日本語は?
わー漢字以外にも100文字あるー
ええ加減にせーよ、と。
国民総出で言語オタなんか?マゾなんか?
しかも、ひらがなカタカナと漢字で文字の性質が違うんですよね。
前者は表音文字といって、文字自体が音を表しています。アルファベットもそれ。
後者は表意文字といって、文字が意味を表します。我らが漢字です。あくまでも意味なので、それを読んでも発音が分かりませんね?
そういう違いがあります。
問題なのはその二つの性質の違う文字が一つの言語に混在しているということ。
もう我々日本人は本能的にそれに慣れすぎていて全然気づきませんけど、どう考えてもおかしいですよね。何で二つ混ざってるねんという。
昔は今ほど情報社会ではなかったので表意文字に結構アドバンテージがあったんですね。
文字にいろんな情報が含まれているから、それが読めればいろんなことが分かると。一種のステータスの証明でもあったわけですね。
現代ではどうしても情報の取得が用意な表音文字の方が、インターネットに対してとても優位性があるので、難しい立場ではありますよね。
読みを確立するのにどうしても変換という作業をしなきゃいけないので、ゴロゴロと言葉の中に石があるような印象を受けます。
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この話結構長くなるんで簡単に言いたいんですけど結構面白くて。
日本人は漢字という字が入ってきた時に、
それを書き下したんですね。
自分たちの言葉として使えるように。
もう一度言います。
わざわざ書き下しました。
そのまま漢字を使ってればいいのに、わざわざ書き下して、しかもひらがなとかいう専用の文字まで開発して。
そういうよくわからない器用さっていうのが日本人の持ち味なんですよね昔から。他国の文化を改造して自分達の糧とする。ほんと面白い民族です。
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ここまでわりと日本語をディスってきたんですけど、まぁこれは愛の裏返しだと思ってください。僕は日本語すごく好きです。
なんでかって言うと、日本語ほど文章表現に優れてる言語はないと思うからです。
そこですね。
まあもちろん、世界には色んな語彙とかいろんな表現っていうのがあるんですけど、 それはね結局いろんな国にいろんな言葉があって日本語だけの表現っていうのもあって、逆に日本語にはない表現というのも外国にあったりするわけで。サウダージとかね。
ただやっぱり、表音文字表意文字が入り乱れているっていうのは欠点でもあり、ものすごいパワーでもあるんですよね。
それだけ表現の幅が大きいということですから。ロマンですよね。
理論上行けるけど実際は机上の空論でやらないみたいな。でもやりましたって言う愛すべきバカ。
ポルシェティーガーみたいな。ドイツの戦車の。
漢字で表現できないことはひらがなを使えばよくて、ひらがなで表現できないことは漢字を使えばいい。そういう柔軟な対応と言うか、思考の切り替えがデフォルトで入っている言語って やっぱりなかなかないと思うんですよね。
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ここまで書き言葉に柔軟性があるとやっぱり翻訳文学っていうのにもかなり対応できるんですよね。
日本の歴史を見てわかる通り、まず書き下しから始まって。
で、その後日本は明治期に外国の文化をすごく取り入れたと。そして、その時に漢字を使って例えば「世界」とか「経済」とか、今まで日本語に無かった概念を取り込んだ。で、西洋の言葉はカタカナで表現して そういう自分たちのものにするっていう、インプットの言語としてはほんとすごいと思うんですよね。
ジェイムス・ジョイスって言う頭おかしい小説家がかつていました。カフカやプルーストに並んで、21世紀で最も問題的な作家と言われていた一人です。
彼はものすごい言語オタクで、世界中の言葉をマスターしていたんですね。
で、世界中の言葉を駆使して作った史上最凶に意味わかんない小説がフィネガンズウェイク。
あらゆる翻訳家が裸足で逃げ出す、文章表現の極みにある小説です。
言葉遊び、タブルミーニング、トートロジー。文章のサラダボウル、読むバーリトゥード、何でもありです。
ピンチョンの重力の虹だって、まだこれほど酷くないよ。読めるんだから。
僕はこれ、高校生の時に過疎っていた図書室の先生にお願いして買ってもらって読んだんですよ。
まあ意味わかんなかった笑
なんだこの表現はって言うね。もう言語として成り立ってんのかってのか、どうなのか、よくわかんないすね。表現の極致を言っている文学です。
しかもこれ原文はもうジェームスジョイスが作った造語みたいな、単語の羅列になっていて一般人は読解できないんですよ。
ただこれを日本のものすごくえらくて頑張った翻訳家の人が翻訳したんですよね。天才翻訳家の柳瀬尚紀氏です。世界に誇るべき方です。
でどうやって翻訳したかって言うとひらがなカタカナ漢字あとルビ、これを駆使しまくって なんとか表現したと。僕は他の言語ではできないと思いますね。そこですごく自分はね日本語に感動しました。
↓に原文と翻訳の冒頭の画像貼っておきます。
日本語。
原文。
すごいわ…。小説ってここまでやっていいんですよ。日本語ってこんなにポテンシャルあるんですよ。
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文学オタクとか言語オタクなんかはよく、「一番難解な言語は?」とか「簡単な言語は?」で議論することがあります。
分かります。僕もやりましたそれ。まあ漫画オタクがジョジョにおいて「どのスタンドが最強か?」とか「バキで一番強いのは公園本部」に近いくらい不毛だけどめっちゃ楽しい議論です。
僕は「文語最強言語」にこの日本語とかいう上級者向けのロマンに溢れたピーキー言語を心から推したい<と思います。お慕いしています。
皆も、もっと日本語楽しもう。
まだまだいけるよ!現代のジョイスが出てきてもいいんだし、その土壌きっとあるよ!
長くなりました。こんな訳わかんねえ文章読んでくれてありがとう!