最新更新:2019/01/16: カロリー計算をしてくれるウェブサイトを追加し、あっちこっち日本語を直しました。
はい皆さんこんにちは。僕は筋トレが大好きです。昔は196cmのナナフシでしたが、現在は女性を振り替えさせる半神です⁰。最近日本でも筋トレに対するイメージが変わってきて男女を問わず多くの方々がジムに通い始めていると思います。しかし、ものが流行ると、その分だけのごみ情報がネットや雑誌などで人を迷わせます。また、流行を利用し、効果のない商品で利益のために人を騙すことまであります。いい情報さえ見つけたら成功できた人はこういったことのせいで失敗し続け、そのせいで自信がなくなる人もいるでしょう。
これは許せないのでこの記事を書くことにしました。文字数の多い記事にはなりますが、これがあなたの理想のボディーになるための食事に関する基礎知識です。
一部自慢のこの画像なのですが、この記事はただのよそから取った情報のまとめではないことという証明にもなるでしょう。
あなとの目標は痩せること(減量)だろうが、筋肉を付けること(増量)だろうが、この記事ではその目標を達成できるための基礎知識を説明します。本当に知らなければならないことだけを説明します。詳細なことを割愛し、将来別記事で書かせていただきます。特に知りたいことがあればコメントで教えてください。
カロリーはエネルギの単位です。カロリーは食べれません。飲食した物の消化で放出したエネルギーです。飲食物に入っているカロリーとなるものは多量栄養素(macronutrients, macros)と呼ばれ、蛋白質・炭水化物(糖質とも呼ばれる)・脂質という三つの栄養素を指します。また、各栄養素の1grが出す熱が違います。
1g当たりに放出熱量:
・蛋白質=4kcal
・炭水化物 = 4kcal
・脂質 = 9kcal
・アルコール=7kcal
減量と増量の全てはここがスタートです。消費するカロリー(あなたが使っているエネルギー)が飲食するものから出るカロリーより少ない場合(caloric deficit)、体が蓄えているエネルギー(脂肪)を使います。つまり、痩せます。過剰に摂取すると(caloric surplus)、筋肉を大きくするため(筋トレをしており、多量栄養素のバランスが良ければ)とエネルギー(脂肪)蓄積のため身体が余った分のカロリーを使います¹。
バナナダイエットとかいう女性向け雑誌によく書かれる訳わからないダイエット方法を大体上記の理論で論破できます。もし効果があったとしても、それは偶然にそのダイエットでカロリー不足が生れたからだけです。「・・・ダイエット」をやめましょう。また、よく聞かれる「すごい筋肉!!一日に何回プロテイン飲んでいる??」という質問とか、「俺、プロテイン飲んでいるぜ」という自慢とかの無意味さもこれで分かるでしょう。(プロテインの話はあとでします)
つまり、痩せるにはカロリー不足を生ませなければなりません。筋肉を付けるには過剰摂取しなければなりません。どのぐらいの不足と過剰摂取かは人ぞれぞれであり、計算する必要があります。詳細のことを省きますが、目安として以下の計算式を使いましょう²。
BMRはBasic Metabolic Rateの略で基礎代謝率という意味。
男性: BMR=(10*体重(kg)) + (6.25*身長(cm)) - (5*年齢) + 5
女性: BMR=(10*体重(kg)) + (6.25*身長(cm)) - (5*年齢) -161
TEE = Total Energy Expenditureの略で総エネルギー消費量という意味。
TEE=1.53³ (これからジムを通いはじめることを前提。行かなかったら1.375にしてください)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
増量:
kcal=(BMR*TEE)+200kcal⁴
減量(太っており、運動はこれから):
kcal= BMR*TEE⁵
減量(既に運動しており、腹筋割れているか割れていないかという程度の体脂肪率):
kcal= (BMR*TEE)*0.9
計算機: https://globalrph.com/medcalcs/harris-benedict-equation-updated-basal-metabolic-rate/ (Current Daily Activity Level は上記のTEEを指します。1.53だったらModerate Activity, 1.375だったらSedentary)
残念ながらカロリーの増減ではまだ話が終わりません。多量栄養素もちゃんとバランスさせなければなりません。カロリーの何%を炭水化物から摂るか、タンパク質を何グラム摂ればいいかなどという話題はよく討論されます。ローカーブ(炭水化物をカットし、その分を蛋白質か脂肪で賄う)や、カーブサイクリング(筋トレの日とオフの日の炭水化物の量を変える)など、数多くのアプローチが存在します。将来の記事で色々と詳しく調べ、それぞれのメリットとデメリットを説明していきたいと思いますが、とりあえず以下のバランスでは結果が出るはずです。
蛋白質(g)=体重*1.6⁶
脂質(g) = 体重*1
炭水化物(g)=余分:
(((1日に必要なカロリー) - ((蛋白質(g)*4)+(脂質(g)*9))/4)
さて、前述の情報をどうやって実施すればいいのでしょうか。
1. まずは目標を決めます。体脂肪率が10%ぐらいになるまで減量しましょう。女性は20%まで減量するといいです。
2.上記の計算式でカロリーと多量栄養素を計算します
筋肉付けたい、男性、98キロ、196cm、26歳。
BMR=(10*98) + (6.25*196) - (5*26) + 5 = 2,080
Kcal=(2,080*1.53)+200 = 3,382kcal
蛋白質=98*1.6 = 156.8g (*4=627.2kcal)
脂質= 98*1 = 98g (*9=882kcal)
炭水化物=(3,382-(627.2+882)/4=468.2g
3. 3,382kcalは目安です。必要なカロリーをぴったりと計算できません。そのため、この数値に従って食事を合わせ、毎日朝起きて、用を足してから体重を計り、記録します。調節の仕方は以下のようにやれば、余計な脂肪を蓄積しません。また、カロリーは多量栄養素の消化によるものなので、炭水化物の摂取を増やしたり減らしたりすることで調節しましょう。つまり、下記の100kcalの増減というのは、炭水化物の摂取を25g程度で減らす、あるいは増やすという意味です。(1gの炭水化物は4kcalなので、100/4=25g)
増量:大体週に100g~200gの増量が普通と思われるようです。(女性はその半分です)初心者はそれ以上増量をみてもおかしくないですが、着実に進めましょう。体重が月に1.4kg以上増えると早すぎる可能性(余計な脂質蓄積)が高く、カロリーを減らすべきです。週に100gの増量を下回ったらカロリーが(栄養素のバランスと筋トレのやり方が大丈夫であるのを前提に)足りません。
カロリーの増減を100kcalずつにしましょう。
減量:週に体重の0.5%~1.0%の減量を目指しましょう。増量と同じく、100カロリー(25gの炭水化物)ずつ調節しましょう。相当の脂肪をお蓄えしている方ならば、もう少し激しくカットしてもいいようですが、正直に言えばこの辺に関する情報収集が意外と困難です。
食事だけではなかなか効果でません。運動は絶対です。筋肉を付けたくなくともウエートトレーニングがもっとも効果的です。有酸素運動とウエートトレーニングのコンビネーションもオッケーです。簡潔に言えば、もっと動けということです。下記の食事のタイミングの話もご一読ください。
ご注意:初期は(最初の1,2週間ぐらい?)体重が予想されるよりも急に増減する可能性があります。例えば、1週間が経って、上記の200gではなくその倍も増量したことに気付きます。あるいは、1週間で1%じゃなく、2%体重が落ちたとします。これは普通です(水分の蓄積やグリコーゲンの消耗のため)。なので、焦ってカロリーを調節せず、3~4週間ぐらい様子を見てから、必要であれば、調節しましょう。これもなんで毎日体重を計る必要があるかの一つの理由になります。
第21世紀なので手書きで何を何グラム食べたかなど書く必要はもちろんありません。MyFitnessPalという無料アプリ(他でもありますが、僕が使うアプリはこれです)で簡単に食べた物とその量を入力すると自動的にカロリーと栄養素が計算されます。そのアプリが勧めるカロリー量と栄誉素のバランスを無視しましょう。
大雑把に言えば、増量をしようとすると(この記事で説明しているいわゆるLean Bulkでも)筋肉と同時に脂質も付きます。体脂肪率が15%ぐらい(女性は24%ぐらい)になったら10%(女性は20%)(以下でも別にオッケですが、一桁ゾーンに入ると脂肪がどんどんおちにくくなります)まで減量をしましょう。こうやって少しずつ進行していくことはビルダー環を呼ぶことにします。
そこまで重要な要素ではないようです。別記事で詳しく書こうと思っていますが、とりあえず常識を使った食事の摂り方をしましょう。僕自身は大体一日に三回食事をしています。筋トレの日は筋トレの前に一回、終わってから3時間以内にもう一回、そして夜の9時ぐらいにもう一回。
しかし、ここ最近痩せるにはカロリーよりインスリンが問題だという研究者が現れました。Jason Fung教授の「The Obesity Code」が良く引用される本のようです。僕はその本をまだ読む機械がなかったのですが、1時間半のFung教授とのインタビューは見ました。Fung教授は、食べると血糖値を下げるためにインスリンが一時的に上がり、それによって体が蓄積した(脂肪)エネルギーの消費を停止するそうです。つまり、食事の回数をできるだけ少なくした方が体が蓄積した脂肪をエネルギーとして使うという理論だと思います。しかし、カロリーと栄養素はどうでもいいという意味ではないとも言っているような感じがします。じゃ何?というと:
やってみても損はないという感じで、特に減量が目標だと、上記の多量栄養素・カロリー量の話に従いながら、余計にインスリンを刺激しないように一日のカロリーを三つの食事に分けましょう。それぞれの食事の間の食欲は我慢します。最初は少しきついかもしれませんが、我慢すればその食欲もなくなります。
もっとガチ勢の方は、いわゆる間欠的ファスティング(Intermittent Fasting (略してIF))という、八時間の時間帯を決めて(短くても大丈夫だけど八時間が最長限、例:11:00~19:00)、毎日その時間帯を守り、その前と後の時間はカロリーを一切摂取しないという食生活です。IFについてを別記事で説明するつもりです。
一日に7~8時間の睡眠をとりましょう。睡眠の力をなめるな。
お茶(甘くない系)、コヒーと水以外は基本毒です。今すぐ廃棄しましょう。たまに飲み会でお酒はもちろん問題ありません。しかし、その日のカロリーをそれに合わせてちゃんと調節しましょう。カロリーさえ調節すれば毎日飲んでもいいという意味ではありません。アルコールが様々な理由で避けた方がいいです。コーヒーはできればブラックで飲みましょう。牛乳もオッケーですが、個人的には乳製品を避けています。お腹が膨張するから気持ち悪くて、僕の場合ガスがめっちゃたまります。
どうしてもたまにコーラとか飲みたかったら0kcalのを選びましょう。
加工食品を避けましょう。経験からの話です。ブラックサンダーの炭水化物はオートミールの炭水化物と同じではありません。ピザの脂質はオリーブオイルの脂質と違います。しかし、ささ身、ブロッコリー、麦ごはんしか食べてはいけないという意味でもありません。常識を使えましょう。(お菓子は食べちゃダメとは言っていませんが、ほどほどにしてください。)
プロテインは英語から来た外来語です。日本語にすれば蛋白質という意味です。つまり、あの水で混ぜる粉は蛋白質です。肉より安いし便利です。それ以上でもそれ以下でもありません。要するに、プロテインを飲むと奇蹟的に筋肉が付くことはありません。また、ポロテインを飲む回数を自慢する意味がありません。自分のニーズに合わせてお使いください。使わなくてももちろん問題ありません。Myprotein.comを勧めます。日本のプロテインが高すぎます。
そこまで気にしなくていいのですが一応言います。プロテインは大体牛乳で作られ、ラクトースも少し含まれています。僕は乳製品に少し弱くて、ラクトースを摂取過ぎるとおならが止まりません。いくらのラクトース摂取量でラクトース不耐の症状が現れるかは人それぞれですが、Whey Isolateなら蛋白質でない成分が大半除かれており、耐性がまじでない人はそれを飲んでみてください。僕は大体一日の蛋白質の20%~30%を普通のホエイプロテインから摂ります。カゼインプロテインもありますが僕は特に理由なくいつもホエイプロテインを使っています。オランダの会社で買っているので日本では手に入りません。
脚注:
⁰ これは冗談です。嫌いにならないでください。
¹ これは実はよく討論される話題です。脂肪を付けず筋肉をつけられるかどうか
² Roza AM, Shizgal HM (1984). "The Harris Benedict equation reevaluated: resting energy requirements and the body cell mass". The American Journal of Clinical Nutrition. 40 (1): 168–82. Harri-Benedict方式(1919)の改善です。
³ スポーツ系部活に所属している人、職業が大工などのような仕事の人、毎日ランニングをしている人などはTEEを1.76にしても大丈夫です。プロ並み水泳選手は2.25です。しかし、過大評価は脂肪蓄積に繋がりますので気を付けてください。
⁴ できるだけ脂肪を蓄えず筋肉を付けたいため、200kcalプラスからスタートし、体重を見ながら少しずつ調節して行くアップローチが良いでしょう。急ぎたい人は一気に400kcalにしても大丈夫です余計なが脂肪蓄積に繋がる可能性が大きくてあまりお勧めできません。
⁵ 太っている人の生活と食生活が乱れていることが多いです。運動し始めること、食生活を改善することで基礎代謝が上がることもあります。また、出来るだけカロリー不足を最小にしたいのです。厳密に言えば、参考した研究はそういった原因での基礎代謝の減少を証明しました。それを直すことで基礎代謝が上がるはずです。
⁶ https://bayesianbodybuilding.com/the-myth-of-1glb-optimal-protein-intake-for-bodybuilders/
この記事を最後まで読んでいただいて本当にありがとうございます。質問や批判などをお待ちしております。この分野の研究が常に進んでいるため、定期的に訂正をします。そのときはコメント欄で発表します。
更新歴:
2019/01/16: カロリー計算をしてくれるウェブサイトを追加し、あっちこっち日本語を直しました。
2018/09/01: 「実施」に初期の体重急変について説明を加えた。
2018/08/28: 食事のタイミングに情報を加えました。また、実施の説明を分かりやすさのために一部訂正しました。