前回は史上最大の昆虫と言われているメガネウラを紹介しました。
当時石炭紀の酸素濃度が35%と非常に高い状態が、生物たちの体を大きくしたと考えられています。
さて今回紹介するのは約3億年前に生息したヤスデの一種“アースロプレウラ”。
石炭紀を生きたモンスターをまたひとつ見ていきます。
アースロプレウラ
アースロプレウラの化石は英イングランド北部ホウィック湾の砂浜にて、大きな砂岩が落下したことによって発見されました。
落下した衝撃で化石が露出し、そこをたまたま通りがかったケンブリッジ大学地球科学部の元博士課程の学生が通りかかったことで発見されました。
大きさ
調べてみると、多くの間接からなる外骨格や肢の付き方など、現在のヤスデと大きく変わっていませんでした。
しかし驚くべきはその大きさです。
化石断片の長さは約75㎝、幅は55㎝もあり、他の同類の化石と比較して推定される全長はなんと2.6m以上とされています。
それまで約2.5mを誇ったウミサソリの一種イェーケロプテルスを越え、史上最大の無脊椎動物になりました。
生態
発見当初は水中で生活していたと考えられていたアースロプレウラですが、足跡の化石や肢の付け根の構造から硬い骨格をもって地上を徘徊していた可能性が高いとされています。
そんなアースロプレウラですが食性は謎に包まれいます。
かつては脱皮後の化石と一緒に植物が発見されたことから、植物を多く食べていたと考えられていました。
しかしそれは脱皮後の殻に植物が紛れ込み一緒に化石になっただけで、決定的な証拠にはなっていません。
さらに身体をそこまで大きくするには酸素濃度だけでは説明ができず、栄養価の高い食べものを大量に摂取しないとされているため、植物以外にも節足動物などを捕食していたと考えられています。
現段階では推測の域を超えることができません。
今後化石発見による口器の分析が進めば主な食性や生活場が明らかになっていくことが期待されています。
終わり
謎に包まれた超巨大ヤスデ……。
現代にいなくてホッとしますね。
ちなみに現在最大のヤスデは、アフリカ南西に生息するアフリカオオヤスデです。
最大で30cmを越える巨大種で、落ち葉やキノコ腐った果実など大体なんでも食べて分解してくれる掃除屋です。
人体に影響があるような毒はありませんが、怒ると青酸やヨードを含む液を出して身を守ります。
この液が凄い臭いらしいです。
ムカデと違って噛んだりもしませんが、触るときは優しく触りましょう!
あと記事には関係ないですが、現在何故か誰にも投げ銭ができません。
治ったら改めて記事を拝見して投げ銭します!