さて、今回も健康についての研究紹介!
自分が恐れている病気の筆頭“アルツハイマー”と、それに関する睡眠についてのお話です。
やはり深い睡眠こそが大切なのだと気付かされます。
参考記事)
・There's One Critical Thing We Can All Do to Keep Alzheimer's Symptoms at Bay(2023.5.11)
参考研究)
深い睡眠は、アルツハイマー病に関係のある、脳の健康状態の緩やかな低下を防ぐ可能性があることが分かってきました。
米カリフォルニア大学、スタンフォード大学、カリフォルニア大学の研究者らは、62人の高齢の認知的に健康な成人を対象とし、眠りとアルツハイマー病に関連する脳の変化や記憶力について分析しました。
アルツハイマー病関連の予兆があり、十分な深い睡眠が取れなかったグループは、そうでないグループと比べて良い成績を収めることができませんでした。
これは教育や身体活動と関係性を除外しても一定の効果が現れており、十分な量のしっかりとした睡眠をとることが、認知症の初期段階の記憶力の低下を改善もしくは緩やかにする可能性があることを示唆しています。
研究の注意点としては、睡眠不足はアルツハイマー病の危険因子であると同時に、症状でもあるため、原因と結果を区別するのは困難なことが挙げられます。
また、今回の研究は、睡眠が妨げられた人の脳内に、アミロイドβタンパク質が蓄積していることを発見した研究を反映しています。
アミロイドβタンパク質は、アルツハイマー病の兆候にすぎず、根本的な原因ではない可能性があります。
それでも、アミロイドβタンパク質のレベルはアルツハイマー病のマーカーとして一般的に使用されており、蓄積のレベルが高いほどアルツハイマーの症状が現れることが分かっています。
カリフォルニア大学の神経科学者マシュー・ウォーカー氏の過去の研究では、高齢者の脳内でアミロイドβが大量に凝集すると、ノンレム睡眠と呼ばれる深い睡眠が妨げられ、記憶機能が損なわれる可能性があることが分かっています。
しかし、一部の人々は、アミロイドβのレベルが比較的高い場合でも、アルツハイマー病に伴う衰弱を食い止めていることも報告されています。
この理由を解明するためにウォーカー氏は、参加者の睡眠中の脳波を監視し、翌日に記憶力テストを受けるように依頼しました。
脳のスキャンによって高いレベルのアミロイドβの沈着がある人々は、深い睡眠を取れたかどうかが認知機能に決定的な違いをもたらしている結果が見られました。
高いレベルのアミロイドβが凝集している場合、深い睡眠を増やすことで認知機能の維持に役立つかどうかを調べるには、高齢者を対象とした長期的な研究が必要です。
今回の研究では、睡眠がアルツハイマー病の修正可能な危険因子である可能性を示唆する多数の研究に、有力な情報として追加されるものです。
睡眠は日中に蓄積する老廃物を浄化するきっかけを与えるものであり、分子変化を未然に防ぐ可能性は十分考えられます。
また、そうなる場合、より効果的にアルツハイマーの症状を防ぐには、睡眠の質が重要であることが強調されています。
深い睡眠を得るコツとして、以下が紹介されています。
・睡眠薬を使用しない
・日中には運動をし、太陽の光を浴びて活動的に過ごす
・夕方以降はコーヒーなどカフェインを含む飲み物を飲まない
・寝る前にデジタルなものを避ける
・就寝前に熱めのシャワーを浴びて体を温める
……
カリフォルニア大学の神経学者ゾフィア・ザベツ氏は、「こういったライフスタイルが、アルツハイマー病への信仰を示す分子変化への影響を緩和するだろう」と述べています。
・ノンレム睡眠(深い睡眠)が記憶機能の維持向上に優位な効果が示された
・年齢、性別、BMI、灰白質萎縮、および教育や身体活動などの要因を考慮しても効果的
・深い睡眠によってアルツハイマー病の進行を遅らせることが可能であることが示唆された
以上、深い睡眠とアルツハイマー病の関係についての研究でした。
人は、人生の3分の1を睡眠に費やすと言われていますが、睡眠の質を高くすることは、健康的なままでいるために重要な習慣だということですね。
自分も世の中のデジタル断ちというものがなかなか難しく、寝る直前までPCと向き合うことが多いですが、今後のことを考えると改善していった良さそうです。