今回紹介するのは、超能力と称したペテン師の嘘を暴いてきた科学者が主人公の映画「レッド・ライト」です。
かつてはスプーン曲げも超能力の一種としてもてはやされた時代がありましたが、実際にはテコの原理によってスプーンが曲がるという物理現象であることが分かっています。
現在でも念力やテレパシー、予知や死者との対話など、人智が及ばないとされてきた超能力の数々を主張する者、そしてそれらは何かしらのトリックや演技であると疑う者がいます。
この映画もそんな“疑う人”にフォーカスしたストーリーとなっており、作中の超常現象の裏にはどんなカラクリがあるのかを暴こうとします。
それではあらすじから……。
科学者のトムとマーガレットは超能力や霊能力を自称するペテン師たちの正体を暴いてきた。
ある日、伝説の超能力者サイモン・シルバーが復活を遂げると知ったトムは彼を調査すべきと主張する。
しかしマーガレットはそれを強く止めるよう彼に言う。
そんな彼女の忠告を無視したトムは単独でシルバーへと近づいていくが、そこには予想もしない展開が待ち受けていた……。
この映画の方向性に似たように、疑似科学を暴いた事例として有名なのは、ジェームズ・ランディによって行われた“プロジェクト・アルファ”です。
ランディは15歳のとき教会が行った“降神術が本物でないことを暴く”と、それを受け入れることができない大人たちから「神聖な場を汚した」として訴えられ、拘置所に4時間ほど留置されてしまいます。
このことがきかっけで彼は、イカサマ心霊術師やウソを撒き散らす疑似科学者たちに対し一生をかけた復讐を誓います。
1970年代、超常現象を信じるジェームズ・スミス・マクドネルは超能力研究所を研究所がありました。
ランディはこの研究所の所長に対し、イカサマでないことを証明するために「一度の実験に一つの対象物のみを使うこと、使用した対象物に印をつけ、類似の対象物とすり替えられないようにすること」など超能力を証明するための提言を行いました。
必要であれば無償で実験の監視をするとも申し出ましたが、結局それらの提言は無視されることになります。
あるとき彼は2人の訓練されたマジシャン、マイク・エドワーズ(18歳)とスティーブン・ショー(17歳)を研究所に送り込みます。
2人は金属を曲げたり念写やテレパシーなどの実験を行い、あたかも超能力を持っているように振る舞いました。
研究は3年間続きましたが、研究所のスタッフは彼らのパフォーマンスが手品であることを見抜くことはできませんでした。
1983年に彼らは自分たちがマジシャンであることを暴露し、その2年後に研究所は閉鎖されることになりました。
これがプロジェクト・アルファです。
今回の映画もこのような超能力に立ち向かう科学者のお話なので、興味が湧いた方はぜひ!