今回の映画は「ミスト」という映画です。
ある日街を襲った異常事態が招く、SFモンスターパニックものの映画です。
後味が悪い映画の筆頭でもありますが、自分的にはかなり好きな作品です。
(ネタバレあり)
ストーリー
木をも薙ぎ倒す嵐が去った次の日。
主人公のデヴィッド一家は、家の周りの被害を確認していました。
すると山をも覆う霧(ミスト)が突如として現れます。
前にもあったと気にもしない様子のデヴィッド。
この後食料や修理の材料を買うため、隣人のノートンと自分の息子を連れてホームセンターへ。
道中、霧がかかっている山へ向かう軍の車両に遭遇。
不思議に思いながらも、UMAや秘密基地についての冗談を言い合いう二人。
買い物を済ませるも、防災用のサイレンが鳴り響き、ホームセンター内には軍の兵士の姿も。
「霧の中に人がさらわれた!」
「ドアを閉めろ!」
と慌てた様子で店内に一人の老人。
数メートル先も見えない霧が街を包み込んでいきます。
(ここからが映画ミストの始まりです。)
霧に包まれた瞬間、激しい地鳴りと地震が店内を襲います。
店員も客も、事の重大さに気づき始めます。
それ以上の異変はなく、外にさえ出なければ店内はとりあえず安全…。
しかし子どもを家に置いてきた一人の母親は、周りの静止を振り切って外へ出ていきます。
他の人々は、店内で軍が助けに来るのを待つことに決めました。
デヴィッドや店員達は息子にかける毛布を探したり、発電機の様子を見たりと店内を見回っています。
すると主人公デヴィッドは、倉庫のシャッターに異変があることに気づきます。
デヴィッドが
「シャッターを開けるのはよせ」
と制止するも、
「どうせ何もいやしない」
と高をくくる生意気な店員。
イキりついでにシャッターを開けると…。
案の定そこには、謎の怪物の触手が。
必死の抵抗虚しく、店員は霧の中へ呑まれていきます。
デヴィッドが怪物の去り際に一死報い、触手の一部を切り落とします。
倉庫であったことを報告するデヴィッドと副店長(真ん中のお店の店員)。
当然、化物がいたことなど信じてもらえず、店内を不穏にさせるなと怒られる始末。
デヴィッド達は、
「自分の目で確かめろ」
と信じない人達を触手のもとへ連れて行きます。
倉庫には、確かにそこにある化物の一部。
しばらくすると、倉庫に確認しに来た人たちの目の前で、霧となって消えてしまいました。
ようやくことの重大さを理解した人々は、バリケードを作ったり神に祈ったりと自分がやるべきことに向き合い始めます。
中にはまだ信じない人もおり、
「ただの災害だ、助けを呼んでくる」
と外に出てしまう輩も。(隣人のノートンもそのひとり)
このワイルドなおじさんは、
「ショットガンと弾を取ってくる」
と言い、念のため腰にロープを巻いて車まで行くことに。
地を這うはずのロープが何故か浮き上がっています。
どうやら空中戦を繰り広げている模様。
ダメでした。
店内は騒然、パニック状態です。
そして店内にいたはずの軍人はというと…。
イチャイチャしてました。(腹立つ~)
割愛。
夜になり、最低限の明かりが灯ります。
すると…。
明かりに反応し昆虫型の怪物も現れました。
更にその昆虫を補食する別の生物も。
パニックになり照明を点けてしまう人も。
さらに明かりに引き寄せられ、虫が大量に集まってくる始末です。
窓も割れ、数匹の怪物が店内に侵入していきます。
襲われる者もいれば、戦うものもいる。
ここで多くの命を失います。
戦いの中、重度の火傷を負った青年。
痛みのあまり、
「ひと思いにやってくれ」
と頼みます。
デヴィッドは、
「それはできない」
と店を出て、隣の薬局にあるはずの薬を取りに行くことに。
しかしここで邪魔が。
信仰深い信者が、
「外に出ることは魔物を刺激し神の怒りを買う」
とデヴィッド達の行く手を阻みます。
「傲慢さが神の怒りを買った」
「お前たちのせいで襲われる」
などと言いたい放題。
信仰の行き過ぎが空回りし、悪影響を与えているように描かれています。
そこに待ったをかけたのが、おばあさんの投擲。
「悪い奴には石を投げるのよ」
と聖書の一部を引用しながら主人公の出発をアシストします。
(かっこいいおばあさんです。)
薬局突入部隊に軍人やおばあさんも加入し、死を覚悟して店を出ます。
薬局までは無事に進むことができたデヴィッド達。
しかし中には、蜘蛛か何かの生物に襲われたであろう形跡が。
微かに息のあった軍人(MP)は、
「何もかも俺たちのせいだ」
と意味ありげな言葉を残して無残な死に方をしました。(詳しくはご自分で…)
直後、巨大な蜘蛛の姿をした怪物も現れ、交戦状態に。
ここで副店長の射撃術が活躍。
最初はヘタレキャラとして描かれていた副店長がガンガン怪物を倒していく様は痛快です。
複数の犠牲者も出た中、生き残って店内の戻ることができた主人公達。
しかし火傷の青年は処置の甲斐なく死んでしまいます。
そんな時、信仰深いあのおばさんは、
「神の怒りを鎮めるためには生贄が必要」
と店内の人々に説いています。
主人公達は店内も危ないという結論に達し、店を出ていくことを決意。
その前に薬局で死んでいった軍人(MP)の「俺たちのせいだ」という言葉の謎を解いてから行くべきだと、店内にいたイケメン軍人を問い詰めることに。
しかしイケメン軍人は「何も知らない」と必要な情報を聞き出すことができません。
ならばと、店内にいるはずの他の軍人を問い詰めることに。
しかし蜘蛛の怪物にやられた話を聞いた彼らは、目を離している間に自ら首を吊っていました。
何かを隠してると確信した人々達。
イケメン軍人は、軍が異次元を観察する方法を研究していることなど、知っていることを吐きました。
信仰おばさんは彼を「裏切り者のユダ」と称し、神の生贄に捧げることを決定。
リンチされた挙げ句、外に放り出され怪物の餌食になってしまいます。
その夜、皆が寝静まった頃に主人公達は店を出ることに。
しかし信仰おばさんがそんなこと許すはずもなく、挙句の果てには
「子どもをよこせ」
「もっと血が必要」
と理の通らない要求を主張します。
息子も自分もやられまいと抵抗する主人公達。
乱戦の中、副店長の一発が信仰おばさんに命中。
唖然としている状況を武器に、外へ出ることに成功します。
なんとか車までたどり着くも、副店長まさかのリタイア。
イケメン軍人を殺したであろう、甲殻型の怪物にやられてしまいます。
すぐに車に乗っていれば助かったかもしれませんが、デヴィッド達のためにドアを開けて待っていてくれたことが仇となりました。
なんとか車に乗り込むデヴィッド達。
副店長が残した銃も一緒に脱出成功です。
家に戻るも、妻は無残な姿に。
デヴィッドが深く肩を落とします。
このまま進めば霧を抜けられるかもしれないと、微かにすらない希望を胸に車を走らせる一行。
最後の最後に出た怪物はこれ。
数十メートルはあろう巨体の異生物の姿に、この先生き残る希望も失った様子の主人公達。
「できる限り努力はした」
という老人達の声に、皆悟った表情。
残った弾丸は4発分。
車内の人数は5人。
デヴィッドは
「俺はなんとかする」
と言い事に及びました。
最後には怪物の鳴き声であろう低い地鳴りのような音がして、物語は終わりを迎えます。
だったらまだ悲しい物語で終わり。
まだ割り切れます。
しかし、ミストの後味が悪いと言われる所以はここからです。
地鳴りと共に現れたのは、怪物ではなく装甲車。
デヴィッドが車から出たとき既に、霧の異常事態は解決に向かっていました。
物語の序盤にひとりで出ていった女性も、子どもたちと共に助かった様子。
主人公にとっては何もかもが手遅れでしたが、世界は救われた。
そんなお話がミストという映画です。