この記事では、元谷拓氏が著した“誰も知らない帝王学”を参考に、知っておくと人生で役立つ考え方をまとめていきます。
帝王学とは、伝統ある家系や家柄など特別が立場にある人が、その立場に相応しい能力を養うものの総称です。
正確には帝王学という学問があるわけではありませんが、貞観政要や孫氏の兵法などの古典はもちろん、偉人の伝記や作法書など諸々を含めて帝王学とされています。
本書からも、世界の様々な歴史から得られた人格者として生きるヒントが諸所に見受けられます。
記事を通し、そんな特別な人格教育の一端を知っていただけたらと思います。
今回のテーマは“即行動する人、後回しにする人”です。
【誰も知らない帝王学より 抜粋】
上司から3日以内に仕上げて欲しいという資料作りの仕事を頼まれたとき、即着手し、最速で20〜30%程度を仕上げ、方向性が間違っていないかを上司に相談し、作業確認できる人が、仕事のできるひとです。
今は忙しいので、後で時間をかけて考えて、完璧なものにしようと締め切りギリギリに提出したら、アウトです。
独りよがりに未熟な判断の結果、もし、上司の望むものと方向性が違っていて、そこから直しが発生したなら、締め切りには間に合わなくなります。
部下に気を遣った上司が、3日の猶予を与えたものの、本当は今すぐにでも欲しい資料だったとしたら、どうでしょう。
イライラさせて、上司の時間をさらに奪うことになります。
即行動する人は、前向きな言動を意識します。
後回しにする人は、「今は忙しい」という理由に逃げて、重要なチャンスを逃します。
韓非子では、人民のことを、少しの苦しみが後々大きな利益に繋がることが分からない愚かな存在としています。
やらなければならないことがあるというのはストレスです。
そのストレスを避けるために、後回しにできるならとりあえず今やらなくていいという気持ちも理解できます。
それは人間の本能とも言えるでしょう。
しかし、本能的に多くの人間がそのように行動するからこそ、それに逆らい仕事をこなす人が評価されるということでもあります。
即行動する人と後回しにする人との差は、そこにあると考えます。
これは何も、他人から命じられた仕事や他者からの依頼に限った話ではありません。
ダイエットや筋トレ、コミュニケーション能力などにおいても同様のことが言えます。
食事を制限する精神的負担や、トレーニングによる身体的な負荷、自分の主張をするのではなく相手の話を黙って聞くことなど、シチュエーションにおいて様々なストレスが発生します。
どれも目の前の快楽を追ってしまい、最終的には色んな苦しむ未来が想像できますね。
では、そう言ったストレスに対して即対処するにはどうしたら良いか。
それは最初の一歩目に全力をかけること、そして少しでも行動した自分を褒めることです。
仕事を依頼されたら少しでも進めてみると、次に取り掛かる際のハードルが下がる上に、全体の見通しが立てやすくなります。
筋トレならばまず3回だけでも腕立てをする、ジムに行くならトレーニングをしようと考えるのではなくジムに足を運ぶことを目標にしてみるなどです。
その上で、少しでも行動できた自分を褒めることで、だんだんと脳がストレスに対して耐性がついたりします。
そういった忍耐した自分を自覚することで脳を騙し、困難を楽しめるようにもなるのです。
ストレスを楽しむというのも即行動できる人の秘訣と言えますね。