今回紹介するのは“アーケオシリス”です。
哺乳類の祖先である単弓類に当たり、知られている限り最古の単弓類として知られています。
この記事では、まずはアーケオシリスに触れ、後半にて単弓類と双弓類についてまとめます。
アーケオシリス
アーケオシリスは石炭紀に生息した全長60㎝~1mほどの生物です。
ちょっと大きなトカゲのような姿をしていたとされ、同期に反映していた原始爬虫類よりも顎が大きく開き、また噛む力も強いとされています。
当時繁栄していた小型の昆虫や原始爬虫類など豊富な餌が主な標的だったと推測できますね。
カナダのノヴァ・スコシア半島にてフウインボクという植物の中で彼らの化石が発見されました。
石炭紀に栄えたシダ植物であるフウインボク。
この木が朽ちると中が空洞になり落とし穴のようになります。
そこにアーケオシリスなどの生物が入ってしまい、出られなくなった末に餓死するという事件があったようです。
そうして風化を逃れた生物が化石として後世で発見されることになります。
他にもヒロノムスやペトロラコサウルスなどの原始爬虫類などが同じような罠にハマって化石化しています。
現代でも雪山のクレバスなどの天然の落とし穴が存在しますが、太古の昔には生活の中に落とし穴が存在していたのですね。
怖や怖や……。
単弓類
単弓類には頭蓋骨で見たところの目の後ろにある側頭窓(そくとうそう)という穴が左右一対空いているという特徴があります。
穴が一対の場合は単弓類、二対の場合は双弓類、穴が無い場合は無弓類と分けられています。
この側頭窓があることで頭部の軽量化や筋肉の収納ができるようになったとされています。
収まる筋肉量が多くなったことから、側頭窓が無い種類の生物よりも咬合力が増し、生存戦略において有利に立てたと推測されています。
また単弓類は石炭紀から次の世代のペルム紀にて繁栄しましたが、ペルム紀末期の大量絶滅によって数を大幅に減らし、中世の恐竜たちの台頭によって絶滅したとされています。
しかしその生存の過程では哺乳類に進化したものも現れ、その血筋は現代も脈々と受け継がれています。
ちなみの双弓類は、現代の鳥類や爬虫類の大部分を占め、ワニやヘビ、カメなどの14,000種以上の多様な生物に進化しています。