第七十五段
つれづれわぶる人は、いかなる心ならん。
やることがなく暇な人というのは、どんな気持ちなのだろう。
まぎるゝ方なく、たゞひとりあるのみこそよけれ。
心が乱されることなく、ただ一人でいることは良いものだ。