この間カラオケで、映画『サウンド・オブ・ミュージック』の劇中歌、"Climb Ev'ry (=Every) Mountain"を歌ってみたのですが、この曲の邦題が「すべての山に登れ」になってるんですよ。
それをきっかけに、"All"と"Every"のニュアンスの違いを考えてみました。
なお、"All"は可算名詞にも不可算名詞にも使えますが、本稿では可算名詞を前提にします。
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"All"は、総数が分かっている、もしくは範囲が分かっている物に使うようです。
"Climb All the mountains in Hokkaido"→北海道にある「すべての」山に登れ(実際、何個あるかは知りませんが...)。言い換えれば、Allで指定する物は、コンプリート(山でいうと踏破?)出来る、という事になるでしょうか。
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一方、"Every"の次に来る名詞は単数系である必要があります。この後の説明を容易にするために、仮に"Every 〇〇"としましょう。このニュアンスとしては、ちょっと長いですが、「この先、いつ、どこで、どんな〇〇に直面するかもしれないけれども、その都度」って感じですかね。〇〇の総数や範囲は、分からないか、全く意識していないかのどちらかです。
話を"Climb Every Mountain"に戻します。この曲が歌われるのは、修道院の外の世界で知った恋心に戸惑い、修道院に戻ってきたマリアに対して、修道院長が「この先、どんな山(困難の暗喩)に行く手を阻まれても、その都度登り切って(乗り越えて)行きなさい」と、修道院を出て愛に生きる事を勧めるシーンです。マリアの前途に「山」が何個あるかはわかりませんよね。
大げさな訳をもう少し続けます。"Everyday / Every day"は「この先何日生きる事ができるかわからないけど、一日一日を」になり、"Everybody!"って呼び掛けは「今この場に何人いるかわからないけど、一人一人に聞いてほしいんだ」になりますでしょうか。
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"All"と"Every"のそれぞれの特徴を持つのが、"Each"になります。"All"同様に総数が分かっている中で、その中の各個を表現するのに、"Each 〇〇"という表現が使えます。文法的には、"Every"同様に〇〇は名詞の単数形になります。一方、"Each of us"という、複数の中の1つ1つという使い方もあります。
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以上、自分の見解を書き残してみました。