皆さんこんにちは。
昨日、タイムリーにもPower Ledgerの記事がALISに掲載されましたね!
"このトライアルの目的はコミュニティに、余剰電力をP2Pで売却することで発電をする消費者が再生可能エネルギー投資をマネタイズ化し、現在の電気代をより安くすることができるシステムを提供することです"
※P2Pってピアツーピアの略語で、"個人同士"、みたいな意味です。
私もテレグラムに参加しました!
タイムリーなので、今日はPower Ledgerと関西電力の実証を中心にお届けしたいと思います。
(前回記事:電力革命とブロックチェーン)
前回記事で、電力市場も分散型に移行する、という話をしましたが、ちょっとわかりづらいのでお絵かきをしてみました。
いきなり画伯タイムですよ!
今まではこんな感じで一方向↓
それが、こんな感じになる↓
わかりやすい、よね?
いやぁ、線を引くってめっちゃ難しいな!?
まぁとにかく、
なんかプレイヤー増えそう、取引めんどそう!ですよね?
これはスマートコントラクトの出番では!?って感じしませんか?
うん、するする。
というわけで、冒頭話をしたPower Ledger×関西電力が出てきます。
これ簡単にいうと、太陽光発電等持っている個人同士で電力売買を可能にするってもの。
オレンジのとこね↓
以前の記事でも触れましたが、今はFIT制度というのがあって、おうちの太陽光発電で発電した電気は全部、関西電力のような電力会社が結構いいお値段で買い取ってくれます。
でもこの制度は今後なくなっていくんです。
制度がなくなった時「太陽光を自分のお家で使って自給自足しよう!」って人が多くなると思うんですが、太陽光発電はコントロールが難しい。
お出かけ中に発電されても消費できない!
→じゃあその時間に電気めっちゃ使うお隣さんに売っちゃおう。
こんな感じです。
ここで一つ覚えておいてほしいのは、P2Pで取引をするって言ったって、本当に電気がP2Pで送られてくるわけではないということ!
インターネットだと、AさんからBさんにメールを届ける、といったピンポイントの送信ができますよね?
電気はできません。
電線の中を超絶速いスピードで行き交っている電気を、その時接続した人が使っている感じなんですね。
水道に近いと言ったらわかりやすいでしょうか?
みんなが使っている電線の中を伝わってくるので、Aさんが流した電気はBさんじゃなくてCさんやDさんが使っているかもしれないんです。ただ、こういう実証に参加する人数が増えて地域一帯で調整ができるようになると、全体として最適化の効果が出てくるはずです。
余った電気をその時必要な人が使ってくれたら、いい社会になりそう。
シェアリングエコノミーに似てますよね?
ところで、なんで関電はこんな実証やろうとしているんでしょうか?
普通に考えたら、電力会社を介さないサービスなんてやりたがるわけもないし、電気たくさん使ってもらった方が電力会社は儲かるわけです。
なんのメリットがあるんでしょうか?
ここからは完全に私の推測なので、内情に詳しい方はコメントいただきたいんですが、、、3つあるかなと思っています。
① 地産地消による送配電線負荷低減?
前回お話した通り、太陽光入れまくると送配電線が不安定になります。
電力会社って、
「この町はこれから数十年で電気このくらい使うから、ここに発電所作ろう」
とか結構大変な思いして設計していたりします。
そこに、ミニ発電所がじゃんじゃかできると
「いやいや聞いてないっす!」
ってなるんですね。しかも今までは一方向だった電気の流れが、消費者側からも流れるようになりコントロールがどんどん難しく。。
(逆潮と言ったりします)
でも、地域一帯でバランスとって、地産地消してくれたらなんか助かりそうじゃないですか?
② ビリングによる顧客維持?
もう一つは、この仕組みの料金請求回収部分を関西電力がやるんじゃないかなぁということ。これは具体的な話を見ないと全然わかんないので、まったく違っていたらすいません(笑)
でも、関西電力管内の皆さんがこういうP2Pのサービスを使うとしたら、日本円でほしい方がほとんどじゃないかって思うんですよね。
そうなると、関西電力さんがビリングの部分を代行してあげることで、長く関西電力のお客さんになっていてね、ってこともあるのかなと思うのです。
関西電力管内にも、J:COMさんとかライバル企業がいますからね(笑)
③ アグリゲーターとしての立場獲得?
最後に、今後は個人宅のP2Pだけでなくいろんなプレイヤーが入ってきます。
画伯の絵にも何かいっぱい出てきたよね?
EV車だってプレイヤーになるし、蓄電池も。さらに、今は電力足りないから省エネしてくれたらインセンティブつくよ、っていった仕組み(デマンドレスポンスって言います)もどんどん増えてきます。
こういった仕組みの、元締め的な立ち位置を狙っている、ってのはあるかも。
もちろん、Power Ledgerあるから中央集権的なのいらないよって話はありますが、少なくともこのサービスの
・システム設計
・プロモーション
・ビリング
を主導する企業はしばらく必要です。その後、みんなで共有する仕組みになっていく、というのはあるかもしれませんが。
電力会社からサービス会社へ。
そんな展望があるんじゃないかなぁ。
これら3点は、MALISの妄想です。
日本を支えるインフラ企業として、効率的な社会構築に向けて真剣に取り組んでいる側面もあるでしょうし、ブロックチェーンの知見蓄積に向けて取り組んでいるというのもあると思います。
ただ、関電は民間企業なので、どういうビジネスの展望を描いているのかは気になりますね。
もう一つ、この妄想はPower Ledgerが提携する先が関西電力のどの部門かによっても異なってくるでしょう。
というのも、日本の電力市場は”自由化の波”を迎えているからです。
と、思ったことを書いてみました!
繰り返しになりますが、この辺りは私も内情を全然知らないので憶測です。
直接お話を伺いたいところですね。
次回は日本の電力市場が今どう変わってきているか、見ていきましょう。
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