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電力革命とブロックチェーン

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  • MALIS
  • 2018/08/28 23:24

皆さんお元気ですか?

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全く繋がらなかった

イエローストーン国立公園でネット断ち生活をしたMALISことマリ、反動で帰ってきてからずっとネット見てます。

インターネット、大好き。


さて、今週はついに再生可能エネルギーのお話。

この記事を書こうと思っていたら偶然こんなツイッターを発見。

そうそう、電力×ブロックチェーン、
面白いんですよ。

このツイートで紹介されているPower Ledger以外にもブルックリンで実証を行っているLO3 Energy、以前NAOTTAさんが紹介していたSunContractに、ElectronNPower、、、
と再生可能エネルギーにブロックチェーンを応用しようとするサービスが多く出てきています。

では、なぜ再エネなんでしょうか?


いつものごとく、再エネって何ぞや、何が市場の課題なのか、背景から見ていきましょう!



1. 再エネってなんだ?

そもそも再生可能エネルギー(以下、再エネ)って何を指すんでしょうか?

いま日本で再エネというと、

・太陽光
・風力
・地熱
・小水力
・バイオマス

を指すことが多いです。小水力は小さな水力発電(1MW以下)のこと。


あれ、普通の水力は入ってない?

はい。実は水力発電を再エネというかは難しく、再エネに含めないまたは別掲の場合があります。環境負荷が高いし、これから積極的に増やすものではない、という考えがあるためです。


さてさて、ご存知の通り気候変動問題(温暖化・寒冷化)への対策もあって世界的に再エネの導入が加速しています。

日本も例外ではありません。以前の記事でも説明したFIT制度により再エネ比率がぐっとあがりました。


2. いい話のみ?なわけない

中でも一番伸びたのが太陽光発電。

太陽光発電って、設置が一番簡単ですぐ始められるんですよね。初期コストもあんまりかからないし。コスト発生から利益が出るまでが短いほうがそりゃ投資する人も安心です。

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しかし、ここで太陽光発電のダメな面も見ておきましょう。
というのも、再エネ関係のブロックチェーンのほとんどが太陽光に焦点をあてているから。


太陽光は、外観が悪いとか、森を切り崩して太陽光設置した!とか色々あるんですが、電力業界という意味で大問題だったのは不安定さ×地域の偏り


まず太陽光発電ってそもそも不安定。

昼間のお天気な時しか電気作ってくれない"気まぐれ野郎"ですからね。

なので、太陽光単体100%で発電します!ってのはちょっと難しくて、他の発電を組み合わせたりバックアップをとったり蓄電池置いたり、、、と色んな工夫がされています。


もう一つの問題は、地域によって向き不向きがあるってこと。

太陽光発電に投資するなら、太陽が照っている時間が長い場所を選びますよね?


どう見ても北海道より九州でしょ?


というわけで、九州にこの不安定な太陽光発電の投資が集中、お昼間だけめっちゃ発電することになった。一方、お昼ってみんな会社行っててあんまり電力つかわなかったりするんですよねー。。。

これが大問題に。

電力がちゃんとした電圧で送られてくるのは、需要(電気使う)と供給(電気作る)のバランスをとる"需給調整"がばっちり出来ているからであって、崩れちゃうと最悪停電が発生します。

今の日本で停電発生したら死者でます。

これは大変だということで
「もうこれ以上は九州で太陽光はだめ!」「いやまだいける!」
なーんて議論が盛り上がっていたりするわけです。

(背景には悪徳業者さんがいたり、色々あるんですがまぁこんな感じです)


この問題は、なぜブロックチェーンが活用できるのか?に関わってくるので頭の片隅にでも置いといてください。


3.電力革命、自律分散へ


一方、太陽光発電は電力市場に"革命"をもたらしました。


これまでの電力市場は、大きな発電所からみんなのお家に一方向に電気が流れる中央集中管理型でした。これが、個人でも簡単に投資できる太陽光が出来たことで誰でも発電所時代がきたのです。


うん?なんかデジャブ?

そう、インターネットができて、"プロシューマー"って言葉が出てきたときに似ていますよね?

今後は、発電する人と消費する人の境界は曖昧になり、分散型の電力市場になっていくかもしれない、いやそうなるべきだ!、というのが数年前からよく言われていること。大きすぎる電力網より小規模な電力網が少しずつ繋がっていたほうが、災害とかあった時も強そうですよね?

特に、東日本大震災以降はこの"自律分散型""レジリエント"な電力市場の話がよくされるようになりました。

いやぁ、アツいですね。


さて、みんなが発電の力を持つと、一つ解決すべき課題が生まれます。

「誰が個人の電力の売買を見るの?」

そうですよね、個人間だとこれまでと取引規模も違うし、売買も複雑になるし、果たして既存システムで対応できるのか?


というわけで、ブロックチェーンが登場してくるのです。



はーい、今日はここまで!

書きたいこと書いたら背景で終わっちゃったいつものパターンですが、次回からは具体的なプロジェクトを見ていきましょう。

(次の記事:関西電力がブロックチェーンでP2P売買に取組むわけ



再エネはもう語ることが山のようにあるので、皆さん聞いてみたいことがあればツイッターかコメント欄に残していってください

可能な限り反映します。


◆このシリーズ

1.電力革命とブロックチェーン

2.関西電力がブロックチェーンでP2P売買に取組むわけ

3.電力のデジタル化を支えるのはブロックチェーンか

4.電力×ブロックチェーン、立ちはだかる法規制


◆他のエネルギーシリーズはこちら↓

◆ツイッターはこちら↓


MALIS


公開日:2018/08/28
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エネルギー政策専門のコンサルタントです。ニューヨークにいることが多いのでこちらの情報発信が多めになる予定。Twitter: @mari_saita

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