最近ドタバタであまり投稿できてないし、読めてもないんですが、
ALIS媒体に卑猥な記事が多い問題がある?そして、卑猥さと文学的な高尚さを競う話に発展している?(当事者の皆様失礼します、突き詰める気もないので本記事内ではそういう解釈で)
など、約20秒は考えたんですが。
残念ながら私、才能がありません。
官能小説を真剣に読んだこともない。いや、新幹線乗るときにどんなもんだ?と思って一度買ったことあるんだけど。あんまり興味湧かなかったんですよね。あれですよ、Kioskに売ってるやつね。凄いつまんなかった(笑)
ふむぅ、と考え込む私の頭に蘇った記憶。
そう、それはMixi(*1)時代の思い出。
エロ投稿に驚愕し、
そして涙した日。
ちょっと気が向いたのでシェアします。
古い記憶すぎて恐らく正確性にかけますし、取り立てて役立つ話も教訓もないですが思い出話をお楽しみください。
注)以下、性的な行為をさす表現がございますので苦手な方はそっと閉じてください
「ちょっと、やばい人いるw」
古い友人からメールを受け取る。当時、wをどう表現していたかなど忘れたけど、とにかく彼女が興奮しているのは伝わってきた。
古くからの友人。時々、Vogueから抜け出してきたんですか?ってくらいお洒落な方っていますよね? 見た目はそれ系なんですが、ファッションのみならず笑いへの追及心も素晴らしい彼女。
送られてきたリンクを開く。
Mixiの投稿だ。
綺麗そうなお姉さんの投稿。
タイトルをみて噴き出しそうになる。
綺麗なお姉さんのチン道中、、、
これはいったい、、、
それは、ガチのエロ投稿だった。
思い出せる範囲で簡潔にストーリーをお伝えしましょう。
"彼女は友人と旅行に行き、
酒を飲んでたら二人組にナンパされ、
ホテルの部屋で一緒に飲み直してたら
いつのまにかone on oneすっ飛ばして
N対N(*2)になっていたよびっくり!"
以上。
と、書いてしまうと「頭悪そー、ドン引き!」となりそうな話なんですが、、、
しかし、これぞ文才というか、、、
物事の切り取り方とワードチョイスが異常に上手い方は存在するもの。内容はエロなのに、筆者のマジックにより漂う爽やかさと極上の笑い。
強烈に覚えてるのは、ストーリークライマックスの台詞。
彼女がホテルで酒を飲みながらウトウトしてしまい、ふと目を覚まし横を見ると友人がすでに「スタート!」しちゃってるんですが、その時の彼女の第一声が
何!?こんにちはって!?
その言葉のチョイス何!?
腹筋が痛くて涙がでてきた。
「この人、絶対頭おかしい」
友人に返信する。
しばし、投稿のどこが凄いかを語り合う。
あぁ、圧倒的才能に嫉妬する。
そして結論が出された。
人は生産性の低いことにこそ情熱を傾けられるよう、生まれ持ってプログラミングされているのだろう。少なくとも私はそうだ。
私たちは無事、彼女と会う約束を取り付けた。
待ち合わせ場所は広尾のカフェだったと思う。
オンラインで知った人にリアルで会うなんて、これが人生初めて。複数人でとはいえなかなかに緊張。どんな凄い人が出てくるんだろう、、、白カーデに白ミニスカート、巻き髪バッチリ、なぜか合コンでもするんかスタイルで向かうMALIS。
現れたのは、
ふつーのお姉さんだった。
いや、ふつーーーなんだけど、予想通りとても賢い方だった。
何を話したかって?
気を遣ったのだろうか、私たちはエロに一ミリも触れなかった。
彼女は歯科衛生士さん。
さぞかし職場で、、、など一瞬頭をかすめたけれど、話しを聞くに仕事とプライベートは一切混合しないタイプらしい。歯茎びろーんとする手術の話を聞き、鳥肌がたったのを覚えている。
エロ話を聞かないなら、一体なんでわざわざ会いに行ったのか? つまり私たち、若すぎたんでしょうね。無鉄砲なくせに残る遠慮と羞恥心。あぁ、もっと根掘り葉掘り聞けばよかった。
終盤になりようやく、
「あの、"チン道中"の件ですが、、」
「お、面白かったです!」
これが精一杯。
「あれねー、あんなの書き続けてるから色々批判もあってね」
にこりと微笑むお姉さん。
あの文才でも批判が来るのか。いやまぁ内容は確かにね、やば目だよね。
「「ご苦労されてるのですねー」」
私たちはお茶をした後「お腹すいたねー」と中華を食べに行った。そこでもエロの話は一切しなかった。中華は美味しく、私たちは大満足で解散した。
その後、彼女とは会ってない。
多分、まじめに働き、普通に幸せな人生を送ってるんじゃないかな?
あんな内容を、不快感もなく爽やかマックスの笑いに変えて提供してくれた彼女。
プロの作家の文章ではない。
なのに記憶に残る。読み返したくなる。誰かに教えたくなる。
そんな文章との出会い。
それが「チン道中」だった。
Mixiもフェースブックも、親しい友人とのコミュニケーションにしか使ってなかった私にとって、そして割と生粋の文学少女だった私にとって、それはそれは衝撃だったんだ。
インターネットは良い文章の定義を曖昧にし、変質させた。
これが、新時代の文章力。
、、、、
さて、何か良いことを言って締めようかと思ったけど、特にオチはないからこの辺りでサヨナラしよう。
そう、これは、
エロ話に感動し、
筆者に会いに行っただけのお話。
それではみなさま、ごきげんよう。
MALIS
(*1)Mixi:かつて一世を風靡したSNS。一応まだ存在しているはず。
(*2)N対N:つまり複数人が入り乱れるということ