先日、USドル基軸のジェミニドルとパクソスがニューヨーク金融サービス局の承認をうけ、正式に発行されることになったとの記事をお届けしました。
しかし、ステーブルコインはUSドルにとどまりません。
ついに日本円基軸の仮想通貨が発行されるようです。
さて、今朝出されたSouth China Morning Postの報道によると、香港の上場企業である「グランドショアーズ」(Grandshores Technology Group)が、日本円基軸のステーブルコイン発行を計画しているとのこと。
この計画にむけて、グランドショアーズ は1億香港ドル(1270USD)の調達を目指しているのだとか。
さらに注目すべきは、彼らが既に日本の銀行とも話し合いを始めていると言っている点。真偽のほどは定かではないですが、本当に話し合いが進んでいくならば大きなインパクトがあるのは間違いない話ですね。
今回台風の目になっている「グランドショアーズ」(Grandshores Technology Group)とはどんな会社なのでしょうか?
この企業、もともとは建設および不動産業をになっていたSHISという会社でした。しかし、今年5月に投資家Yongjie Yao率いる「Grandshores Blockchain Fund」に買収され、名前変更とともにブロックチェーン業界に参入。マイニングに必要な電気工事等もしているようなので確かに親和性はあったのかも。
そして「Grandshores Blockchain Fund」は、中国杭州市の支援をうけるブロックチェーンスタートアップ。
杭州市政府とのパイプの強いYongjie Yao氏が、香港で資金調達し日本円基軸のステーブルコイン発行を目指すーー。
なんとも面白いことになってきました!
Yongjie Yao氏は、日本円の次は豪州ドルや香港ドルを基軸としたステーブルコインの発行も計画しているとのこと。
こうなると、フィアット対仮想通貨ではなく、フィアットに取り込まれたブロックチェーン技術のように見えますが、主要通貨がすべてステーブルコインに対応し始めたとき、どんな世界が広がるのでしょうか?その時、金融の中心はまだニューヨークにあるのでしょうか?
Yongjie Yao氏はこんな発言を残しています。
We are entering the next stage of blockchain evolution, a stage which is akin to when computer operating system was transiting from MS-DOS [disk operating system] to MS-Windows,” Yao continued.
"ブロックチェーンは次の進化段階に入っている。これは、コンピューターのOSががMS-DOSからMS-Windowsに移行する段階を彷彿させる"
あと3-5年でブロックチェーンはこの世界の主流技術になる、と語るYongjie Yao氏。今後の動向が見逃せません。
それにしても、、、
個人的には、あれほど金融庁が世界最先端と豪語した日本から自国通貨のステーブルコインがだせないのは何ともいえない気持ちではあります。
後出しで、「中国企業?地政学的リスクは大丈夫か?」など騒ぎ出さないか、冷ややかな気持ちで見守りたいと思います。
(注)コインポスト日本語記事によると今回のプロジェクト主体は「Grandshores Blockchain Fund」となっていますが、参照先のSouth China Morning Postの英語記事を見ると「Grandshores Technology Group」が主体と読めるため元ネタに忠実に書いています。読み違いであれば訂正します。
MALIS
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