「動かないコンピューター」
という連載をご存じだろうか?
SE(特にSIer勤務)にとっての西野カナ、と言っても過言ではないだろう共感必読書「日経コンピューター」創刊当時からの大人気&ご長寿連載だ。
ここには、数々のおぞましきシステム導入失敗案件が蓄積されている。
一度でも現場で働いたものならわかるだろう、失敗案件渦中の苦しみが。
尋常ではない空気の悪さ
理不尽なクライアント
頼りない自社上層部
反旗を翻す下請け
気が狂いだす上司
逃げ出す部下
暗躍する経理
そして、終盤に投入される通称「火消し隊」(※)により、とどめを刺されたシステム開発プロジェクトの断末魔は、今日もフロアに響き渡る。
そう、動かないのはコンピューターじゃない。
人間なんだ。
そんな現場に私が身を置いたのもとうの昔、IT産業のホワイト化が叫ばれて久しいのだ。さぞかし現場は高度なマネジメントを導入しているのだろう。
と思いきや、、、、
思いきや、、、
なんとなんと、
残業は減ったらしいけど、
ねぇSIer、君は何も変わってないんだね?
そんなわけで今後は暫く、#ITカテゴリーなのか、#現場なのか、迷いながらもシステム導入の失敗について、その深淵をのぞき込んでいきたい所存です。
だってみんな、成功事例なんか興味ないでしょ?
動かないのはコンピューターじゃない。
人間なんだ。
今日はひとまず導入まで。
MALIS
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※「火消し隊」
大手SIerには必ずいるシステムトラブル対応の専門家たち。大変優秀なのだが、いきなり現場の状況に追いつけるわけもなく、数週間から数か月は彼らへの説明に時間が割かれ、現場はさらに混乱を極め、今日も続くよ僕らのデスマーチ、というのはよくある物語。
※SIer
システムインテグレーターのこと。ちなみに英語風だけどアメリカでは通じたためしがない。