仙台育英高校が、甲子園でベスト8になったというのを昨日(当時)知った。
スポーツ観戦の類にあまり興味のない私だから、
地元の高校であろうと、あまり気にはならないのだけれど、
LINEニュースで上がってたこんな記事を見つけた。
〇星稜17-1仙台育英●=18日・阪神甲子園球場(第101回全国高校野球選手権大会・準々決勝)
阪神甲子園球場で18日に行われた第101回全国高校野球選手権大会の準々決勝の星稜(石川)―仙台育英(宮城)戦で、
攻撃側の選手がマウンド上の相手投手に飲み物を渡しに行く珍しい場面があった。
星稜が8点リードで迎えた七回の守りで、2死後に先発右腕・荻原が1番・中里に3球目を投じた後、
右手首がつってタイムがかかった。
この様子を三塁側ベンチで見ていた仙台育英の4番・小濃は、
自分が飲もうと持っていたスポーツドリンク入りのコップを手にマウンドまで走り、
「まだまだ先が長いんだから飲んでおけ」と手渡した。
荻原は「すみません。ありがとうございます」と飲んだ。
小濃によると、仙台育英の選手が宮城大会で死球を受けた際、
相手チームの選手に冷却スプレーをかけてもらったことがあり、
選手間で「似た場面があったら自分たちもやろう」と話していた。
小濃は荻原と話したことはなかったが、
「相手は2年生で来年もある。けがで野球人生が終わったら良くないと思った。
当たり前のことを当たり前にやっただけ」と涼しい顔で振り返った。
試合は星稜が17―1で勝利。荻原は七回限りで降板した。
仙台育英の挙げた1点は、小濃が四回に放った右越えソロによるものだった。
こんなに大差の試合だとも知らなかったし、
野球のルールもはっきり知らない私だけど、
高校の現場で、“部活動”に本気になる子どもたちと8年間過ごしてきたから、
きっとこの試合が、
選手たちの心に残る、良い試合だったのだろうと感じる。
そして、星稜の選手は、
仙台育英の分も、という気持ちも背負って、
それが追い風となっていくだろう。
負けることは悔しいけれど、
高等学校での部活動で得られるものは、
勝ち負けでは到底測れない。
部活動の顧問をしていた時に、
子どもたちに発信し続けてきたことは、
「東北大会に行きたい、自己ベストを出したい。
それらの“目標”は大切だけれど、
じゃあ、
東北大会に行けなかった、自己ベストを出せなかった、
その時に、あなたたちに何も残らないような活動をしてほしくはない。
あなたたちが部活動をする“目的”は何だろう」
これは、私自身が顧問として、ずっと意識し続けてきたことでもある。
子どもたちの、
血となり肉となるような活動、
それはどんな部活動だろう。
子どもたちの、
これからに活きる活動、
それはどんなチームだろう。
本気で取り組む選手たちの姿に、
幾度となく心震えて、
涙を流してきた。
負けても良い。
これもまた、
基本的自尊感情のない上に、
社会的自尊感情(勝敗)だけを求めてしまうと、
選手の心は“負け”に折れてしまうのだろうと思う。
子どもに関わる全ての教育活動の本質は、変わらない。
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2019.8.19.
地元、仙台育英学園高校の勇姿。
部活動は、子どもたちにとって本当に大きな時間を費やす、
大切な時間。
その時間に対して、先生方がどういう姿勢でいるかは
とても大切で、
その時間を、生かすも殺すも、
顧問の手の中にあるようでは、意味がないと思う。