

青空文庫。
独特の口語体で綴られる当事者の回顧録形式はかの『高野聖』に通じるが、文章量は倍ほどもあり迷宮度は更にアップ。
魔所に関する導入部からしてもう100%鏡花印の名口調、口述筆記ではなさそうだが黙読よりも朗読に適している。
にしても不可思議な物語だ。
「眉かくしの霊」みたいな怪談噺とも違う。
怪奇現象は起こるけれど恐怖は感じない。
幻想の語り。
最終盤、手毬唄の響きからの、フッと掻き消えるようなラスト。
ダラダラと説明を尽くさず、余韻だけが残る。
これぞ迷宮譚。
怪異譚でもあるが、いやこれは迷宮譚だ。











