推理ものだが我らが明智探偵は出てこず、代わりに出張るは白髪の老探偵三笠龍介。
しかしこれが少々頼りない。
謎の赤蠍殺人団にあっさり囚われ、狙われた少女をまんまと殺され、自身も刺され大怪我を負う。
探偵のシンパたる相川守青年にすら〈この老いぼれは、見かけ倒しのボンクラ探偵だったのかしら〉だの〈何というノロマ探偵であろう〉だの散々な言われよう。
真犯人を隠そうともしない露骨な描写といい猫好きが読んだら激怒しそうなラストといい、迷走感は拭えないが話のネタとしては悪くないかな?