(前回のあらすじ:
講習を通しマインドと外見を整えられた僕は、
ついに本格的な修行を始めることになる…)
「pairsでマッチングした相手と電話をして15分で泣かせてください」
これが講師による次の指示だった。
(15分で泣かせるなんてできるわけなくね…)
というのがこの指示をを聞いたときの正直な感想だった。
けどそんな僕の思いを見透かしたように講師は
「できます」
と力強く述べた。
そして何の実力もない自分はそれを信じて進むしかなかった。
まあ何はともあれ、
pairsに登録して女の子とマッチングしないことには何も始まらない。
講習生の僕たちは各々プロフィールを整えて、講師に提出する。
そして講師からフィードバックをもらう。
「ここはこうしてください…」
「ここはこう変えてください…」
中でもびっくりしたのは、
先日撮ってきたホテルのラウンジの写真を
ここに使ってくださいと言われたことだ。
思わずなるほど、と唸った。
たしかにキラキラした世界が好きな女の子からは確実に食いつき上がるなと。
(そして実際に効果はあった)
こんな感じでプロフィールを整え、
なんとかマッチングまでこぎつけた。
けどここから電話にこぎつけるのって難しくないかって思っていたが、
軽いノリで打診すると意外にも女の子は引き受けてくれる
ということもこのとき学んだ。
そんなこんなで僕のはじめての電話修行が始まろうとしていた。
講師からのアドバイスは
「まあとりあえず最初なんで、30分適当に喋ってみてください」
だった。
このときは人生で久しぶりにMAXに緊張したのを覚えている。
心臓バクバク、手汗ドロドロだった。
今から思えば何を電話くらいでなのだが、
ほぼコミュニケーションを取っていない女の子と
何を話していいのやらという感じだった。
恐る恐る電話をかけた自分。
「あ、もしもし〇〇っていいます。・・・さんですか?」
めちゃくちゃ緊張しながら、
こんな感じで電話は始まった。